プロダクトレビュー

iPodデジタル入力対応のエントリーCDプレーヤー

CD6003
¥49,800(税込)
レポート/高橋敦

iPodからの直接操作にも対応した

本機は上位モデルの成果を取り込んだエントリーCDプレーヤーだ。最大の特長はフロントパネルのUSB端子。USBメモリー内の楽曲再生も可能だが、iPodをデジタルで接続できることが大きい。

CDプレーヤーは基本的にDACの機能を内包するので、そこにiPodデジタル接続を追加するという発想は合理的だ。上位機と同様のシーラスロジック製DAC「CS4398」による高精度なD/A変換およびマスタークロック供給により、iPod内の音楽ファイルをより正確に再生できる。

また、SA8003ではiPodをUSB接続するとiPod本体での操作が行えなかった(リモコンのみでの操作となった)が、本機ではiPod側で普通に操作可能。格段に操作がしやすくなった。

筐体は最近のマランツ製品に共通する流麗な「M-1デザイン」。オプションのサイドウッドパネルを装着すればさらに雰囲気が増す。天板はやや弱く感じるが、ボトムシャーシは強靭。1mm厚のメインシャーシに同じく1mm厚のボトムプレートを加えたダブルレイヤードシャーシだ。叩いてもほとんど響かない。

アナログ出力回路には同社独自の高速増幅素子「HDAM」と「HDAM-SA2」を採用。フルディスクリート構成で歪みやノイズを抑え、スピードもさらに高めている。

まずはCDから確認。試聴盤をもっと上のクラスの製品で聴いたときと、印象が激変したりはしない。空間表現はやや小さくまとまるものの、全体像の伝え方は的確だ。ウッドベースのグリップも確かで、音像の緩みやブレは気にならない。パーツ選定にもこだわったという、盤石の電源回路が奏効しているのだろう。

強いて難点を挙げれば、シンバルの響きが重なるところなどに微かな歪みを感じる。逆に言えば、それくらい細かなところ以外は気にならない。エントリークラスに求められる以上のクオリティを余裕を持って確保しているといえるだろう。

さて、いよいよiPodデジタル接続で聴いてみよう。対応するiPodは第5世代以降。iPhoneへの対応は明記されていない。…のだが、手持ちのiPhone 3Gで試してみたところ、接続と再生に成功。iPhone側での操作も問題なく行えた。これはマランツもアップルも保証していない組み合わせであるが、iPhoneユーザーとしてはうれしい。

音質についても、CD再生と比べて中高域のスムーズさが増した印象。ボーカルの手触りであるとか、シンバルの粒子が細かくなって互いに嫌なぶつかり方をしないところなど、明確なアドバンテージが感じられる。端的に言えば、もっと上位のCDプレーヤーでの再生に近い感触となる。この価格帯でこの再生品位が得られるメリットは大きい。

本機は単なるCDプレーヤーではない。CD再生環境を整えつつ、iPodという新たなデジタルソースも得ることができる、新スタイルのソース機器と捉えることができるだろう。

本体前面フロントパネルにUSB端子を搭載。iPodをデジタル接続できる
【SPEC】●チャンネル:2チャンネル ●周波数特性:2Hz〜20kHz ●ダイナミックレンジ :100dB ●SN比(A-Weighted):110dB ●高調波歪率(1kHz):0.002% ●消費電力:19W ●外形寸法:440W×106H×339Dmm ●質量:6.6kg