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CAV JAPAN Grand Archive

テストレポート

スピーカー/サブウーファー
高分解能・高透明度で爽快なサウンドのブックシェルフ
スピーカーシステム
V-90
レポート/藤岡誠
4端子の入力はDX-8と同様の超大型

【SPEC】 ●スピーカーユニット:12cmハニカム構造振動板コーン型ウーファー、2.5cmマグネシウム振動板ドーム型トゥイーター ●再生周波数帯域:45Hz〜20kHz ●インピーダンス:4Ω ●出力音圧レベル:87dB(W/m) ●クロスオーバー周波数:3.2kHz ●外形寸法:210W×350H×365Dmm ●質量:11.7kg

微小・小音量でもバランスが崩れない素晴らしい直線性
本稿ではCAVの2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカーシステム「V-90」の紹介と試聴感をレポートするが、その前に、昨年デビューした大型フロアー型スピーカーシステム「DX-8」にわずかでも触れる必要がある。共通のDNAを持っているからだ。

DX-8は並列駆動される2個のウーファー+ミッドレンジ+トゥイーターによる大型システムだ。ユニットはすべてドイツ製。聴こえは最近では珍しいほどの超低域方向への伸張があって、聴く音楽ジャンルに関わりなくチャーミングな音質・音調だ。最近の大型システムの中で間違いなく一流の仲間入りを果たしていると私は思う。中国メーカー/ブランドのシステムとして快挙といっても過言ではあるまい。

さて、ぐんと小型化されているとはいえ、そのDNAを受け継いでいるのがV-90である。開発コンセプトは「DX-8の設計思想の現実的な凝縮・縮小」といって差支えあるまい。具体的内容はCAVジャパンのホームページなどに譲り、ここでは若干の補足を簡単に示そう。

キャビネットは前後バッフルを傾斜させたプロポーションで背面ダクトのバスレフ方式。前面バッフルは35mm厚。底部の4点スパイクに対してその受け皿が付属する。

ウーファーはHexacone(ハニカムコア振動板)で中央にフェーズプラグを装備。トゥイーターはセラミックコートされたマグネシウム・ドーム型。両ユニットはドイツのEton社製。ネットワークのコイルはDX-8と同様に高純度銅リボンを採用。4端子の入力はDX-8と同様の超大型で、過剰品質(?)気味の観があるほどに充実している。

聴こえは、一切の曖昧さを排除した高分解能・高透明度。スカーッとしたサウンドで爽快そのもの。特に低域方向はハイスピードでコントラバスやティンパニーなどの再現性がリアルだ。

また、2ウェイで発生しがちなクロスオーバー近辺での特性の乱れや落ち込みがなく、従って中域周辺は十分な密度を保ちながらも妙な明るさを勝手に演出しない。さらに木管と金管楽器の質感の相違を見事に表現。高域方向もヴァイオリンなどを聴くと、いわゆるソフトドームやアルミニウム系などの金属系ドーム型とは異なった、落ち着いた質感の中に精彩でデリケートな味わいがある。その上で、微小・小音量でもバランスが崩れない素晴らしい直線性は特筆に値する。

いうまでもなくこれらは、優秀なユニットの採用とその使いこなし、さらに強固なキャビネットなどが有機的に関係した融合技術の結果でもある。なお、組み合わせるアンプは許される限りハイエンド志向の真実優秀な製品を選びたい。