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DENON

DENON Premium Sound

デノン プロダクトレビュー

デノンの高音質技術を惜しみなく投入し、抜群のハイCPを実現

AVC-3310

AVC-3310

¥126,000(税込)

レポート/大橋伸太郎

デノンの高音質技術を惜しみなく投入し、抜群のハイCPを実現


デノンの最新世代の中堅を担う10万円クラスの中級アンプで、ドルビープロロジックIIzに対応した。フロントハイトスピーカー2本の追加で、既存のソースから高さ方向の情報を引き出し、音場表現を拡張する。本機は7.1ch構成で、サラウンドバック用2chをフロントハイト、フロントバイアンプ駆動、あるいはゾーン2/3にアサインできる。

他にも新鋭機らしい機能が搭載されている。クロック・ジッター・リデューサーは入力信号と出力信号の位相を比較し、ジッターを軽減する機能で、デジタル処理するすべての信号に適用される。アンプ内部でデジタル変換されたアナログ信号まで対象となる。GUIはHDMI映像に半透明に重ねて出画ができる。アナログビデオ映像をデジタルにアップコンバートしてHDMIで出力でき、ハイビット処理のI/Pスケーラーを搭載する。

本機はデノンのサラウンドアンプとして音の新境地を狙った製品である。新世代アンプのテーマは「シンプル&ストレート」。バッファを整理して信号経路をシンプル化し、ハイレスポンスなスピード感と鮮度の高い音を狙った。従来のゴリッとした芯のあるデノンサウンドからハイスピード、高鮮度サウンドに脱皮したのである。

ブロードウェイミュージカル『レント』は分解能があり、ステージサイトの表現に富む清澄な音。本機は何を聴いてもS/Nが非常に高く音場に透明感がある。

映画『スカイ・クロラ』(DTS-HD Master Audio)の飛行シーンは、広々とした音場にシャープな切れ味の機関音を鉈でザッと刻み付けるようだ。SWの駆動能力も高い。

『マンマ・ミーア』のコーラスに一人また一人と加わり、厚味を増した女たちのパワーが漲っていくシニカルな表現に実感があって怖い。スピード感と清澄さだけでなく音場に厚味があり、それがドロドロせず密度感の表現なのがいい。

『ダーク・ナイト』はSEに熱い・冷たいの温度差がある。最後にフロントハイトスピーカーを追加した。設定はオーディシーで簡単にできる。『久石譲in武道館』はやや前方の奥行きが不足気味のソフトだが、今回は音場の解像感の向上がめざましい。音がほぐれて生動感と立体感が増し、視聴室の音場と映像の光景が一致し、武道館一杯に響き渡るオケサウンドと合唱を臨場感豊かに再現した。
AVC-3310 本機の背面端子部
【SPEC】
【SPEC】●定格出力:120W×7ch(8Ω) ●実用最大出力:180W×7ch(6Ω) ●消費電力:275W ●外形寸法:434W×171H×414Dmm ●質量:12.9kg ●デノン コンシューマー マーケティング TEL/044-670-6612
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