季刊・ホームシアターファイル 8月特別増刊
「長岡鉄男 ホームシアターのすべて」

定価1,500円(本体1,429円)


本誌の紹介

長岡鉄男の肖像

ホームシアターを語る上で決して忘れてはならないのが長岡鉄男氏の存在です。ここでは4つのキーワード−「長岡鉄男」「大画面」「サウンド」「ソフト」−を元にその人物像を探っていきます。

長岡鉄男と五人の静かなる男

方舟に影響を受けてシアタールームをつくった人々は世の中にどのくらいいるのでしょうか。彼らに共通するのは誰かの手に委ねることなく、自らが切り開いていこうとする強い意志です。ここではそんな長岡思想を継承した3人の人物を紹介していきます。さらに、長岡氏に出会ったからこそインストーラーになった人物、方舟のプロジェクター導入にもっとも関わった、ホームシアターブーム最大の仕掛け人を紹介していきます。

第1章 元祖ホームシアター・方舟の変遷

方舟がつくられたのは1987年ですが、この時代にこれほどまで巨大なホームシアターを構築した人物がいたでしょうか。何もかもが初めてで今なおそのスケールの大きさに圧倒されます。ここでは、方舟が稼働してから約10年のドキュメンタリー記事を掲載していきます。その間、レファレンスが変化していくのは当然のこと、方舟自身に起こったことが興味深い出来事として伝わってきます。それらを通して得られるのは、ホームシアター(部屋)の長い年月をかけてわかる「使いこなし」です。

第2章 長岡鉄男が考えたシアタールーム

専用ルームでない限りシアタールームは生活空間としても機能します。つまりある制約の中でホームシアターを行えば、それだけ多くの悩みを抱えることになるのです。ここでは長岡氏がアドバイスした読者のシアタールームを紹介しています。今でこそ当たり前ですが、これらの読者訪問は「ホームシアター・インストール」の原点であったのかもしれません。誌上および直接のアドバイスに加え、もしこれから方舟をつくるとしたら、というシアタールームの理想像も紹介しています。

第3章 長岡鉄男が観たプロジェクター&スクリーン

3台の3管式プロジェクターを所有し、大画面再生を旨とした長岡氏にとって、プロジェクターは趣味と同時に研究の対象でもありました。取材でも多くの製品に接していきましたが、評価の基準は明確です。それは「明るいこと」です。映画館をイメージさせる色温度の低い映像は決して好みませんでした。それはスクリーンに対しても同様で、プロジェクターからの光をストレートに返してくる製品を好んだのです。ここでは、そんな長岡氏の映像への志向が対談を通じて伝わってくるはずです。

第4章 長岡鉄男が作った、聴いたスピーカー

自作スピーカーの代名詞として長岡氏は名を馳せました。そのほとんどがオーディオ用スピーカーですが、DVDの登場により劇的な変化を遂げていきます。本人自身初めてとなる5.1ch対応スピーカーを発表するのです。それがAVレビュー66号('99年)で製作した「ダークロックス」でした。以降、DVD再生を目的としたスピーカーを発表していくことになります。一方で市販のサブウーファーに対して厳しい評価を下していました。0.1chの存在意義を解説し、だからこそ必要な条件を提示していきます。
*写真は地下室に眠るダークロックス

第5章 長岡鉄男が選んだソフト

長岡氏は大の映画ファンです。巷ではオーディオ評論家としての側面ばかりが注目されていますが、方舟はどこからどう見てもシアタールームです。映画が好きだからつくってしまったのです。また、評論家としての活動も関係しているでしょうが、方舟のDVD&LDコレクションを見るとジャンルに偏りがありません。それが何よりの証明です。ここでは、そんな長岡氏が好んだ怪作・珍作を選んでいます。しかつめらしい映画評論は一つもありません。映画雑誌ではお目にかかれないユニークな読み物がここにあります。