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テストレポート

清澄・明瞭で色づけが少ない音調 低域もきちんと表現する
ATH-ES88
レポート/佐藤良平

ヘッドホン自体のS/Nが優れている、という印象

型番にESが付く一連のテクニカ製ヘッドホンはいずれも折り畳み構造を持ち、出先での使用に向けた密閉オーバーヘッド型のシリーズだ。

本機はトップから3番目に位置する新型機である。外見と音作りの両面でESシリーズには統一性が特になく、たとえばハウジングの材質に着目するとチタン製のES10、無垢のパドック材(硬質な木材)を使った名器ESW9、鏡面ステンレス仕上げのES7といった個性的な顔ぶれが並んでいる。

本機のハウジングはアルミ製で、中央部にヘアライン仕上げを施し、見た目が快い。ハウジングを支架するパーツの精妙な工作と相まって高級感があり、シャープな印象を与える。本体重量は130gと、とりわけ軽い。見かけは小型の製品だが、ドライバーの口径は40mmと中型モデルなみだから音質面は充分だ。コードは両出しのY型で長さは1.2m。断面形が平たく絡みにくい「稲庭うどんタイプ」を同社で初めて採用した。付属品はポーチのみだ。

音質は清澄・明瞭で色づけが少なく、ソースに何かを付加したり、逆にソースから何かを減じたりといった操作をしないキャラクターが際立っていて好感度が高い。ハウジングの材質であるアルミが本来持っている特性に加えて、グラスウールを混ぜたバッフルとユニットを一体化した構造など、複合的な仕組みによって不要な振動を抑えた結果だと考えられよう。ヘッドホン自体のS/Nが優れている、と言えば良いだろうか。ルックスに似合わず低域もきちんと出ている。

装着感だが、残念ながら筆者の耳とES88はあまり相性が良くなかった。ハウジングとヘッドバンドをつなぐ部分の自由度が少ないため、隙間ができてしまった。この点は購入前にチェックすることをお薦めしたい。総合点では高く評価できる製品だ。

【SPEC】●型式:密閉ダイナミック型 ●出力音圧レベル:103dB/mW ●再生周波数帯域:9〜26,000Hz ●最大入力:1,000mW ●インピーダンス:34Ω ●質量:約130g ●コード長:φ3.5mm金メッキステレオプラグ(L型)