ハイコンポ K-521 ¥OPEN(予想実売価格45,000円前後)




K-521(ブラック)



シルバーモデル。レシーバー部は幅20cm、高さ9.5cmと
コンパクトサイズで設置もしやすい。スピーカーは四方留め





iPodドックのとなりにはUSBポートを装備。また本体の操作は
美しくレイアウトされたタッチセンサーキーで行う





デジタル伝送対応のiPodドック搭載コンポ
文/岩井 喬


“Kseries”のエントリークラスシステムとして登場した「K-521」の一番の特徴は、シリーズ初となる、iPodとのデジタル接続に対応した点だろう。Wadia「iTransport」やオンキヨー「ND-S1」など、iPodのデジタル出力が可能となった機器が増えてきた現在、システムオーディオとして、iPodデジタル出力に対応した本機の存在は注目に値する。

これまでの「Kseries」や同社製オーディオ機器にも採用されてきた、デジタル化の際に失われた高域成分を補間して原音に近いサウンドを再現するという独自技術「Supreme EX」も搭載しているが、音楽CDやデジタル入力の信号に対して有効になる「音楽CDモード」(20kHz以上の高調波成分を付加)と、MP3やWMA、AACなどの圧縮系ファイルに有効な「音楽ファイルモード」(16〜20kHzの失われた信号を補間)が用意されている。「Supreme EX」を有効にした場合、抑揚がついて伸びやかなサウンドになり、圧縮ファイルであれば楽器の質感がより滑らかになり、耳あたりの良いものへと変化するようである。

民生機としては初めて搭載される、音響イコライザー「CONEQ(コネック)」についても特徴的なポイントであるが、デジタル音質補正技術によって、部屋の響きを標準、響きが少ないデッドな部屋、響きが多いライブな部屋の3段階に分けて調整が可能だ。今回の試聴ではデッドな試聴室の環境に合わせてみた。

まずCDのサウンドであるが、カラヤン/ベルリン・フィル『ホルスト:組曲<惑星>』では華やかな管弦楽器が広がるが、空間はサイズなりの展開。ローエンドは厚くふくよかなホールトーンである。オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』では高域を硬めに出すピアノや弦の質感豊かでハリの良いウッドベースが確認できる。noon『Homecoming』においてはふわっと浮き上がるボーカルと瑞々しいピアノをはじめ、素直な質感描写を感じる。デイヴ・メニケッティ『MENIKETTI』では荒々しいギターのディストーションが開放的に響いてきた。全体的に音像は大きめで、伸び伸びとした聴き疲れのないサウンドといえそうである。価格以上の丁寧な音場描写を感じる。

ここで非圧縮で取り込んだ同一ソースをiPodで確認してみる。一聴して音場の静寂感の高さに驚く。

カラヤンではクリアな音場に立体的に定位する楽器の配置がはっきり見えてくる。奥行き、広がりも豊かで、ホールトーンの有機的な余韻を楽しめる。管弦楽器の質感も粒立ち良い。オスカーにおいては、ピアノの余韻が綺麗に音場へ溶け込んでいく。弦のハリが鮮やかで胴鳴りの深いウッドベースや、生々しい皮の質感を感じるドラムなど、各々が立体的に浮き上がる。noonではボーカルがスリムに定位し、リリースの伸びも的確。音像の質感描写がより丁寧になり、リアルさが増す。メニケにおいてもキックドラムやベースの分離良く、リズムのキレ良いロックサウンドを楽しめる。エレキのディストーションは粒が細かくなり、質感の滑らかさを感じる。

SNの高さにおいてはCDとは比較にならないほどで、iPodのデジタルサウンドにおける空間表現力の高さはクラスを感じさせない。上位クラスの製品かと思わせるほどの説得力あるサウンドを持つ。圧倒的なコストパフォーマンスを有する製品であるといえよう。

 


【SPEC】
<レシーバー部>●実用最大出力:40W+40W (JEITA 4Ω) ●入出力端子:AUX入力、D.AUDIO入力、USB、iPodドック、サブウーファープリアウト、 ●再生可能CD:音楽CD、CD-R/RW(CD-DAフォーマット、MP3/WMA) ●定格消費電力:35W <スピーカー部>●エンクロージャー:バスレフ方式 ●スピーカーユニット:110mmコーン型ウーファー、25mmドーム型トゥイーター ●定格インピーダンス:4Ω ●最大入力:40W ●外形寸法:スピーカー 140W×237H×236Dmm、レシーバー 200W×95H×299Dmm ●質量:スピーカー3.4kg(1本)、レシーバー:2.3kg

【問い合わせ先】
ケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0570-010-114(ナビダイヤル)

【関連リンク】
Phile-webニュース【ケンウッド、デジタル伝送対応のiPodドック搭載コンポ“Kseries”「K-521」を発売】