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SR4300

MARANTZ
SR4300

¥45,000(税抜)

発売:2002年11月上旬
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エントリーモデルながら骨太で豊かな音を響かせる

【SPEC】
●映像入力:コンポジット×4、S端子×2 ●映像出力:コンポジット×2、S端子×1 ●モニター出力:コンポジット×2、S端子×1 ●オーディオ入力:アナログ(ステレオ×7、マルチチャンネル×1)、デジタル(光×2、同軸×2) ●オーディオ出力:アナログ(ステレオ×4、プリアウト×1)、デジタル(光×1、同軸×1) ●外形寸法:440W×164H×365Dmm ●質量:12.5 kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

楽器を際立たせるよりも音場全体の響きが全体から来る印象

コストパフォーマンスの高い6chアンプである。ドルビーデジタルEXやDTS-ESなど現行のあらゆるフォーマットに対応し、2chやモノのソフトを6.1ch化するサークル・サラウンドIIも搭載する。出力は定格で各96W。マルチチャンネル・オーディオに対応するアナログ6.1ch入力も備え、パワーアンプは100kHzの特性を確保している。また高域を強調したソースに対して補正を行なうHT-EQなど機能も多彩だ。設定項目はごく標準的でわかりやすく、ディスプレイも大型で見やすいためセッティングは比較的容易である。

AVアンプはプリメインアンプに代わる存在といってよく、このため2chの音にも大きく力が注がれている。初めは上級機だけだったが、その技術が下級モデルにも降りてきて、以前のプリメインとそれほど変わらない音質を獲得するようになってきた。このクラスでもそういうことが言える。やはりバランスを下寄りに押さえているが、ここでは骨格の太さが印象に残る。セリフはくせがなく、ナチュラルな感触を保っている。声の通りに不自然さがなく、表情にも強い陰影は感じられない。その分肉質的な厚みは薄いが、重心を下げて落ち着いた感触を作り出している。

室内音や身辺音はすっきりとした出方だ。金属音などが誇張されずやや控えめな印象。場面の響きを濃厚に描き出すのではなく、そこに存在する物音をあるように描写するといった感触である。音楽音にもそうした傾向が見られ、大袈裟ではない雰囲気の出し方といっていい。

DVDオーディオの試聴では、無理にレンジを広げず、重心を下げた音調で安定感を確保している。オーケストラはダイナミックに捉えて、ここの楽器を際立たせるよりも音場全体の響きが全体から来る印象だ。声や楽器の質感は比較的軽快にまとめ、空間的な感触はそれほど濃密ではない。

(text:井上千岳)