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TEAC HISTORY

オーディオやAVに関心がある方なら、誰もが知っているTEAC(ティアック)。同社の源流は1953年、NHKがテレビ放送を開始した年に遡る。当時の社名は「東京テレビ音響株式会社」。その名称のとおり、来たるべきテレビ時代に向け、テレビの音声を支える業務用機器、そして一般電気機器の製造・販売を行う会社として設立された。

そして3年後の1956年。姉妹会社として東京電気音響株式会社が設立され、電気音響機器や磁気テープ応用製品事業などを手がけはじめた。同社の社名を英語表記すると「Tokyo Electro Acoustic Company」となり、この頭文字を取って現在の社名「TEAC」が付けられた。

この時期のマイルストーンとなる傑作を1つ紹介しておこう。日本初の3モーター/3ヘッドのステレオテープデッキ「TD-102」である。来たるべきステレオ時代を見越して開発した製品で、ティアックとして初の量産モデルでもあるが、ティアックにとって、このTD-102はそれ以上の価値がある。というのも、「わが社は誠実をむねとし創意を尊び、全世界の要請にこたえて、最高級の製品を生産する」というティアックの創業者谷勝馬の思想を最初に具現化したのが、このTD-102だったのである。

日本初の3モーター/3ヘッドのステレオテープデッキ「TD-102」(1957年発売)

そして2つの会社は、東京テレビ音響がティアックオーディオ、東京電気音響がティアックと名称変更。ともに順調に事業を続けていたが、東京オリンピックの開催年である1964年に両社が合併し、新たにティアック株式会社として発足。同年、ブランドとしても「TEAC」が誕生した。現在でもおなじみのTEACロゴはこの頃作られた。

■1960年代〜70年代に数々の傑作テープデッキを市場投入

1960年代はオーディオブームのまっただ中。ティアックは、業務用機器で培った磁気テープ技術を活かし、1968年、世界初のステレオカセットテープデッキを開発。当時、ハイファイオーディオの録音は、オープンリールが主流であったが、オープンリールは、10万円という非常に高価なオーディオ機器だった。(大卒初任給が3万5千円)「オーディオ機器を、より買いやすい値段で世の中へ広めたい」という創業者谷勝馬の思いから、A-20は3万5千円で販売。カセットテープの普及と共に、一般家庭にもオーディオ機器が普及し、人々の生活に音楽が寄り添う豊かな生活を広める事に一役を担った。

そして1972年に傑作カセットデッキ「A-450」が誕生した。水平型ながら前面操作部を配置。後のコンポのスタイルを先取りしただけでなく、機能や性能面でも数多くの画期的な成果を具現化したエポックメイキングな1台である。

 
国産初のハイファイステレオカセットデッキ「A-20」(1968年発売)   エポックメイキングなカセットデッキ「A-450」(1972年発売)

その後もティアックは、ベストセラー機をさらに改良して人気となったステレオテープデッキ「A-4010GSL」(1973年)、システムアップにも対応し、dbxユニットも取り付け可能な超高級カセットデッキ「C-1」(1978年)など、数々の名機を投入。TEACブランドとその製品群は、オーディオファンやレコーディングスタジオのエンジニアの心をしっかりとつかんでいった。

カセットデッキはその後、ラジカセの爆発的普及で一般大衆にも普及したが、CDやMD、そしてDAPや配信などへメディアの主流が変化し、今日を迎えている。だが、そんな中でも、ティアックはカセットデッキの開発を継続。2014年にも新モデル「W-890RMKII」を市場に投入して話題を集めた。

 
超高級カセットデッキ「C-1」(1978年発売)   カセットデッキの新モデル「W-890RMKII」(2014年発売)

■1971年にTASCAMブランドが発足。業務用で数々の名機を輩出

TASCAM(タスカム)は、ティアック株式会社が販売しているレコーディング機器に使用されているブランド名である。皆様の中でも、「TEACは家庭用、TASCAM(タスカム)は業務用」という位置づけをご存じの方がいらっしゃるかと思うが、TASCAMの歴史を交えながら、その棲み分けについてご紹介させて頂きたい。

TASCAMの始まりは、1953年のティアック株式会社の創設と重なる。ティアックの創始者である谷兄弟が、最初のティアック製品であるオープンリール・レコーダー(TD-102)を開発し、1957年に、アメリカのラジオ問屋の大手であるラファイエットラジオへ、初めての輸出を行った。その後は順調に成長を続け、1967年にはアメリカに現地法人を設立。その当時の高まるミュージシャンの要望に応え、ティアックの技術をミュージシャン・録音スタジオ用機材に応用することを目的とし、TASC(TEAC Audio System Corp.)という開発グループを開設。そのTASC製品のマーケティング・販売を目的として、TASCAM(TASC America Corp.)が1971年にアメリカで設立された。TASCAMは、ティアックによるミュージシャン・スタジオ用製品のブランドネームとして使用されることになり、現在に至っている。

TASCAMブランドの代表モデルとして真っ先に挙げたいのは、1976年に発売された8トラックオープンリールレコーダー「80-8」である。フロントパネルから全ての調整が行えるデザインを採用。70年代中期のロックバンド、BostonやKansasのレコーディングに使われたほか、1977年に公開された「STAR WARS エピソード4」のシリーズ第一作目の音付けに使用されたことでも有名なモデルだ。ほかにも、業界の基準機となり、エミー賞も受賞した8トラックのデジタルオーディオレコーダー「DA-88」など、TASCAMブランドから誕生した数々の名機は、世界中のスタジオで使われた。

TASCAMブランドの8トラックオープンリールレコーダー「80-8」(1976年発売)

■自社製CDプレーヤーで光学技術の高さを見せつけた80年代

テープデッキでオーディオファンの心をつかんだティアックだが、その後、時代はCDの時代に突入する。そしてティアックは、この分野でも卓抜した技術力を発揮した。

ティアックが初の自社製CDプレーヤーを投入したのは1985年。モデル名は「ZD-5000」で、その名の通り、ノイズ対策用に開発した「ZDサーキット」を搭載したことが大きな特徴だった。ZDサーキットはD/A変換時の量子化歪み低減に力を発揮。その翌年には振動対策を徹底したZD-6000も登場し、名機と呼ばれた。

「ZD-5000」。ノイズ対策用に開発した「ZDサーキット」を搭載(1985年発売)

ここで、変わり種の商品を一つ紹介しよう。ティアックは1986年にレーザービデオディスクレコーダー「LV-200A」を開発・発売した。レーザービデオディスクレコーダーと言っても、再生専用のフォーマットで有名なLD(レーザーディスク)やVHDとは異なる。住友化学工業と共同開発した専用ディスクを使い、再生だけでなく記録も行え、最大2時間の録画が可能という画期的な製品だった。この製品からも、当時のティアックが高水準の光ディスク技術を持っていたことがわかる。

■国産ハイエンドブランド「ESOTERIC」が1987年に登場

1985年〜86年に、CDプレーヤーでスマッシュヒットを飛ばしたティアックが、次に目指したのはハイエンドオーディオの世界だった。おなじみのESOTERIC(エソテリック)ブランドを1987年に誕生させ、第一弾製品として、現在も同ブランドの看板技術である「V.R.D.S.」機構採用のドライブメカを搭載したCDトランスポート「P-1」、そしてそれと対になるD/Aコンバーター「D-1」を市場に投入し、瞬く間にオーディオファンの心をつかんだ。

ESOTERIC初の「P-1」と「D-1」(1987年発売)

その後ESOTERICブランドは、定期的に話題作を投入する、日本を代表する高級オーディオブランドに成長。90年代もCDプレーヤーを中心にヒットモデルを連発したほか、2000年代には高級SACDプレーヤーやD/Aコンバーターで名を馳せた。そして、2013年から2014年にかけては、旗艦オーディオシステム“Grandiosoシリーズ”を展開。スーパーハイエンドの世界に新風をもたらしている。

■2000年代からオーディオに本格回帰したTEAC

1990年代から2000年代にかけて、ティアックは何に注力していたかというと、PC用記録ドライブのトップメーカーの一つとして、確固たる地位を築き、世界の名だたるメーカーへ供給を行っていた。

創業時からのコア技術である磁気記録技術、そしてCDプレーヤーやレーザービデオディスクレコーダーの開発を通して培った光ディスク記録技術。これらを投入することで、月産数十〜数百万台規模の出荷を記録する傑作ドライブを次々に開発。多くのPCメーカーや周辺機器メーカーへ納入した。TEACブランド製品とは知らないまま、その高い技術力の恩恵に浴していたユーザーも多かったはずだ。

もちろん、この間も、ティアックはオーディオ機器の開発・発売を続けていた。「VRDS-25」や「VRDS-50」に代表される、ハイファイオーディオの名機を定期的に投入し、オーディオファンに話題を振りまいた。

そして2000年代に入り、TEACブランドが本格的にオーディオ製品へ回帰。その後の快進撃は記憶に新しいところだ。iPodの隆盛を見るや、スタイリッシュなiPodドックシステムを市場に投入。ほかにもターンテーブル搭載CDプレーヤーなどユニークな製品を次々に開発し、スマッシュヒットを連発した。

スリムなiPodドック搭載CDサウンドシステム「CD-X10i」(2007年発売)

さらに2008年には、Reference 380、Reference 200、Reference 600の3シリーズを一気に商品化。コンパクトなサイズ、美しいデザイン、手ごろな価格、そして納得の高音質。これらをすべて両立したシリーズとして高い支持を得た。

この流れはその後も加速。USBオーディオにいち早く対応したコンポを投入してTEACの先進性を改めて見せつけた。

そして2012年。DSD 5.6MHz対応という最新スペックを身にまといながら、デザインも非常にスタイリッシュな「Reference 501」シリーズを展開し、一躍人気シリーズとして注目を集める。さらにその後もReference 301シリーズなどを順次展開し、2014年にはポータブルヘッドホンアンプにも参入。イヤホン/ヘッドホンにも新風を送り込んでいる。

Reference 501シリーズのUSB-DAC「UD-501」(2012年発売)

また経営面では、2012年にオンキヨーと資本・業務提携。さらに2013年にはギブソンとも資本提携した。同じギブソングループのブランドとして、オンキヨーと共同開発した製品を投入するなど、シナジーを加速させている。

進取の気風に富み、常に最先端技術で時代を拓いてきたティアック。今後もオーディオファンを唸らせる、エッジの効いた画期的な製品を市場に投入することだろう。