スピーカーシステム LS-V530-W \36,750(1本)




LS-V530-W




背面端子部
3ウェイ4スピーカーを搭載した実力派トールボーイ
文/井上千岳

3ウェイ4ユニットのトールボーイタイプ・フロア型スピーカーである。

ウーファーは16cmのツイン構成。振動板にはポリプロピレンを採用し、物性の安定したインジェクション成型としている。またエッジにはラバーを使用し、耐入力を高効率を実現する。さらに駆動系にロングボイスコイルを搭載し、大振幅での歪みを抑えている。

トゥイーターは耐熱樹脂フィルムにアルミ蒸着を施したセミハードドーム。軽量化と強度の両立を図り、磁気回路にはストロンチウム系フェライトマグネットを採用して強力なドライブを実現している。

キャビネットはMDF製。バッフル面には18mm厚の高密度パーチクルボードを使用し、異種素材によるダンピング効果によって共振周波数の分散を図っている。低部にポートを持つバスレフ構造とし、ミッドレンジには専用のキャビネットを装備してウーファーの背圧を回避するなど、入念な配慮が施されている。外装はラウンド仕上げ。反射波による回折現象を避けて定位を向上させる。2基のウーファーは位置関係を調整し、到達時間が同時になるように設定されている。

格別な重量級でもなければ特に変わったユニットを使用しているわけでもない。にもかかわらず、出てくる音には歪みっぽさがなく、緻密で正統的な再現性を備えている。ボーイソプラノは声が濁らずきれいな出方だ。ハーモニーが透き通るように透明で余韻がきめ細かく描き出されている。

ジャズはややクールな表情を見せながら曇りのない質感を示す。ウッドベースは心持ち低音が高めに感じられるが、ユニットが若いせいもあろう。弾みがよく分解能に優れた音調だ。ピアノもクリアでの空間的な解像度が高い。

オーケストラは引き締まって分離がいい。エージングが利いて練れてくれば、上下にさらに伸びるはずだ。またアンプなどの選び方でも変わりそうである。SACDでは瑞々しく新鮮な音調が味わえる。バロックでは現楽器の艶やかさと渋みが巧みに調和している。

【SPEC】
●形式:3ウェイ4スピーカー ●エンクロージャー:バスレフ方式 ●使用スピーカー:16cmコーン型ウーファー×2、10cmコーン型ユニット×1、2.5cmセミハードドーム型トゥイーター×1 ●最大入力:120W ●定格入力:60W ●インピーダンス:8Ω ●再生周波数帯域:36Hz〜25,000Hz ●出力音圧レベル:85dB/W(1m) ●クロスオーバー周波数:600Hz、3,000Hz ●外形寸法:225W×900H×313Dmm(グリル含む) ●質量:15.6kg

【関連リンク】
Phile-webニュース「ケンウッド、16cmツインウーファーを搭載したトールボーイスピーカーを発売」