公開日 2026/06/25 06:35

<HIGH END>ortofon、フラグシップMCカートリッジ「MC Vertex」発表。ダイヤモンドのスタイラス形状を完全新設計

MC Xシリーズの最上位となる「MC X50」も登場
筑井真奈
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ortofon(オルトフォン)は、ウィーン・ハイエンドにて、新フラグシップMCカートリッジ「MC Vertex(ヴァーテックス)」と、「MC Xシリーズ」の最上位となる「MC X50」を発表した。Vertexはラテン語で“頂点”を意味し、国内価格は2,970,000円(税込)。「MC X50」は297,000円(税込)となっている。

ortofonの開発ディレクターのピーターさん。「MC Vertex」と「MC X50」を発表した

MC Vertexは、「究極のアナログ再生」を目指して設計されたMCカートリッジとなり、過去の「MC Diamond」「MC Verismo」の設計理念は踏襲しつつ、スタイラスに 「Vertex Diamond」という新設計を投入。形状をゼロから再検討し、よりトレース性能を高めたカートリッジとなっているという。

テクニクスのアナログプレーヤーに装着された「MC Vertex」

発表会では、開発ディレクターのピーター氏が登場。「オルトフォンの長年のカートリッジ開発の知見をすべて投入した技術の集大成です」と表明、新たなフラグシップの誕生を力強く宣言する。

「Vertex Diamond」では、レコード溝との接触を最適化する新形状に挑戦。スキャン半径4μm、接触半径110μmとなっており、レコード溝との接触面積を拡大。ダイヤモンドは地球上で最も硬い素材のため、最適な形状を生み出すのに長い研究開発が必要だったという。トレース能力の向上に加え、レコードの摩耗低減に貢献するという。

MC Vertexのビッグポスターを掲示

ダイヤモンドカンチレバーとの接合方法も再検討し、カンチレバーに開けた穴にスタイラスを直接組み込む形となっているという。

筐体には同社のフラグシップモデルで培ってきたチタンを採用し、SLM(Selective Laser Melting)構造で形状を作成。自由度の高い設計が実現できるとともに、共振の低減にも貢献する。筐体表面にはDLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施し、耐久性向上も図っているという。

発電系も見直し、非磁性アーマチュアと高純度銀線コイルを採用。コイルが磁界内で安定して動作できるように設計されているという。またダンパーについても、独自の「Wide Range Damping」機構を改良、周波数特性に応じて2種類の素材によって適切なダンピングがなされるという。

ピーター氏も、「私たちは新しいカートリッジに搭載された技術について多くを語ってきましたが、何よりも音楽のためにあります」と強調。「ortofonは、リスナーを音楽の近くに連れて行くために製品開発を行っています」と音楽ありきの製品開発思想を語った。

会場では、MC Vertexをテクニクスのアナログプレーヤー「SL-1000R」に装着し、同じくデンマークのオーディオベクターのスピーカーを活用して再生がなされた。ソウルシンガー・Miriam Mandipiraの声が柔らかく広がり、高解像度でありながら肌触り爽やかで自然な音色を感じられた。ずっと聴いていたいと思わせる「幸せな音」という印象。

ortofonのデモンストレーションルーム

同時に発表された「MC X50」については、昨年発表された「MC Xシリーズ」が10から40までの4モデルが展開されてきたが、その最上位機種となる。こちらにも新しい磁気回路とラバーダンパーを採用、高純度シルバーのコイル線を搭載したものとなっている。

「MC X50」も初披露

MC Vertexの音質については、7月3日に発売される「季刊・アナログ92号」にて山之内正氏によるレビューが掲載されるので、そちらも合わせてご覧いただきたい。

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