HOME > インタビュー > ソニー「Xperia 1 II」開発者に聞いた、プロも納得の贅沢機能を“凝縮”できた理由

<山本敦のAV進化論 第192回>

ソニー「Xperia 1 II」開発者に聞いた、プロも納得の贅沢機能を“凝縮”できた理由

公開日 2020/05/28 06:40 山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
auからソニーモバイル入魂のフラグシップスマートフォン「Xperia 1 II」が発売された。続いてNTTドコモからも発売が予定されている。当サイトでは、最新端末のオーディオ機能を中心に、いち早くハンズオンレビューをお届けしているが、今回はさらに一歩踏み込み、カメラやオーディオ、ディスプレイの使いこなし方などについて、ソニーモバイルの開発担当者にインタビューした。

ビデオ会議で話を聞いた方々は、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)で商品企画を担当する渡邊浩彰氏、ディスプレイ設計担当の松原直樹氏、オーディオ設計担当の松本賢一氏、カメラの新機能「Photography Pro」の開発を担当した三森亮氏の4名だ。

ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)企画部 渡邊浩彰氏

商品設計部門 機構設計部 松原直樹氏


商品設計部門 システム設計部 松本賢一氏

ソフトウェア技術部門 SW開発4部 三森亮氏

画質・音質・カメラを「極めたい人のためのXperia」

Xperia 1 IIは「好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを届けるスマートフォン」というコンセプトを、2019年に発売したXperia 1から受け継いだモデルだ。商品企画を担当する渡邊氏は、アスペクト比21対9の4K/HDR対応有機ELディスプレイをフルに活かした「シネマワイド体験」の価値がユーザーに浸透している手応えがあると話す。ユーザーアンケートで端末の購入理由を聞くと、21対9のシネマワイドディスプレイに興味を持ったという声がトップ3に入ったのだという。

アスペクト比21対9の4K/HDR対応有機ELディスプレイを搭載

Xperia 1 IIのカラーコンセプトは「Captured Moment」。表面をクローム仕上げとして、光をつかまえながら、パネルの傾きにより色の見え方で変わるデザインとした

「Netflixでは21対9のシネマコンテンツが数多く視聴できます。今後もより多くのコンテンツプラットフォームにシネマワイド体験が広がっていくものと期待しています。イマーシブな全画面視聴体験は映画だけでなく、音楽ビデオでも楽しめる作品が広がっています」(渡邊氏)。

シネマワイドディスプレイによって、スマホの日常的な使い勝手が向上したという声も寄せられているそうだ。一度に画面に表示できる情報量が多いため、本体を縦に持つと、インスタグラムやツイッターのタイムラインの一覧性がアップする。

また「21対9 マルチウィンドウ」機能を使うと、縦長の画面を上下に分割し、上に16対9の動画アプリを表示して、下に表示される画面でウェブやツイッターをチェックする「ながら作業」もはかどる。

パネルの側面をダブルタップしてアプリランチャーを表示する「サイドセンス」も継承する

21対9 マルチウィンドウにより、端末を縦方向に持った時に画面を上下に分割して心地よく「ながら見」ができる

クリエイターの声を反映したプロフェッショナル志向の動画撮影アプリ「Cinematography Pro」についても、当初からターゲットに据えていた「好きを極めたい人」にしっかり届いているという。渡邊氏は「Xpeira 1ユーザーにアンケートを依頼したり、アプリの利用率を調査すると、Cinematography Proが私たちの想定を超えて多くのユーザーに使われていることがわかった」と話している。

次ページプロフェッショナルに寄り添った設定項目

1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE