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AVC-1870

DENON
AVC-1870

¥75,000(税抜)

発売:2002年8月下旬
このモデルは生産を完了しています
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【SPEC】
<パワーアンプ部>●定格出力(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D.0.08%):フロント/80W+80W、センター/80W、サラウンド/80W+80W、サラウンドバック/80W ●実用最大出力(6Ω、EIAJ):フロント/130W+130W、センター/130W、サラウンド/130W+130W、サラウンドバック/130W
<アナログ部>●入力感度/インピーダンス:200mV/47kΩ ●SN比:100dB(TONE DEFEAT ON時) ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1dB、-3dB)(TONE DEFEAT ON時) ●歪み率:0.08%(20Hz〜20kHz)
<フォノイコライザー部(PHONO入力REC OUT)>●入力感度:2.5mV ●RIAA偏差:±1dB(20Hz〜20kHz) ●SN比:74dB(JIS-A、5mV入力時) ●歪み率:0.03%(1kHz、3V出力時) ●定格出力/最大出力:150mV/7V
<総合>●電源:AC100V・50/60Hz ●消費電力:220W(スタンバイ時1W以下) ●外形寸法:434W×171H×417Dmm ●質量:11.7kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

歪みや濁りのない音調は大変音楽的

デノンの普及クラスに当たる6chアンプ。普及機とはいいながら最上位モデルAVC-A1SRなどの技術を踏襲し、またオーディオアンプの技術も色濃く受け継いで完成度の高い仕上がりとなっている。デコーダーには32ビット処理のMELODY32を採用。パワーアンプ部はディスクリート構成で各80Wの出力を得ている。ドルビーデジタルEXやネオ6など各種フォーマットに対応。6ch入力端子も装備している。

DVDビデオの視聴では、セリフが厚く、重みがよく利いている。さすがに重いウーファーを制動するのには苦労しているが、分離のいい音調だ。S/Nのよさが全体の再現性を向上させている。室内音などシーンの反響にはやや乏しいが、出てくる音に無理がない。セリフの表情が丹念に描かれ、静かな会話の中にもじっくりと物語の流れがにじみ出てくる再現性である。また会話の背景になる自然音や身辺音がきめ細かく、それが表現をいっそう緻密なものにしているようだ。効果音もぴしりと決まっているが、過剰な鋭さはやや抑えて若干おとなしい部分も見られる。坑道の中の場面や広い草原のシーンなど、もうひとつ広がりや奥行があれば万全といえる。艶やかな音楽音も分離よく再現されている。

DVDオーディオを聴く。無理のない遠近と適度な余韻を持っているが、高域を柔らかく繊細に描く傾向が強い。オーケストラの分離などむしろメリハリを付けてもいいように思うが、歪みや濁りのない音調は大変音楽的だ。S/Nのよさとディテールの再現力によって空間の鬱蒼とした響きがリアルに描き出されている。スピーカーの負担はさすがに重いようで、低域はよく沈んでいるが多少膨らむ印象である。エネルギーバランスは下寄りで落ち着いた響きを生んでいる。

(text.井上千岳)