優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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an adaptation ケルト音楽の郷愁

the MoonNotes クラシック FLAC WAV
48kHz/24bit
レーベル:studio iota label 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
シンプルシステムフルートとアコースティックギターというミニマムな編成で、アイルランドの名曲を中心としたいわゆるケルト音楽を演奏。郷愁と新鮮さを共に感じさせる解釈と表現が印象的なデュオだ。
さて「シンプルシステムフルートって何?」というところが気になるかと思う。何が「シンプル」なのかというと笛としての仕組みや構造。モダンなフルートは金属製で、キーに連動するメカニカルな仕組みで孔を押さえて演奏する形。対してシンプルシステムのフルートは木材や象牙で作られており、指孔を指で直接押さえて演奏する仕組み。よりプリミティブな姿の笛だ。ケルト音楽で広く用いられるアイリッシュフルートもその一種となる。音色の特徴は本作を聴けば一耳瞭然。モダンフルートの気品や可憐さといったイメージとは異なる、素朴さや純真さを感じさせる音色だ。また例えば同じくノンリードの管楽器である尺八に近いようなニュアンスや音色までも出す場面もあり、表現の幅も広い。
そしてこのフルートを主役と見た場合、再生システムに求められる要素は「ボーカル重視の場合とほぼ同じ」といってよいのではないだろうか。よくサックスが「人の声に最も近い楽器」と言われたりするがこのフルートも、ノンリードであることもあってか息遣いの生々しさはまさにボーカルのそれに近似する印象だ。音楽的にもオーディオ的にも「歌もの」として楽しめる。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.1
低域の伸び9.1点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.0点 ディテール9.2点 透明感9.1点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック