IFA2013スペシャルインタビュー

メッセ・ベルリン社 ハイテッカー氏が語る − 「Smart IFA」を実現させるための改革とは

IFA2013グローバル・プレスカンファレンス(以下:IFA2013 GPC)が、イタリア・サルディーニャ島を舞台に開催された。プレスカンファレンスではIFA2013のコンセプトやハイライトが発表された。今年のキーワードは「Smart IFA」。IFAの進化はどこへ向い、何がスマートになっていくのか?メッセ・ベルリン社 IFAグローバル統轄本部長のイエンズ・ハイテッカー氏にインタビューを行った。 なお、今回のインタビューはカンファレンスに集った日本人記者によるラウンドテーブル形式で行っている。

(構成/Phile-web編集部)

Mr. Jens Heithecker
(イエンズ・ハイテッカー氏)
メッセ・ベルリン社 取締役 IFAグローバル統轄本部長

“スマート”に変化していくIFA2013

− 今年のIFA GPCに参加したジャーナリストの人数を教えて下さい。

ハイテッカー氏:世界55カ国から300以上のジャーナリストが集まり、IFA GPCとして過去最大の開催規模になりました。また80人以上の業界関係者にも参加いただいています。


− アジアからのトレードビジターの来場傾向はいかがですか。

ハイテッカー氏:近年のインターナショナルトレードビジターの増加は大変嬉しく思っています。IFAの過去5年間の開催で、その規模は実に2倍となっています。米国をはじめ、日本/韓国/中国などといったアジアの国々からの参加も増えています。さらに大事なのは、私たちは単に人数を集めているだけでなく、影響力のあるバイヤーに参加いただいているということです。そして、IT・コミュニケーション分野のトレードビジターも強い関心を持ち始めていて、これから増加することが予測されています。とても良い傾向です。日本からのトレードビジターのご来場も増加傾向にあります。来場者のグローバル化については、非常に明るい予測を立てています。


今回6度目の開催となるIFAグローバル・プレスカンファレンスがイタリア・サルディーニャで開催された
世界55カ国から300以上のジャーナリストが参加

− IFA2013には日本企業はどれほど参加しますか。

ハイテッカー氏:今年はフォトキナが開催されない年なので、全体としてはデジタルイメージングの企業が多く参加される予定です。またこのカテゴリーでは日本の有名ブランドからもご参加をいただけます。日本の企業はまだIFAへの参加をためらっているようにも思えます。しかしながら、経済危機が続いていると言われる今だからこそ、自分たちのブランド力や、世界に通用する技術・製品を声高にアピールするべきだと思います。ぜひIFAに参加いただき、チャレンジしてもらいたいと考えます。


− IFA2013 GPCにはたくさんのエレクトロニクス企業がスポンサーとして参加していますが、日本企業の参加についてはどのように考えていますか。

ハイテッカー氏:日本からは長いパートナーであるパナソニックに今年もスポンサーとして参加していただきました。大変うれしく思います。日本ではいまエレクトロニクスに関わる新しい技術や製品がたくさん生まれて、注目を集めています。またIFA GPCは世界中から集まるジャーナリストに、メーカーの技術と製品を最も効果良くアピールできる場所です。次回はより多くの日本企業に参加して欲しいと思います。


− プレスカンファレンスでは新しいホールの建設も明言されました。

ハイテッカー氏:はい。いまメッセ・ベルリンの敷地内に新ホール「City Cube」を建設しています。その役割は、一つに老朽化したカンファレンスホールの代わりを担うことと、もう一つは近年オーバーブッキングが続く出展スペースを拡大することです。新ホールが完成すれば、メッセ・ベルリンは世界最大規模のカンファレンスホールと展示スペースを提供できるイベント会場になります。

2014年に開設を予定する新ホール「Berlin City Cube」


− 6日間・6分野の展示コンセプトは変更しますか。

ハイテッカー氏:今年はその予定はありません。ただ、来年2014年には新ホールが完成しますので、それに向けて展示全体の方法をより効率化するための変更に取り組む必要があると考えています。


− ベルリン・ブランデンブルグ国際空港の開港が遅延していますが、IFAへの影響はありますか。

ハイテッカー氏:私たちも大変困惑しているところです。防火設備のセキュリティに小さな問題があったことが原因であると言われていますが、なにぶんドイツでは日本と同じく、何事もダブルチェックによる安全確認を心がけていますので、念入りな調査を行っているための遅延だと思います。しかしながら開港までにはあと1〜2年かかると見込まれています。


− 今年のエレクトロニクス商品のトレンドをどのように見ていますか。

ハイテッカー氏:今年のマーケットの主役はやはりタブレットとスマートフォンであり、IFAの傾向も同じとみています。出展メーカーについてもやはりタブレットやスマートフォンを中心としたモバイル、通信系の製品やサービスを手がけるメーカーが増えています。他のイベントにないIFAの特徴の一つは、AVやホームアプライアンスに、IT・通信系のデバイスが加わったかたちでの“コネクティビティ”を一望できるイベントであるということです。世界から多くのトレードビジター、メディアを引きつける大きな要因の一つです。


− 今回のIFA GPCではスマートTVにも注目が集まりました。世界でスマートTVと言えば、現状サムスンがリーダー的な位置付けで、日本はどちらかと言えば余り関心が強くないように感じられます。マーケットのトレンドをどう感じていますか。

ハイテッカー氏:確かにサムスンはワールドワイドでスマートTVのリーダーであると言えます。そしてスマートTVのブームに乗って、スマートTVの新製品を数多く発売しています。しかし、一方では日本メーカーのテレビ製品を見てみると、ラインナップの中でのスマートTVの比率は必ずしもサムスンのそれとは変わらないと思います。問題は、日本のメーカーがその価値をどのようにラインナップの中で位置づけて、外に向かって積極的にアピールしていくかということです。テクノロジー中心に語るばかりではなく、スマートなソリューションがいかにライフスタイルに影響するものなのかを訴えかけながら、コンシューマーとのコミュニケーションを上手に採っていくことが大切です。


ブリーフィングセミナーでテレビ最新機種のスマート機能をアピールするサムスン
ヨーロッパではスマートTVへの期待感が高まっている

− 日本では4Kテレビの注目度も高まりつつあり、業界のフォーカスもシフトしつつあります。ヨーロッパでは、いつ4Kがブレイクするとみていますか。

ハイテッカー氏:韓国の企業も4Kテレビに取り組んでいますが、製造面が当初の想定よりも上手くいかなかったことからスタートダッシュにつまずいています。新しい技術の立ち上げには、いつも相当の投資が必要です。そして商品として市場に送り出すタイミングについては、戦略的な考察と駆け引きがヨーロッパでも盛んになってくるはずです。


− 3Dはどうですか。日本では一時期のブームが落ち着きつつありますが、フィリップスなどヨーロッパのテレビメーカーの取り組みは依然熱心に感じられます。

ハイテッカー氏:3Dはテレビの最新機種にとってもはや「あたりまえ」のものになりました。反対に3D搭載だからといって、それだけを理由にテレビを買うというユーザーも既にいません。ドイツ国内の調査では25%の劇場映画視聴者は3Dで映画を観ているそうです。3Dコンテンツが人々に浸透したことは明らかです。では次にどこで3Dを見たくなるか?「自宅のテレビで」と答える声が高まってくるのは明らかです。コンテンツサイドも3Dには積極的です。


− IFAにはこれからどんな改革が起こりますか。

ハイテッカー氏:マーケットの変化に合わせながら、ショーも成長していくべきだと考えます。今まではエレクトロニクスに関わる、色んなセグメントをショーに取り込めば規模が拡大して、「イコール/進化」と考えることもできましたが、これからは各セグメントに合わせて、ディストリビューターや販売チャンネルの変化も捉えたかたちで、ショーがマーケットに及ぼす効果を最大化していく仕掛けが必要だと考えています。そのための改革に注力していきます。

IFAはよりスマートなショーに、進化の方向性が掲げられた


− ありがとうございました。

 

◆IFA2013(2013年9月6日〜9月11日開催)に関する問い合わせ先

メッセ・ベルリン日本代表部
TEL/03-6426-5628
FAX/03-6426-5629
Mail/info@messe-berlin.jp

 

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