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DSP-AX759

YAMAHA
DSP-AX759

¥78,000(税抜)

発売:2006年3月下旬
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ビジュアルグランプリ2006 SUMMER ≪AVアンプ(普及タイプ)部門≫受賞モデル

【SPEC】
●定格出力:100W×7ch ●実用最大出力:140W×7ch ●入力端子:アナログ音声信号×8、8ch×1、デジタル音声信号(光)×4、デジタル音声信号(同軸)×2、コンポジット映像信号×5、S映像信号×5、コンポーネントビデオ×3、D4-ビデオ×3、ドック×1 ●出力端子:SP OUT×7ch 11端子、PRE OUT×8ch、REC OUT アナログ音声信号×3、デジタル音声信号 光×1、コンポジット映像信号×2、S映像信号×3、MONITOR OUTコンポジット映像信号×1、コンポーネントビデオ×1、D4-ビデオ×1 ●周波数特性:0/-3dB(10〜100kHz) ●RIAA偏差:PHONO(MM)→0±0.5dB ●消費電力:300W(待機時0.1W) ●外形寸法:435W×171H×421Dmm ●質量:12.3kg ●付属品:リモコン、電池、FMアンテナコード、AMループアンテナ、オプティマイザーマイク

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

ピュアダイレクト・モード搭載。ノイズを除去して純度を高める

従来のDSP-AX757のリファイン・バージョンで、ほかにDSP-AX559とDSP-AX459も揃ってラインナップされている。いずれも旧57シリーズからのリファインである。回路構成や基本的な機能などに大きな変更はないが、ロージッターPLLの採用やローノイズ電源回路など丹念な音質対策が行われている。また2チャンネル・ソースに対してはピュアダイレクト・モードを搭載。DSPを完全に回避するほか、映像回路やRAMアクセスの停止などによって、ノイズの発生源を徹底排除して純度を高める仕組みである。新たな装備としてミュージック・エンハンサーが注目される。デジタル・ミュージック・プレーヤーの圧縮信号に対して周波数レスポンスを拡張する機能で、圧縮によって取り落とされた高域信号を類推復元する。また、これに伴って別売のiPod用ドックYDS-10のコントロールも可能となった。なお、アンプは7ch構成。プレゼンスとサラウンドバックの切り替え使用する独自の方式を踏襲している。出力もDSP-AX757から多少だが強化された。専用マイクによる自動音場補正YPAOも最新版である。

実に手馴れた作りという印象である。ことに映画での再現が巧みだ。上級機に比べれば高低両エンドを多少丸めた感触もあり、また音数の点でも若干減少しているのがわかるが、普通に聴いている分にはそうした点を感じさせない安定したバランスのいい音調を備えている。『HERO』の戦場の雑踏音や矢の飛来音など、分解能が高く新鮮だ。S/Nのよさが利いている。セリフの質感もごくナチュラルで誇張やこもりがなく、厚みに欠けることもない。『マスター・アンド・コマンダー』では、砲撃音などにもうひとつ芯の太さがほしい気がするが、解像度が高く、セリフや効果音の遠近が自然に出てくる。また音場空間のつながりがいいのも、ヤマハらしい再現力である。2チャンネルでの再現性にも感心させられる。超ワイドレンジというわけではないが、エネルギー・バランスをナチュラルにまとめ上げ、それによって凹凸のない位相の平らな音調を獲得している。ジャズやオーケストラなどの難しいソフトでは、瞬発力に心持ち不足が見られるものの、質感に不自然さがなく、ボーカルなどの表情は極めて緻密だ。鮮度が高く、刺々しさがない。

10万円以下の普及モデルの中で、安定した再現力と駆動力を備えたお買い得なモデルといえる。それほど広いスペースではなく、一般的な環境でしっかりしたホームシアターを作るのに好適だ。また併せて音楽も楽しみたいなら、いっそうお勧めしたい。

(text.井上千岳)