ケンウッド新“Kシリーズ”「A-K805」を聴く ー CDを良い音で楽しみたい方にお薦めしたい実力派

高橋敦
2013年12月06日
ケンウッドの看板であるハイコンポ「Kシリーズ」の新ラインナップ。ハイレゾネットワーク再生対応の「A-K905NT」に対し、CDドライブを搭載しそれを主軸とするモデルが「A-K805」だ。他の基本仕様はA-K905NTと共有しており、こちらもフラッグシップ格モデルと言える。

A-K805

アンプは新開発デジタルアンプ。独自のネガティブフィードバック技術で広帯域の再生能力と歪みの大幅低減を実現。倍音成分の再現性を高め、音色の艶や余韻を際立たせている。DACチップはウォルフソン社の定番「WM8718S」。同軸/光のデジタル入力は192kHz/24bit対応だ。

「K2テクノロジー」搭載は、CD再生を中心とした本機ではその役割がさらに大きい。本来の音楽情報を予測して最大192kHz/24bitへのアップサンプリングとビット拡張を行い、マスター音源に近い音を再現。JVC(ビクター)の技術が両社の融合から5年を経てKシリーズにも導入された。

他、機能面ではフロントUSB端子はiPodデジタル接続とUSBメモリー再生に対応。作り込みの面では5mm厚アルミ製フロントパネルや専用インシュレーターなどが特長。

合わせて発売されるスピーカーが「LS-K901」だ。100kHzまで伸びるアルミ振動板ツイーターにイコライジング効果を持つ拡散器と放射特性を制御するホーンパネルを搭載、ドライバー配置の「UDレイアウト」によって理想的な点音源に近い定位の良さも獲得、などが特長だ。

スピーカー「LS-K901」と組み合わせたところ

しばし聴いてからK2をオン。響きの細かな成分が輝きを増し存在感を強め、なるほどハイレゾ的なニュアンスを感じさせる。一方でオフのときのダイレクト感も魅力的なので、ここは各自吟味してみてほしい。

基本的な音調は、高音側はほどよい硬さが音色のクリアさにつながっている印象。低音側は十分な太さを確保しつつ、こちらもほどよく硬く、抜けもよい。

ロックを聴くとまず、ドラムスやベースのハードなアタック感の再現が頼もしい。音の立ち上がりの良さを実感できる。ベースは音程が動いても音像の膨らみがふらつくことがない。低音にピークを持たせて強調するような脚色がないおかげだろう。ギターやシンセの歪み感やエッジ感、抜けの良さも良好。高音の再現性が上の方まで素直に伸びているからこそと思われる。

女性ボーカルも、声の本体のクリアさ、そこから広がる空気感の豊かさ、共に高いレベル。ここはK2の効果を特に感じやすい。

いまあえてネットワーク機能やBluetoothに対応しないというのは逆になかなか挑戦的だ。「まずはCDを良い音質で聴けることが第一!」という方にはぜひ注目してほしい。