HOME > レビュー > 追い込むほどに真価が分かる、ストイックなイヤホン。オーディオテクニカ「ATH-IEX1」レビュー

[PR]エージングや装着感追い込みで印象が変わる

追い込むほどに真価が分かる、ストイックなイヤホン。オーディオテクニカ「ATH-IEX1」レビュー

公開日 2019/11/01 11:29 岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
オーディオテクニカから登場した、世界初機構を採用したハイブリッド型イヤホン「ATH-IEX1」。評論家の岩井喬氏は同機を「フラグシップならではのストイックなモデル」と評する。エージングを重ね、装着感を追い込み、見えてきたそのサウンドの真価をレビューする。


オーディオテクニカ「ATH-IEX1」¥OPEN(予想実売価格140,000円前後)2019年10月11日発売
ダイナミック/BA/パッシブラジエーターを組み合わせた世界初機構搭載

オーディオテクニカ初となるハイブリッド型構成の新たなフラグシップイヤホン「ATH-IEX1」。超高域側に2基のバランスド・アーマチュア(以下、BA)型ドライバーを配置し、CKRシリーズで熟成を重ねてきたデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーをフルレンジ+低域用として組み合わせている。

ダイナミックドライバーとパッシブラジエーターを、真鍮製スタビライザーを挟んで向かい合わせに配置。互いに押し引きするように同期して駆動する。パッシブラジエーターは共振ポイントを低域の増強したい帯域と揃えたことで、量感ある低域再生を実現。加えて超高域再生を担うBAドライバー2基も同軸上に配置することで、広帯域にわたり見通しのよいサウンドを狙っている

このデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーは、真鍮製スタビライザーに9.8mmダイナミック型ドライバーと相対して8.8mmパッシブラジエーターを取り付けている。この点が今回の新たな取り組みの一つだ。パッシブラジエーターの共振ポイントを低域の増強したい帯域と揃えた設計としており、デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー構造だからこそ実現したものであるという。

そして前方のBA型ドライバーからデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーまで、同一軸で揃えた同軸配置とすることで、音像定位の面でもナチュラルな空間表現を可能としている。

鍛造チタンを切削して加工したハウジングは、装着性を考慮しできるだけコンパクトなサイズに収めている。2基のドライバーを向き合わせる構造のデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーはある程度設置にスペースも必要となることから、その設計には苦心したそうだ。

ハウジングはチタニウムの塊から、切断、鍛造、切削加工など5つのプロセスを経て成形。30〜40日ほどかけて作られているという。ケーブル側の端子に至るまでチタンを採用するなど、細部にも気が配られている

そうした状況もあり、マルチウェイ仕様では採用例の多いパッシブな素子を用いたネットワークも廃し、各ユニットの特性を適切にかけ合わせ、自然なクロスオーバーを実現している。左右独立・スターカッド撚り線によるケーブルはA2DC端子による着脱構造で、4.4mm・5極バランスケーブルも同梱。さらに高音質な再生を実現できる。


ATH-IEX1のサウンドは「エージング」と「正しい装着の仕方」で印象が変わる

試聴ではDAPにソニー「NW-WM1Z」を使用。バランス駆動でのサウンドもチェックしてみた。なお今回使用したATH-IEX1のデモ機は、130時間ほどエージングした個体だ。

次ページ印象が変わる、その理由とは?

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: