心を掴んだタイムシフトマシン
必要なのは満足度を高める提案力


(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社
国内企画・マーケティング部
部長
岡田 淳
ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 総合金賞
液晶テレビ "REGZA"
ZG2 series(55ZG2/47ZG2/42ZG2)

Z2 series(47Z2/42Z2/37Z2)
ZP2 series(32ZP2/26ZP2)
(写真は32ZP2・左 / 55ZG2・右)

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 特別技術賞
レグザエンジン "CEVO"

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 金賞受賞モデル
55ZG2/47ZG2/42ZG2
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
 
驚愕したCELLレグザの機能を、当初、宣言した通りに、より多くのお客様にとって身近なものとしていく東芝。それは、テレビの新しい楽しみ方として、付加価値提案の待望されるテレビ市場を確実に高みに引き上げていく。テレビのネットワーク化の風もいち早く捉え、レグザタブレットの商品化や機器間で連携するレグザワールドを加速する!
 

マニアだけのものではないタイムシフトマシン

−− CELLレグザで話題を集めたタイムシフトマシンが大好評のようですね。


岡田 今回、ZG2シリーズに搭載したのですが、Z2シリーズと比べると10万円以上高価になるにもかかわらず、大変な勢いで売れています。CELLレグザと比較すると、価格もお求めやすくなりましたし、サイズも42V型から55V型までの3サイズから選べるので好評です。技術的には大変むずかしかったのですが、回路やHDDの薄型化で本体に一体化できたことも大きな要因の一つです。


録画することを意識せずに、好きな情報や番組を選んで、好きなときにゆっくり楽しむタイムシフトマシン。もう少しニッチなスペックだと思っていたら、奥様たちの間でも話題になっていてびっくりしました。マニアだけではなく、皆さんの中にベネフィットがあったのです。

放送をさかのぼって観たい番組を楽しめるタイムシフトマシン機能。リモコンのタイムシフトボタンを押すと、放送済み番組表が表示され、まる一日放送をさかのぼって、見たい番組を視聴することができる。テレビを見始めたのが番組の途中からであっても、簡単に時間を逆戻りして、番組を冒頭から視聴することが可能。

従来のテレビにない新しいテレビの楽しみ方としてご評価いただけたことは本当にうれしいですね。日本のスマートテレビのひとつの方向性だと思います。アナログ停波後に、需要の冷え込みを悲観するのではなく、こうした新しい提案でどんどん喚起していくことが大切。新たなLSIを採用した「レグザエンジンCEVO」はさらに大きな可能性をもっています。いろいろな視点から、新しい機能を入れていきたいですね。


−− 需要の高まる中小型サイズにあって、ZP2シリーズは個性の際立つ商品ですね。

岡田 メガネが軽く、チラツキのない明るい映像が楽しめるパッシブタイプの3Dに対応しました。これから増えてくる3Dゲームをパーソナルで楽しむのにも最適で、長時間プレイしても疲れにくいのが特長のひとつです。価格が安くなりがちな中小型モデルですが、フルHDの高画質をはじめ、きちんと付加価値がアピールできます。お客様にどのように提案していくか。販売店様と一緒になって取り組んでいきたいですね。


サイズアップの提案では、部屋の大きさにも限りがあります。タイムシフトマシンに代表される新しい機能や他の機器とリンクすることによる楽しさの訴求が、需要活発化のためには重要になってきます。


−− 周辺機器との組み合わせ提案では、テレビの音質もそのひとつの切り口になりますね。


岡田 音質は、テレビの薄型化、小型化と二律背反の関係にあります。さらに薄型化し、ベゼル幅も狭くなる中で、薄型化したスピーカーユニットも新開発していますが、もっと迫力ある音で、いい音で楽しみたいお客様には、シアターラックもひとつの選択肢だと思います。


テレビは高画質と高音質とが相俟って楽しさが倍増し、単価アップにもつながります。3Dの登場により、ますますその傾向は強まっていきます。もっといろいろなバリエーションがあっていいですし、店頭の販売員様からも一言、お客様にお声掛けいただくことが大切になります。

ひろがるレグザワールド

−− 御社では、レグザタブレット、レグザフォンを加えた“ひろがるレグザワールド”を打ち出されています。


岡田 “いつでも楽しめる”。大事なことなのですが、実は、これがあまり実現できていませんでした。タイムシフトマシンなど、タイムシフトのニーズが想像以上に高く強いことがわかりました。次は、“どこで”見るかです。レグザフォンやレグザタブレットと連動すれば、場所の制約からも解放されます。

“レグザタブレット”「AT300」
映画ならやはり大きな画面で楽しみたいですが、情報番組ならタブレットでも十分。見るディスプレイのサイズや場所で、お客様が見るものをチョイスするようになる。コンテンツの楽しみ方が変わってくるわけです。そのためには、55インチから4インチまでのサイズが最終的には全て連動して、コンテンツのやりとりが簡単にできるようにならなくてはなりません。


また、生活シーンに限らず、当然、売り場も変わってくると思います。そうすれば、「それならタブレットも買おうか」「ケータイをスマートフォンに買い替えるか」など、新たな需要喚起や単価アップにもつながってくる。タブレットやスマートフォンも爆発的な伸長が予想されますが、大事なのは、何ができるのかをきちんと伝えることです。


タブレットに対する一番の期待は、主婦層も手軽に扱えるものであることです。臆することなく手にすることができます。家電製品との連動した高性能なリモコンのような使い方も可能で、生活の仕方そのものを変えてしまう可能性があります。それを、きちんと伝えること、提案していくことですね。


−− お客様の満足感を高めるシナリオを描ける売り場づくりが必要になってきますね。


岡田 アナログ停波はひとつの契機です。テレビがこんなに楽しくなりますという訴求へ、東芝からも売り場づくりの提案を行っていかなければなりません。不要なものを押しつけるような発想では通用しません。お客様の不満を解消するだけではなく、満足度を高めることが、単価アップにもつながっていきます。


とりわけこの夏に関しては「節電」がキーワードのひとつ。7月上旬にはピークシフト機能を備えたテレビを導入します。復興へ向け、自分ができることから協力していきたいというマインドがとても高まっています。ここに対してもお客様と一緒になって、取り組みにも一層力を入れていきたいと思います。

 

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東芝 デジタル機器 製品情報サイト

 
岡田 淳氏 プロフィール

1982年、(株)東芝入社。ビデオ事業部国内営業部門で販売企画、販促、広告に携わる。03年4月デジタルAV事業部DAV国内営業部長に就任。DVDレコーダーの国内市場導入を行うなど、録画機器の国内営業活動に長年従事する。映像機器の日本部 部長を経て、11年4月よりデジタルプロダクツ商品の国内企画・マーケティング部長に就任、現在に至る。趣味は読書、映画鑑賞。