5つのポイントをしっかり押さえ
価値創造型商品を強化する


日立コンシューマエレクトロニクス
映像ソリューション事業部
映像本部
担当本部長
須藤利昭
  
ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 特別企画賞
液晶テレビ/プラズマテレビ "Wooo"
XP07 series
(写真はP50-XP07・左 / L42-XP07・右)

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 金賞受賞モデル
P50-XP07/L42-XP07/L37-XP07
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
 
“録画テレビ”市場を牽引してきた日立「Wooo」。新商品「XP07シリーズ」では、地デジ3チューナー、ダブル長時間録画、Woooおすすめ番組などさらに充実、快適な録画機能を実現。リーディングメーカーとしての真骨頂を見せつけた。テレビ販売が大きな転機を迎え、単価下落という課題と向き合う中で、後半戦へ向け、付加価値訴求型へと大きく舵を切る。
 

凄いことが簡単にできる

−− XP07シリーズは地デジ3チューナーを搭載しています。単に数が多いだけではなく、裏録がどちらも長時間8倍モードでできる。さらに、たくさん録画できるメリットを活かし、Wooo自らが録りたくなる番組を探し出す機能を新搭載するなど、使い勝手が大変よく考えられています。


須藤
 録画テレビには早くから取り組んできましたので、録画機能はもちろん、リモコンを含めた使いやすさに至るまで、常に先行してユーザーベネフィットを実現してきました。テレビは外見ではただの箱に過ぎませんが、見ただけではわからない内実をしっかりとご評価いただけたことを大変うれしく思います。

「P50-XP07」は、ビジュアルグランプリ2011SUMMER金賞を受賞。


−− “スマートテレビ”というコンセプトが関心を集めていますが、XP07シリーズは最先端のスマートテレビとも言えますね。


須藤 スマート、すなわち、賢いということでしょうか。他社ではウェブサービスを重視する傾向が見受けられますが、日立Woooでは「つながる」をキーワードに、同時に色々なことができるスマートさを身につけています。しかも、ユーザーの誰もが簡単に、その凄い機能を楽しんでいただけます。新商品のXP07シリーズでは、ユーザーの録画履歴を分析して、テレビが番組を探してくる「Woooおすすめ番組」機能を搭載するなど、そうしたところまであわせて、スマートテレビではないかと思います。

「Woooおすすめ番組」機能。ユーザーの録画履歴を日立独自のアルゴリズムで分析し、おすすめの番組を表示する。よく録画する番組の出演者、ジャンル、時間帯などを参照しているという。番組名だけでなく、その番組が選出された理由や、おすすめの度合いを示す三つ星なども表示される。

録画の部分でも、ネットワークでつながればもっと楽しくなると考え、DLNAにも早くから力を入れています。“ネットワークテレビ”と大上段に構えるのではなく、利便性や楽しさを考えていけば、自ずとネットワークを包含したものになるはずです。


−− 録画では、カセットHDD「iVDR-S(別売)」という大きな差別化ポイントを備えています。USB-HDDを初期から使用されている方は、テレビを買い替えると貯めていたものが見られなくなるという切実な問題にも直面しつつあります。


須藤 次のテレビに買い替えても、アーカイブをスムーズに引き継げるのはカセットHDDの大きな魅力のひとつですね。まだ、十分に需要が広がったとは言えませんが、実際に使用されたユーザーの間ではリピーターも多く、簡単に容量を増やせたり、持ち出すことができたりという利便性を高くご評価いただいています。

考え方や行動の根本部分から付加価値型へ大きく舵を切る

−− テレビの買い替えサイクルも短期化してきました。

須藤 黒物家電の場合には、白物家電のように壊れるまで使用して買い替えるのではなく、新しい魅力や機能差をきっかけに買い替えを決断するケースが少なくありません。特に薄型テレビは、今は、5年で相当の差がついてしまいます。


いわば、パソコンのような購買パターンです。それはすなわち、誰でもつくれる商品になったということで、値段は必然的に下がります。各社が垂直型のビジネスから水平型のビジネスへ移行した段階で、遅かれ早かれそうなることは見えていました。そこで、赤字にならない体力と仕組みづくりをやらなければいけなかったのですが、エコポイントと地デジ化で、各社対応が遅れてしまっているのが実情ではないでしょうか。


しかし、テレビの価値を認めていただき、もっと高い値段で買っていただける可能性はまだまだあります。そこへ、事業としての活路を見出していかなければいけない。低成長時代は特徴がないと生き残れません。製品開発の上からも、「高画質」「録画」「3D」、関心の高まる「エコ」、環境が急速に進展する「ネットワーク」の5つのポイントをしっかりと押さえていきたいと思います。


−− 後半戦へ向けての戦略をお聞かせください。


須藤 11年度もテレビ市場は1000万台を超え、台数ベースでは依然として大きなマーケットです。ただ、単価ダウンが異常なレベルにあるのが大きな課題です。サイズによっては2年前の半額までダウンしています。ここに来て売れ筋が中小型にシフトしていることで、トータルでの単価ダウンにさらに拍車をかける形になっています。


この状況を打開していくためにも、付加価値型の商品を買っていただくための努力や工夫がもっともっと必要です。我々メーカーも先ほどの5つのポイントを軸に、潜在的なニーズを掘り起こして、お客様にとって新鮮でかつ満足度の高い、よりこだわりの強い製品へ、大きく舵を切っていきます。そのためにも、考え方や行動そのものから、これまでとは大きく切り換えて臨みたいと思います。

 

【関連リンク】

日立コンシューマエレクトロニクス
日立「Wooo」製品情報
【Phile-webスペシャルサイト】HITACHI Wooo WoRLD

 
須藤利昭氏 プロフィール

1956年4月30日生まれ。1980年日立家電入社。営業、商品企画等を経て2007年より現職。テレビをはじめ、ビデオ、DVD、さらにビデオカメラまで、AV・デジタル機器すべてにかかわってきた。モットーは、仕事も遊びもやるからには「楽しく」。趣味はゴルフ。ホームセンターやゴルフショップ、カーショップ、ディスカウンター等の店巡り。