AVアンプ VRS-7100 \73,500




VRS-7100





背面端子部


入力から出力直前まで全段フルデジタルを実現
文/井上千岳


オーディオ及びAVで再び積極的な展開を始めたケンウッドから、スタイリッシュなデザインのホームシアターシステムが発売された。スピーカーやDVDプレーヤー、AVアンプなどいずれも手頃な価格設定の製品だが、その核となるAVコントロールセンターVRS-7100に注目したい。

VRS-7100はデジタル・マルチチャンネル・アンプである。増幅にTI(テキサス・インスツルメンツ)社のPurePath Digitalを採用。ごくスリムなスタイルでありながら、定格で全6チャンネル100Wのハイパワーを得ている。この増幅方式では100MHzの内部クロックを使用し、最小で10ナノsecという高速なパルスを実現。このため高精度で位相特性にも優れた増幅が可能である。

この増幅部とともに、信号処理にアナログデバイス社製32ビットフローティング・ポイントのDSPを採用。サラウンド再生の精度を高めている。これら信号処理と増幅を含めて、入力から出力直前まで、全段フルデジタルを実現したのが本機である。

デジタルアンプではアナログ以上に電源の安定性が問われるが、ここではコンデンサーなどに高音質なパーツを使用するとともに、電源及びグランドラインにバスバーを装備してインピーダンスを下げている。これによって給電回路の安定が確保される仕組みだ。また振動解析技術によって設計されたVibration Controlシャーシを採用し、筐体の振動を制御することによって信号の純度を高めている。

こうした入念な設計の効果は、まず2チャンネルに表れる。レンジが広く、S/Nがいたって高い。静寂な背景の中で、軽々と音楽が描かれてゆく印象である。また広いレンジにわたって駆動力が高く、スピーカーを確実に制動してにじみのない音調を確保する。正確でニュートラル。音楽的なニュアンスの抑揚に富んだ再現と言っていい。

マルチチャンネルでもこの特質は活かされ、全チャンネルが適確にドライブされているのを感じる。映画の空間が広く、その中にちりばめられたさまざまな音が、確実な存在感で定位している。セリフにくせやこもりがなく、ナチュラルな質感が瑞々しい。低域の再現性にも不足がなく、バランスの安定した音場が得られる。ハイスピードで解像力に優れたC/Pの高い製品として推奨したい。

【SPEC】
●定格出力(ステレオモード):100W+100W(20Hz~20kHz、0.7%、6Ω) ●実用最大出力:(ステレオモード)130W+130W(JEITA 6Ω)、(サラウンドモード 1ch動作時) フロント/130W+130W(JEITA 6Ω)、センター/130W(JEITA 6Ω)、サラウンド/130W+130W(JEITA 6Ω)、サラウンドバック・サブウーファー/130W(JEITA 6Ω) ●全高調波歪率:0.09%(1kHz、50W、6Ω) ●S/N比デジタルインプット:96dB ●音声入出力端子:デジタル音声(光×3/同軸×2)、アナログ音声入力×6、アナログ音声出力×1、プリアウト(サラウンドバックL/R、サブウーファー)3ch ●映像系入力端子:D4×2、コンポジット×5、Sビデオ×2 ●映像系出力端子:D4×1、コンポジット×2、Sビデオ×1 ●定格消費電力:110W ●外形寸法:約440W×79H×363.5Dmm ●質量:4.4kg

【関連リンク】
Phile-webニュース「ケンウッド、薄型AVアンプなどホームシアター関連9製品を一挙発表」