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PS-17SA

MARANTZ
PS-17SA

¥250,000(税抜)

発売:2000年12月
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独自の高音質技術を追求した究極のピュア・サラウンド

【SPEC】●映像系入力(系統):オーディオ6、コンポジット6、S6、コンポーネント6 ●映像系入力(系統):オーディオ2、コンポジット3、S3、コンポーネント1 ●オーディオ系入力:4系統 ●オーディオ系出力:2系統 ●プリアウト:7.1ch ●メインイン:2ch ●7.1ch外部入力:1系統 ●デジタル入力:光3、同軸3 ●デジタル出力:光1、同軸1 ●外形寸法:458W×166H×491Dmm

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

パワーアンプとのユニークな組み合わせが、高品位を生み出す

マランツというと、HDAM(ハイブリッド増幅モジュール)を用いた高級オーディオ機器が有名だが、AVアンプについても目が離せない。そこで開発した高音質技術を投入し、ピュアアンプとして第一級の品位であることはもちろん、サラウンド時にもその高品位思想を徹底させているからだ。これをマランツは「ピュア・サラウンド」と呼んでいる。今回は、AVアンプのPS-17SAとパワーアンプのSM-17SAに注目してその高品位思想を検証してみた。

AVアンプのPS-17SAは、ちょっと変則的な仕様だ。つまり、サラウンドデコーダーは最新の6.1チャンネル対応しているのだが、パワーアンプは2チャンネル分のみである。これは、とりあえず2チャンネルからAVを初めようという提言、あるいは手持ちのパワーアンプを活用できる仕様ということになる。しかし、本機のパワーアンプ部は単品のSM-17SA(こちらはBTL接続可能)と同じ内容の高級仕様であり、それと組み合わせた時に、主要チャンネルをセパレートした最高級の6.1チャンネルが40万円台で実現できることになるのだ。そこで、フロントLCRのパワーアンプをSM-17SA、サラウンドをPS-17SA自身で駆動するというチャンネル配分とした。前面中央に内部温度計を備えた外観の統一感は見事なもの。

2チャンネルの音楽ソースは、その彫りの深い、高密度な描写能力に驚く。電流帰還のパワーアンプは高性能だが正直すぎるという声もあるのだが、これは花も実もある成熟した地だ。特に弦楽器のボーイングやアクセントが克明なのに瑣末な効果に終わらず、その曲全体を見据えたアーティキュレーションの冴えがよく伝わる。余韻の精妙な色模様も高級オーディオならではの水準だ。

最新の映画サウンドも素晴らしい。オールインワンのAVアンプだと、いかにも大仕掛けであっても、これほどの細密感や瞬発力は得られないだろう。瞬発力といっても鋭く輪郭を描くだけではない。最低域から最高域に至るまでゆとりをもって応答し、スピーカーを支配するのであり、その質量感が画面のフォーカスや3次元感覚まで向上させる効果があることに感動する。こうして、一体型にしてそれをしのぐ発展性があり、しかも価格対性能比が高水準という企画の優位性が確認できた。

(text:吉田伊織)