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DSP-AX630

YAMAHA
DSP-AX630

¥65,000(税抜)

発売:2002年4月10日
このモデルは生産を完了しています
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中級機の弱点を克服。
激戦区の指標となる注目AVアンプ

オーディオ銘機賞2003 ≪マルチチャンネルアンプ部門賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2003 ≪マルチチャンネル音声対応機器部門賞≫受賞モデル

【SPEC】●定格出力(6):メイン75W+75W、センター75W、リア75W+75W ●実用最大出力(EIAJ、6):メイン110W+110W、センター110W、リア110W+110W ●全高調波歪率:0.06%(CD他) ●S/N比:100dB(CD他,250mV) ●周波数特性:10Hz〜100kHz(CD他、−3dB) ●消費電力:230W ●外形寸法:435W×161H×390mm ●質量:11.5kg 

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

これからのスタンダードとなりうるモデル

ホームシアターの普及に伴って、今後さらに激戦が予想されるクラスの新製品だ。低価格AVアンプのこれまでの弱点をいえば、レンジが狭いこと、S/Nが悪くとりわけデジタル・ノイズが耳につくこと、スピーカーに対する駆動力が足りないことの3つが挙げられる。確かに2チャンネル・アンプと同じコストで5チャンネルを駆動し、さらにデジタル信号の復調から映像回路まで含むとなればコストの厳しさは容易に想像がつく。これまではそれでも仕方なしとしてきたわけだが、もうそういう時代ではなくなった。

本機を聴けば先に挙げた弱点が嘘のように思えるだろう。まずレンジが広い。そしてS/Nが高い。ことに高域が自然に伸び、そこに歪みっぽさが絡まない。このため音調が全体に透明度を上げ、濁りのないきめ細かさを獲得しているのである。音楽ではこれが楽器の滑らかな質感につながり、誇張のないシャープネスを生み出している。映画でも身辺音の感触や遠近の緻密な表現を可能にする。

透明度は低域でも向上している。一見パワーが素通りしているように感じられるが、歪みのない証拠。深くまで質感をしっかり把握し、にじみのない音色を再現する。このため高域とのバランスや滑らかさに優れ、従来の同じ価格帯と比較してはるかに密度の高い高品位な再現性を実現するのである。

シネマDSPが加わると、音場はさらに精密なものとなる。奥行が深く、後方へも十分に広がりのある音場が再現される。この処理には上級モデルと同じプロセッサーを使用しているわけで、価格帯からすれば贅沢な構成である。それだけに信号の取り落としや歪みがなく、アナログ部の緻密な駆動力とともに透明な厚みを備えたリアリティの高い音場再現が可能となっている。今後このクラスのスタンダードとなってゆきそうな製品である。

(text:井上千岳)