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多数の賞を受賞したザッツの商品企画力


ビジュアルグランプリ審査委員長
貝山知弘


今回のビジュアルグランプリにおいて、スタート・ラボが商品企画したThat'sブランド製品が多数の賞を獲得したことは、当然の結果であると思う。BDメディア部門とCDメディア部門でそれぞれ第1位を獲得したことに対しては心から拍手を送りたい。


That'sの記録メディアに対する私の信頼感は非常に高い。これは全く個人的なことだが、私のプロダクションで製作するDVDのコピーには、すべてThat'sのディスクを使用している。すでに2,000枚以上のコピーをおこなってきたが、ディスクが原因のトラブルは一枚も無かった。こうした信頼感は、テレビ放送をHDDに録画し、ディスクにムーブする際には代えがたいものとなる。貴重な映像の場合、記録したものが見られなくなるという不安は、常についてまわるからだ。私の同社の製品に対する信頼感はBDになっても揺らいでいない。


しかし、有機色素BDを商品化する難しさは、DVDの比ではないはずだ。それをなし遂げたベースには、商品企画において「レコーダーはデジタルのペン、光ディスクはデジタルの紙」というシンプルで強い思想があった。正しい思想があっても優れた製品が生まれると限らないのは自明だが、That'sはそれを見事に具現化して見せた。その中に、数式には必ず解があることと同じ美しさを感じたのは、私だけだろうか。

 

CDメディア部門で1位となった「CDR-74SPMPT」は録音スタジオ向けの製品だが、マニア層にとっても福音となるだろう。エラーレートとジッターを極限まで抑えるという発想は、どの社でも望むことだろうが、That'sでは、特殊な保護シールで記録面を直前まで保護するなど、記録品質を高めるために様々な手を尽くしている。これも、有機記録層を知り尽くした者ならではの発想であろう。


貝山知弘 Tomohiro Kaiyama
早稲田大学卒業後、東宝に入社。東宝とプロデュース契約を結び、13本の劇映画をプロデュースした。代表作は『狙撃』(1968)、『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1970)、『化石の森』(1973)、『雨のアムステルダム』(1975)、『はつ恋』(1975)。独立後、フジテレビ/学研製作の『南極物語』(1983)のチーフプロデューサー。アンプの自作から始まったオーディオ歴は50年以上。映画製作の経験を活かした映像機器の論評では、家庭における映画鑑賞の独自の視点を確立した。


プロユースの高い要求水準を満たす最高峰のCD-R


ビジュアルグランプリ審査委員
斎藤宏嗣

ビジュアルグランプリ2008SUMMERで、CDメディア部門第1位にThat's「CDR-74SPMPT」が選考された。“最高のCD-R”という評価が確立しているこの製品は、プロ環境での高い信頼性と音質を得られる最高峰のメディアである。マスター音源を忠実に反映する“マスタリング専用メディア”として、CDR-74SPMPTは、1倍速及び2倍速での書き込み時の、エラーやジッターを極限まで抑え込んでいる。その高い信頼性によって、マスターソースの長期保存、CD制作のためのカッティング・マスターなどに不可欠な存在となっている。


録再音の傾向は、音源を厳格にメディアに刻む忠実度の高さがポイントで、伸びやかで高密度なフラットバランスをベースに、各音像を鮮明に描写、透明度の高い音場空間も表現される。低ジッター性能に裏付けられた混変調の少なさも特徴で、音像感や音像と音場間の分離がよく、帯域内がきめ細やかな音色・音質で満たされる。業務用レコーダー用、また、PCでの高品位再生を志すユーザーにも好適な、格調高い高品位CD-Rとして注目したい。


斎藤宏嗣 Hirotsugu Saito
武蔵工業大学電気通信科卒。電機メーカーのエンジニアとして高周波回路とVTRの開発を担当ののち、オーディオ専門誌に執筆を開始する。エンジニアとしての経験を生かした管球アンプの製作で注目を集める。デジタルオーディオには実験段階から深く関わり、現在でも「デジタルオーディオの第一人者」の呼び声が高い。ソフトの録音評でも高い評価を得ており、実際に録音のアドバイザーとして関係した作品はアナログ録音時代から現在に至るまで数多い。


有機色素BD-Rをいち早く製品化した
「Made in Japan」の技術力


ビジュアルグランプリ審査委員
山之内 正氏

BDの進化と普及を進めるためには、録画機などハードウェアだけでなく、メディア側からのサポートも必須だが、その一端を担う重要な技術が、記録膜に有機色素を使用するLTH(Low to High)方式のBD-Rである。既存のDVD-R生産技術を一部変更するだけで量産が可能とされ、メディアの低価格化が実現する可能性が高い。録画機の普及モデルが次々に登場するなか、記録メディアをさらに身近な存在にすることが切迫した課題になっているが、LTH方式のBD-Rがその突破口を開くのではないだろうか。


そのLTH方式のBD-Rを他社に先駆けて商品化したのが、That'sである。DVDで培ったノウハウををさらに洗練させて高品質なメディアを完成させたことが、最大の受賞理由であることはいうまでもないが、日本国内生産で実現した信頼性の高さは、拡大を続けるBD市場において着実に支持を広げていくに違いない。


山之内 正 Tadashi Yamanouchi
東京都立大学理学部卒。在学時は原子物理学を専攻する。出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。近大学在学中よりコントラバス演奏を始め、東京フィルハーモニー交響楽団の吉川英幸氏に師事。現在また年に数回、オペラ鑑賞のためドイツ、オーストリアへ渡航。音楽之友社刊の『グランドオペラ』にも執筆するなど、趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ/AV機器の評論にも反映されている。
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That's受賞一覧見出し

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