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ビクターの6倍速対応BD-R LTH TYPE登場!有機記録の大きな技術革新を実現
レポート/折原一也

ビクターアドバンストメディアから、待望の6倍速記録対応BD-R LTH TYPE「BV-R130Hシリーズ」が登場した。製品の詳細を取材したところ、その特徴は記録速度の向上だけにとどまらず、同社の従来の有機記録タイプのブルーレイとは全く異なる技術を備えて進化した、新しいディスクであることがわかった。


ビクターアドバンストメディアから、6倍速対応BD-R LTH TYPE「BV-R130H」シリーズ全10モデルが登場した。同社の有機記録型BD-Rディスクで初めて6倍速記録に対応する待望の新製品である。

今回ビクターアドバンストメディアの武田氏に、BV-R130Hの備える特徴、技術といった製品の詳細を取材した。話を伺っていくうちに、本製品の特徴は記録速度の向上のみにとどまらないことがわかった。製造には新設の専用ラインを使い、優れた記録品質と保存特性を両立するため、これまでのBD-R LTH TYPEのディスクとは大きく異なる技術や素材、設計が投入されている。

追記型・録画用BD-R
1〜6倍速記録対応 ホワイトディスク
BV-R130HW(1枚パック)
BV-R130HW5(5枚パック)
BV-R130HW10(10枚パック)
BV-R130HW20(20枚パック)
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追記型・録画用BD-R
1〜6倍速記録対応 カラーディスク
BV-R130HP5(5枚パック)
BV-R130HP10(10枚パック)
BV-R130HP20(20枚パック)
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追記型・録画用BD-R
1〜6倍速記録対応 ホワイトディスク
BV-R130H10W(10枚パック)
BV-R130H20W(20枚パック)
BV-R130H30W(30枚パック)
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取材協力 ビクターアドバンストメディア株式会社
事業企画部  武田晴美氏

 


新製品BV-R130Hは従来の有機タイプのディスクと何が違うのか。実は従来製品と比較し、ポリカーボネート以外の仕様を全て変更している。新しくなった仕様の詳細を確認していこう。

BV-R130Hは、設計の原理的な部分にまで変更が加えられている。まず色素だが、従来とは異なる新規開発の素材を採用している。

BV-R130Hの記録面。(写真はクリックで拡大)

 

一般に光ディスクにデータを書き込む際には、ドライブから記録面にレーザー光を照射し、熱で焼く形で記録する。今回BV-R130Hは、レーザー光があてられた際の色素の挙動をゼロから見直しており、光があたった場所だけを反応させて周りには熱が広がらないよう、熱を吸収する分子構造を持つ材料を開発した。

この新規開発色素は、 データ記録の際、書き込んだ箇所の屈折率を変化させることでデータを記録する「屈折率変化型」と呼ばれるメカニズムを採用している。

この屈折率変化型による記録方式は、従来のCD-RおよびDVD-Rでも採用されてきた方式だ。実は、これまでのBD-R LTH TYPEの記録形式は従来のCD-R/DVD-Rとは異なり、データの書き込みにより光を吸収する割合を示す「記録層の光吸収率変化」を変化させることで光を吸収するメカニズムを採用している。

BV-R130H(左)と、従来の4倍速対応BD-R LTH TYPE「BV-R130FW」(右)の記録面。(写真はクリックで拡大)

 

BV-R130Hに採用された屈折率変化型は、記録層の吸収率のみを変化させる方法と比較して、記録面全体の明るさが確保できることから、レコーダーやプレーヤーでディスクを再生する際にデータ信号が読み取りやすくなるというメリットがある。ハード機器側との再生互換性向上にも寄与することになるわけだ。また、この新開発色素は従来と比較して価格面での競争率が高く、商品全体のコストパフォーマンス向上にも寄与する可能性を持っている。


記録精度に関する品質基準は、記録レーザー光のパワー変動に対してどれほどジッターレートを低く示せるかという数字で表すことができる。BV-R130Hは、ドライブ側の記録パワーの揺らぎに対してジッター率6%を切る「ワイドパワーマージン」を実現した。これは、一般的な6倍速の無機ディスクを上回る記録精度を示している。

記録エラーが少ないワイドパワーマージンを実現。(写真はクリックで拡大)

 

レーザー光のパワーは、稼働中の変動要素にだけでなく、経年劣化、室温など外部的な環境によっても変化するため、パワーマージンは幅広いほど望ましい。BV-R130Hは、様々な環境下に対応し、無機ディスクと同等以上の高品位な記録品位を有することになる。


有機ディスクの弱点と言われていた「耐光性」についても大きく向上している。ウェザーメーターと呼ばれる試験用装置を使った耐光性のテストでは、室内の蛍光灯下で実に29年に相当する対光性能を持つという結果が出ている。今回武田氏に伺ったところ、元々BD-R自体が原理的にCD-R/DVD-Rよりも光に強い特性を持っているのだという。同テストにおいて、CD-R/DVD-Rは一般的な規格値を超えるとエラーレートが上がり続けたが、本製品では300時間という記録時間を超えてもエラーレートを抑えるほどの耐光性を示した。

ウェザーメーターという装置による耐光性試験では、記録時間300時間を超えてもエラーレートを抑えた。(写真はクリックで拡大)

 

また耐熱・耐湿性も、新開発の銀合金反射膜の採用によって従来製品より向上している。この銀合金反射膜は、他社の一般的な反射膜と比較して金属粒子が細かいため、長時間の加熱・加湿に対しても金属粒子が絡まず、記録特性を維持することができる。

更に、BD-Rメディアの多くは一般に不織布ケースに入れて保存すると、加圧によって表面に反りが生まれるためエラーレートが上がるという弱点があったのだが、BV-R130Hのカバー層は不織布で保管しても問題ないほどの耐性を備えている。

上述の新開発色素の採用などもそうだが、価格を抑えながら高い特性を確保する技術が投入されているところもポイントだ。同社独自のハードコート仕様も、リニューアルした専用設計としている。


BV-R130Hは様々なユーザーニーズにあわせて、スピンドルタイプを含めた1枚/5枚/10枚/20枚/30枚のパッケージを揃え、レーベル面もホワイトディスクとカラーミックスをラインナップしている。

BV-R130HP10のレーベルカラーバリエーションは、5色を揃えている。(写真はクリックで拡大)

 

また最近は地デジ移行に伴い、VHSユーザーによるBDメディアへの乗り換え需要なども聞かれるが、ビクターのディスクは幅広いユーザーの使用を考え、選びやすさを工夫したパッケージデザインを採用していることもポイントだ。表にはブランド「Victor・JVC」の名前と「日本製」の文字を大きく表記。裏面には「日本製」「キレイに録れる」「安心保存」のキャッチをしっかりと入れることによって、「コンテンツを安心して保存したい」というユーザーに向けた本製品の“安心感”をわかりやすくアピールしている。

BV-R130HW10(ホワイトディスク/10枚パック)のパッケージ表面。ブランド名と「日本製」をわかりやすく表記している。(写真はクリックで拡大) パッケージ裏面には、「日本製」「キレイに録れる」「安心保存」のキャッチをしっかり入れている。(写真はクリックで拡大)
BV-R130HP10(カラーミックス/10枚パック)のパッケージ表面。ホワイトレーベルと基本は同一デザインで、カラーであることがわかりやすいようカラバリを表示している。(写真はクリックで拡大) BV-R130H20W(ホワイトディスク/20枚パック)。スピンドルタイプも、側面に「日本製」「キレイに録れる」「安心保存」のキャッチをわかりやすく表記。(写真はクリックで拡大)

 

有機材料で作られるBD-R LTH TYPEは、実は“エコ”なディスクメディアでもある。有機材料は無機材料と比べて製造過程のCO2排出量が少ない。仮に、現在生産されている無機ディスクを有機ディスクに置き換えた場合、1年間で杉の木41万本が吸収するCO2量に換算されるほどのCO2の削減に繋がるという。生産過程で用いられる溶剤、接着剤も99%再利用が徹底されているためだ。

仮に現在製造されている無機ディスクを有機ディスクに変えた場合、杉の木約41万本文に換算されるCO2削減になる。(写真はクリックで拡大) 生産過程で用いられる溶剤や接着剤なども、実に99%が再利用されている。(写真はクリックで拡大)

 

記録性能や信頼性において、無機記録ディスクと同等、またはそれ以上のポテンシャルを持つ製品へ進化したビクターアドバンストメディアの6倍速対応BD-R LTH TYPE「BV-R130H」。ディスクメディアを性能と使いやすさの両面から牽引するビクターアドバンストメディアに今後も期待したい。

 
取材・執筆/折原一也

埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
 
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