AVアンプ KRF-X9090D-S \99,750




KRF-X9090D-S



背面端子部


THX Select2に準拠 フロントサラウンドにも対応
文/井上千岳

ケンウッドのAVアンプにはデジタル増幅タイプと従来型のアナログタイプという二通りのラインがあるが、これは後者の最新モデルで、KRF-X9080Dの上級機である。ルーカスフィルムのTHX Select2に準拠。スピーカーのオートセットアップと音場による最適なイコライジングを行うアダプティブEQを搭載する。アナログデバイゼズ社製32bitDSPによって高精度な信号処理を実現。電源回路と増幅回路をシンプルにまた密接に結びつけるアドバンスト・グランドラインの採用で、ノイズを低減している。また、精密なフロントサラウンドを提供するドルビーバーチャルスピーカーを採用している。

ごくオーソドックスな音調というとどこか詰まらない印象があるが、本当はそうではない。あらゆる音が正しく均等に鳴って初めてそういう再現が可能なわけで、その意味で本機は極めて正統的。映画の音を過不足なく、しかも自然な抑揚で描き出す。音色にくせがなく、どんな場面でもナチュラルな感触を失わない。『HERO』の戦場のシーンは武器や兵士の雑踏音がきめ細かく分解されてわかりやすく、矢の飛来音は鋭さに細かなニュアンスを含んでいる。『マスター・アンド・コマンダー』は遠くの人声や波の音などの遠近感がよく、砲撃音も十分な力感とスピードを持つ。高品位な音質である。

価格からいえばエントリーレベルになるのだろうが、実力はそれ以上の価格帯にも匹敵する。音の出方が自然で立ち上がりも速く、エネルギーにも不足がない。解像度が高く、透明な厚みにも優れた音調である。中級クラスのスピーカーと組み合わせるのにも好適だ。

【SPEC】
●実用最大出力(ステレオ):150W+150W(JEITA 6Ω) ●実用最大出力(サラウンド):フロント150W+150W、センター150W、サラウンド150W+150W、サラウンドバック150W+150W(JEITA 6Ω) ●全高調波歪率:0.009%(1 kHz、50W、6Ω) ●SN比(Line):95dB(JEITA) ●入力端子:PHONO(MM)、Line、コンポジット、Sビデオ、コンポーネント ●出力端子:TAPE REC、PRE OUT・FRONT、CENTER、SURROUND、SURROUND BACK、SUBWOOFER、コンポジット、Sビデオ、コンポーネント ●定格消費電力:270W(待機時 0.5W以下) ●外形寸法:440W×166H×396Dmm ●質量:12.1kg

【関連リンク】
Phile-webニュース「ケンウッド、「THX SELECT2」に準拠したミドルクラスAVアンプを発売