phileweb | ファイル ウェブ オーディオビジュアルのポータルサイト

pioneer

パイオニア エンサイクロペディア パイオニア エンサイクロペディア

注目モデルテストレポート

EXシリーズの思想を受け継ぎながら新たな再生音場に挑戦

文/大橋伸太郎プロフィール

製品写真

ネジ一本まで新しい、日欧インターナショナルプロジェクト

「ピュアオーディオグランプリ」の授賞一覧に「オーディオ銘機賞」の選考結果を併せてみれば、日本のスピーカーシステムの現在の台頭ぶりがわかる。数年後には、世界的にピュアオーディオのスピーカーシステムの中心地としてゆるぎない地位を築くのではないか。この流れを作った最初の製品が、TADとパイオニアのEXシリーズである。そのパイオニアがEXシリーズとは別の新しいラインを発表した。インターナショナルプロジェクト「シリーズ8」である。アンドリュー・ジョーンズ(イギリス出身。現在はLAで活動)と協働したTAD-R1、欧州、北米、日本で共同開発したEXシリーズに続いて、今回は日本と欧州(フランス)の共同開発である。

シリーズ8は、EXシリーズあるいはTADの要素技術を転用し高いクオリティを狙いながら、それらとは違う再生音上のアプローチの「ネジ一本まで新しい」シリーズである。フロア型のS-81、ブックシェルフS-81B、センタースピーカーS-81Cの3機種で構成されるが、ピュアオーディオグランプリ金賞を受賞したS-81は、3ウェイ+スーパートゥイーターの中心機種(バスレフ)。新開発の13cmウーファー(2発)は、アラミドカーボン複合振動板、高強度チタンボイスコイルボビン、発泡ポリカーボネート系ウレタンのコルゲーションエッジとS-3EXで実証済み。新開発の13cm口径ドライバーはミッドレンジとトゥイーターを福童したコンセントリック型。ミッドはアラミド振動板で、A77搭載品をリファインした仕様。トゥイーターはHSDOM採用のチタンドームで、やはりS-3EXから引き継がれた。欧州では使用されていたが今回、日本初お目見えになるのが、パイオニアオリジナル開発のリッフェル型スーパートゥイーターで、ポリミイドフィルムにボイスコイルを直接貼り付けたダイヤフラムを持つ。リボン箔に比べて振動や環境のストレスに強いことが特長、100kHzまでの再生能力を持つ。

EXシリーズのエンクロージャーは高い評価を得たが、S-81はラウンドフォルムエンクロージャーを受け継ぎながら、欧州のデザインの流れであるミニマルデザインを採り入れ、バッフル面からピンを排除、プレーンでシンプルな美しさを追求している。エンクロージャーは一見正立しているように見えるが、重心位置と脚を一致させるために約2度後傾している。ベース構造もEXシリーズの3点支持構造を採用、後ろの2つの脚は転倒防止用である。「音像と音場の高次元での融合」を掲げたS-1EX、S-3EXは、2チャンネルステレオからHDオーディオのサラウンドまで、一貫して精緻で立体的な音場表現で私たちを感歎させたが、時に厳しさをも併せ持つEXに大して、S-81はより外向的で美しく豊かに音楽を響かせる。世界と日本で、これからどれだけ好評を博していくか楽しみである。

<この製品の情報は「AVレビュー」2008年12月号にも掲載されています>

スペック

●形式:位相反転式トールボーイフロア型 ●構成:4ウェイ方式 ●ウーファー:13 cm コーン型 × 2 ●ミッドレンジ:同軸13 cm コーン型 ●トゥイーター:同軸2.5 cm ドーム型 ●スーパートゥイーター:8 mm×46 mm リッフェル型 ●インピーダンス:6Ω ●再生周波数帯域:30 Hz 〜 100 kHz ●出力音圧レベル:85.5 dB (2.83 V) ●最大入力:130 W (JEITA) ●クロスオーバー周波数:370 Hz、3 kHz ●外形寸法:267W×1190H×295Dmm ●質量:25.8Kg ●問い合わせ:パイオニア お客様サポート TEL/0120-944-222

BACK