AV KANSAIが強さを見せつける!初のTAD試聴会も大盛況の「ハイエンドカーオーディオコンテスト」レポート【前編】
編集部:筑井真奈日本一のカーオーディオのクオリティを競う「ハイエンドカーオーディオコンテスト」(以下ハイコン)が、9月5日(土)と6日(日)の2日間、石川県小松市のこまつドームにて開催された。総エントリー数は300を超え、今年も熱戦が繰り広げられたコンテストの模様を前後編に分けてレポートしよう。
TADのホームスピーカーで課題曲をさらに研究
全国の主要カーオーディオショップが中心となって主催するハイコンも今年は11回目。コロナ禍を除き毎年開催されてきたが、昨年から会場を掛川からこまつドームに移転。ドームのために天候にも左右されず、スムーズな会場運営が実現されていた。
カーオーディオコンテストは、スピーカーやアンプなどを純正の状態から交換あるいは追加し、運転席に座った状態での音質を追求するもの。コンテストには「課題曲」が設定され、ホームオーディオの世界での知見をもつオーディオ評論家などが審査員としてそれぞれの車の音質を審査、採点して順位を競うものとなる。
今年は、新たに園田洋世氏と橋爪 徹氏が審査員として参加。過去に審査員を務めてきた小原由夫氏、山之内 正氏、土方久明氏、岩井 喬氏、秋山 真氏、生形三郎氏も加え、計8名の審査員によって厳正なる審査が行われた。
初日は全国のカーオーディオ専門店が作成したデモカーが参戦する「ディーラーデモカークラス」と、ユーザーカーが参加する「チャレンジクラス」(価格帯別にA/B)。2日目はユーザー参加の「ハイレゾエキスパートクラス」となっている。
今回初の試みとして、TADによるホームオーディオ試聴会が開催された。昨年、パイオニアが突如カーオーディオ用ユニット“Grand Resolution”「TS-Z1GR」を発売して鮮烈な話題をさらった。TADはパイオニアのハイエンドオーディオブランドであり、GRとTADは、CSTドライバーという、共通した同軸ユニット技術を採用している。今回の試聴会も、「優れたホームオーディオの音を体験することで、カーオーディオチューニングのスキルをさらに引き上げよう」という狙いで開催されたものとなる。
TADルームには、コンテストの審査の待ち時間の間を狙ってエントラントがひっきりなしに来場。課題曲を改めて聴き直し、「ダイナミックレンジ」や「サウンドステージの広がり」、「楽器の質感表現」など、コンテストの審査項目において重要な点を再確認し、自分のチューニングに活かせる点を模索していた。
注目のディーラーデモカーを紹介
いくつか注目のディーラーデモカーの音についてレポートしよう。鳥取のカーオーディオショップ・ジパングのデモカーは、ACCUTONのユニットを3ウェイで装着。QUARTRIGOのアンプなどを使用して駆動している。ACCUTONのユニットとは3年前から“格闘”してきて、「かなり良さを引き出せるようになってきました!」と店長の道祖尾さん。
今回のクラシックの課題曲は、チェコの作曲家ミロスラフ・カベラーチによる「交響曲第2番」。指揮者の解説動画も参考にしながら奏者の位置やホールの特徴なども研究してきたという。冒頭の疾走感や推進力の高さは、Overture(序曲)の名の通り楽曲への期待値を高めてくれる。ボーカルの柔らかさも耳に優しく、過去最高の出来ではないかと自信を見せる。
青森県・イングラフは、今年はユーザーカーも含め12台がエントリー。12時間以上かけて青森から小松まで遠征し、今年も自慢のチューニングを披露する。解像度高くスピード感あるサウンドづくりはイングラフの得意とするところだが、今回のショップデモカー、レクサス「NX350」はさらに複雑なリズムを精緻に描きながら、音楽的表現力を増した印象。
社長の木村さんによると、「最近はカーセキュリティで来店してくださるお客さんが多く、そういった方々にオーディオを提案すると、かなり興味を持ってくださいます。ADONNのUSBプレーヤーは安価で使い勝手もよいですし、AUDISONのスピーカー、それにデッドニングを施工することでかなり音質を高められます」と、車好きをカーオーディオファンに引き込むべく工夫を重ねている。
カーオーディオクラブは2台のデモカーを用意したが、とくに注目は先述のGrand Resolutionを搭載したメルセデス・ベンツの「E350」。アンプにはAUDIOWAVEの「Aspire Pro」を2台使用し、CSTドライバーとウーファーをそれぞれ使用する。音色の自然さやユニット間の繋がりの良さなど、GRのポテンシャルを深く引き出した印象で、女性ヴォーカルの色気もGOOD。
関西の強豪ショップAV KANSAI。今年は3台のアウディを持ち込んでいたが、特に素晴らしい仕上がりだったのがブルーのアウディ「A5」。
クラシック曲の冒頭、壮大な物語が始まる、その喜びをくっきりしたコントラストと説得力ある音で聴かせてくる。代表・岩元氏の“音の魔術師”とでも言いたくなるサウンドの説得力は高い。クレッシェンドの場面では、音が奥から次々と繰り出されてくるようで、カーオーディオにはこんな表現手法もあったのかと新鮮な驚き。
エピック横浜店は、カローラにBLAMの2ウェイスピーカーなどを装着した約40万円程度のシステムを構築。はじめてカーオーディオに興味を持った人にも安心してオススメできる、ステップアッププランとして提案している。
初めはスピーカーを交換する、あるいはDSPアンプを投入するなど、ちょっとした工夫で音質はグッと進化する。代表の藤本康介さんも、「南関東のカーオーディオの裾野を広げていきたいです!」と力強く語ってくれた。
MAYAさんのライブにエントラントも笑顔
ハイコンのお楽しみのひとつが、アーティストによる生ライブ。今年はジャズ/ラテンシンガーのMAYAさんが登場し、バンドメンバーとともに2ステージを繰り広げた。MAYAさんは第1回目のハイコンに続き2度目の登場で、前回のコンサートも参加した!というツワモノも多数。
敬愛するビリー・ホリディのカバー曲「レフト・アローン」から、日本の歌謡曲、ロシア語の「黒い瞳」、色気漂う「ベサメ・ムーチョ」まで、多言語を華麗に歌いこなすMAYAさんの鮮やかさには圧倒されるばかり。まさかのアンコールでは、フランス語と日本語を交えた「オー・シャンゼリゼ」で会場をすっかり笑顔に巻き込んでしまう。
初日のディーラーデモカーコースは、今年もAV KANSAIが1位と2位を独占。変わらぬ実力を見せつけた。続けてアンティフォン(石川県)、サウンドフリークス(岩手県)、イングラフ(青森県)と全国の強豪ショップが並ぶ。
パイオニアのGrand Resolutionコースではカーオーディオクラブ(大阪)が初優勝を飾った。ハイコンの運営を中心的に担いながら、オーディオのスキルをたゆまず磨き続けてきた代表の高橋祐人さんは、心から喜びの表情を見せていた。2位はAV KANSAI、3位にはサウンドエスパスが入賞した。
後編では、2日目の「ハイレゾエキスパートクラス」、そして各社のデモブースについて紹介しよう。
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