ハイビジョン“スゴ録”シリーズの最上位モデルは、デジタルレコーダーのなかでも活用の幅が広く、多機能で知られるモデルである。デジタル放送の2番組同時録画にも対応しており、400GBのHDD内蔵という基本スペック以外にも機能面の見どころが数多くある。

操作は、PS3などと共通のXMBの表示とスティック付きのリモコンで最初は戸惑うかもしれないが、レスポンスが高速なので慣れると使いやすい。ただ、起動速度が約1分とやや遅めなのが惜しい。

録画予約の機能では、不定期の繰り返し録画に使える「番組名予約」の実用性が非常に高く、自動録画の「x-おまかせ・まる録」よりも手軽に使用できて良い。再生時には「オートグルーピング」でジャンル、番組名などでまとめて表示することができ、目的の番組を探しやすい。「ダイジェスト再生」によって録画した番組を短時間で視聴する使い方も可能だ。

さらに、録画した番組は携帯ゲーム機のPSPに転送して再生、HDVカムからの映像取り込み、デジカメ画像を効果的に表示する「x-Pict Story HD」「x-ScrapBook」と、充実した外部機器との連動性も他社にない魅力である。

デジタル放送を視聴した画質は、特有のデジタルノイズが抑えられた滑らかな映像となっているのが印象的。色使いは全体的にあっさりとしており、映画のように階調をおさえた映像の表現が得意と感じた。DVD再生は一転して色彩感が強く力強い映像になる。ノイズを上手く抑えてくれる滑らかな傾向はDVDでも共通だ。

（折原一也／「AVレビュー（2007年2月号）」より転載）