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アナログ時代に出会ったサエクのダブルナイフエッジ・トーンアーム「WEシリーズ」は衝撃的だった。英国SMEさえしのぐ精度とクオリティへの執念は、高級ケーブルや電源関連アイテムをはじめとした数々のヒットモデルを生み出してきたのだ。そこには徹底したピュア伝送、高速無劣化のポリシーが息づいている。キャメロット・テクノロジー、スープラといった海外一流ブランドとのコラボレーションもサエクの魅力を物語るものだ。2004年には創立30周年をむかえ、映像、デジタルAV分野にも意欲的なチャレンジをつづけるサエクの“いま”は筆者にとっても大変興味深いトピックスだ。 最近はトリノ五輪、ワールドカップサッカーなどをハイビジョンスペックで楽しみたい、DVDをさらに高画質に鑑賞したいというユーザーニーズに応え、デジタル映像ケーブルが様々なブランドから登場している。その中でも特に注目したいのがスープラのブランド名で知られるスウェーデンJENVING社の製品だ。
同社から新しく投入されたデジタル映像ケーブルは、HDMI-HDMI、HDMI-DVIとDVI-DVIの3タイプと、さらにHDMI/DVI変換アダプターを取り揃えてあらゆるケースに対応する。各タイプともに長短サイズを揃えており、中でも大画面ユーザーにとって朗報なのは、HDMIケーブルにとって通常は10mが限界とされた技術的なハードルをクリアして、12mや15mという長尺の製品までラインナップしてくれたことだ。HDMIケーブル、DVIケーブルでは、1mから12mまで完璧にフルハイビジョンの1080iを保証されている。これなら天吊りセッティングでも安心して使うことができるだろう。
ケーブル被覆の薄い水色の“スープラ・ブルー”は見るからに高品位であり、9mmの極太な外皮を採用したことによる安定感も魅力。金メッキ処理を施されたプラグ部は堅牢かつ精密感にあふれるものだ。導体は高純度なOFCで、銀コーティングを施している。電磁界やノイズ対策は、スープラらしく完璧だ。厳格な三重シールド構造。内部容量を低く押さえるべくPE(ポリエチレン)や発泡PE絶縁材を採用。これは高速伝送にも有益だ。 今回はHDMI-HDMIの12mタイプを視聴した。ヤマハのDPX-1300のハイビジョン映像は、すっきりと視界がさえ渡り、ケタ違いの高S/Nかつ密な情報量に驚かされる。輪郭もクセがないから背景への移行がスムーズそのもの。ウィンタースポーツの放送をチェックしたが、スキー・ジャンプのラージヒルは吸い込まれるような奥行感を見せ、フィギュアスケート種目の色とりどりのコスチュームもリアルに再現する。ハイビジョンらしい濡れたような質感がみごとだ。DVDはまさしくピュア伝送の典型。強調のないシャープなキレ味が快感だ。マランツのプレーヤーDV9600の画は、ビット数があがったかのような一層キメの細かい諧調表現に感じられた。色調も芳醇そのもの。DVD映画『チャーリーとチョコレート工場』はますます色数豊富で、映像全体の魅力が高まる。 |
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サエクの電源ケーブルといえば、創業30周年記念モデルのPL-3000Dがおなじみだが、今回のPL-4000はそれをさらにグレードアップした高級仕様のケーブルだ。端子、本体とも強化され高速で大容量、かつ極めつけの超低ノイズ設計となっているのだ。TAPシリーズとの接続を想定した3Pプラグを採用している。アース線をもたないOFCの2芯ケーブルで、2重のPVCと糸編粗シールド構造にて、より高周波性能を高め、澄み切ったサウンドを実現しているのだ。 本製品はパワーアンプからDVDプレーヤー、プラズマテレビ、プロジェクターなどの映像機器まで幅広く使える。映像ではダイナミックな黒と白ピークとの対比を楽しみたい。微妙な色彩のテクスチャーなど、高い効果を実感させる。パワフルなだけでなく繊細なニュアンス表現にも富む。また映像の深みや立体感が増し、ノイズマージンが上がったことによるヌケのよさも明らかだ。
米キャメロット・テクノロジーの「PM(パワーマスター)シリーズ」には、定番といえるPM-780や20Aもの容量を誇るPM-800があるが、そこに最高グレードの本製品PM-900が加わった。コンセント側のボックスは、フラックスパワーコンディショナーと呼ばれる高周波ノイズ除去回路を採用。ノーマルとコモンの両ノイズに対応し、オーディオ機器でいえばノイズに敏感なフォノイコやプリアンプに極めて有効なはずだ。15Aの容量があり導体は高純度導線。映像機器ではプレーヤー類はもちろん、高級プロジェクターまで余裕でカバーする性能を持つ。 “ベールをはいだ音”とはこれだろう。雑味感が消えて、音場全体がすっきりした透明感に包まれる。それとともに、瞬時の突入音にも立ち上がる高速性やダイナミックさにも溢れる。高解像力で、管弦楽の輝くような色彩感も見事といえるレベルだ。これが映像機器になるとまず無用なザラつきが消え、本来あるべきものがヌケでる。すべての質感や光の陰陽が、絶妙といえる精度で描かれるのである。妙なコントラストがついてバランスを崩すことのない、流れるような諧調表現でフィルム映像を一層美味しく頂ける。スーパー電源ケーブルならではのパフォーマンスは必聴・必見に値しよう。
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iPodをはじめとするデジタル・オーディオ・プレーヤーが相変わらず幅広い層のオーディオファンから人気を集めている。CDを取り込んだりインターネットからダウンロードした手頃なミュージックソースを、いつでもどこでも楽しめる。これぞ新時代のオーディオの楽しみ方といえるだろう。
MP3をはじめとする圧縮音声フォーマットについても、ポータブル機器とオーディオコンポーネントをハイグレードなケーブルで接続して、よい音で楽しみたいものだ。サエクのミニプラグ・ステレオケーブルは高品位なデスクトップ再生に挑戦する際に好適だ。ミニプラグといえど、黄銅削り出し金メッキのボディをおごり、ケーブルにもスーパーアニールのOFC高純度銅素材を用いた本格仕様である。相互の干渉を軽減するパラレルケーブルというのも、大変画期的な試みだ。
製品はMM-803がステレオジャックのミニ←→ミニ対応で、もうひとつのMR-803の方はミニ←→RCA対応という2タイプが揃う。自宅のステレオセットと接続してつかうのにも最適だ。今回はソニーのデジタル・オーディオ・プレーヤーNW-E507とヤマハのAVアンプDSP-Z9をMR-803でつないで音質をチェックした。そのサウンドは、通常ポータブルプレーヤーを付属のイヤホンで聴くよりも段違いに音の鮮度や情報量がアップしたことがわかる、ポップスやジャズ、ロックのクリアなヌケのよさ。リズムが鮮明で、ボーカルにハリがあり、全域で音の密度感が高まってくる。ウッドベースやバスタムなどの低音楽器もぶ厚く、ぐんと力強くなる印象だ。これまでポータブルオーディオでは聴くことの少なかったクラシック音楽もみずみずしくキメ細やかな質感で鑑賞できた。 もちろん録音にも有効だ。久々に手持ちのDATやMDレコーダーとつないで、気持ちのいいハイファイサウンドを堪能したのである。これはちょっと手放せないツールだ。
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