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レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
12 Little Spells [Deluxe Edition]
Esperanza Spalding ポップス 無 FLAC96kHz/24bit
レーベル：Concord Records 配信サイト：e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
その音楽に知性と原初、そして幻想を同時に感じさせるミュージシャン、エスペランサ・スポルディングさんの最新作品。「知性と原初、そして幻想」は「ジャズとヘンドリックス、そしてケイト・ブッシュ」と置き換えた方がわかりやすいかもしれない。その楽曲や演奏からは音楽に対する理論的なアプローチを感じられるが、一方で根源的な情感はまた別のところにあり、そして幅広い帯域をポルタメントで大きく滑らかに揺れるようなボーカルラインと歌唱スタイルも印象的。またもちろん今作でも、彼女によるエレクトリックフレットレスとウッドのベースのプレイも存分に楽しめる。アレンジやミックスも含めて、余白を生かすというより、空間に濃厚な気配を漂わせるタイプのサウンド。しかしざわざわとしているわけではなく、気配の濃さによってむしろ静かさも際立っている。ひとつひとつの音もかっちりとしたというよりは柔軟でしなやかだ。再生にシステムには「柔らかな音もぼやけさせずに届けてくれる」といった資質を求めたい。
（FLAC 96/24にて試聴）
総合点
9.3点
低域の伸び9.2点
高域の伸び9.2点
セパレーション9.2点
ディテール9.2点
透明感9.1点
空気感9.3点
質感9.3点
静寂感9.3点
残響
奥行き
音像
アタック
