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3管式プロジェクター最後の灯、消える。 バルコ、ホームシアター事業を売却譲渡

公開日 2004/10/12 18:33
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●3管式プロジェクターやDLPプロジェクターの製造・販売を行うBARCO(バルコ)ブランドの国内向け民生ホームシアター製品の販売が終了したことが、バルコ株式会社(日本法人)から発表された。

これはBarco N.V.(ベルギー本社)にて、ホームシアター事業の事業譲渡が行われたことによるもので、「10月1日現在で発注されている製品を除き、新規の受注はできなくなった」(バルコ)とのこと。これまで同社により販売されてきた機器のアフターサービスについては、従来通り、販売店経由で継続される。

なお事業譲渡先は、フランスのT.E.C.社(Technic Electronic Conseil S.A.)で、“Dream Vision”というブランドのプロジェクターを持つホームシアター専業会社。米国・欧州・アジアの各国で広く販売展開をしており、事業譲渡によりCine Versum Seriesは同じ名称で継続販売されるとのこと。

しかしながら、現時点でT.E.C.社は日本国内に販売代理店を持っておらず、事実上、日本国内でのCine Versumをはじめとするバルコ・ホームシアターは休止することとなる。今後の販売プランについては、バルコ株式会社(日本法人)が意向を確認中である。明らかになり次第、インフォメーションしたい。実際には国内の輸入販売代理店/商社が手を挙げないかぎり、製品供給再開は困難な模様。

急速なAV機器のデジタル化の中、デジタル方式のプロジェクターや薄型ディスプレイは全盛だが、まだまだブラウン管走査式プロジェクターの表現力を超えられない部分があることは、多くのホームシアターユーザー共通の認識でもある。今回の決定をうけて3管式を中心とした中古ハイエンドプロジェクター市場が注目されることは必至だ。

ソニーが家庭用3管式プロジェクターから撤退後、国内で入手できる「最後の砦」であったバルコのホームシアター事業撤退は、アナログ・ホームシアター時代の終焉を意味するものとなってしまうかもしれない。

[T.E.C.社の連絡先]
TECHNIC ELECTRONIC CONSEIL S.A.(T.E.C.)
7, 7, Rue La Caille,75 017 Paris, France
Tel : +33 1 42 29 44 44
Fax : +33 1 42 29 09 10


(AV REVIEW編集部)

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