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| 2008年夏の新モデルはフルHD・倍速駆動の次なる一手を目指す |
文/折原一也 |
2008年は、この夏に北京五輪の開催を控え、薄型大画面テレビへの本格的な買い換えが進む年になる。薄型テレビの市場全体が拡大するなかで、テレビは様々な形で進化を続けている。
昨年の薄型テレビの大きなトレンドは、「フルHDパネル」「倍速駆動」「リンク機能」の3点。「フルHDパネル」については、デジタル放送やBlu-rayの実力を引き出すため、もはや上位機種の必須スペックとなった。「倍速駆動」についても、液晶テレビの動画性能を向上させる技術として、主要メーカーの上位モデルは全機種対応となった。「リンク機能」も、レコーダー、シアターラックとの連動など、薄型テレビから周辺機器を操作する便利な機能として定着した感がある。
それでは昨年のトレンドに主要メーカーがこぞって対応した今、薄型テレビはどこに向かって進化していくのだろうか。今年の薄型テレビも、各社が差別化を図るために模索を続けているわけだが、その中にいくつか共通した方向性を見いだすことができる。代表的なトレンドを挙げていこう。
●画質の進化は「色」の活用に注目
一つめのポイントは「画質」。昨年で採用が急速に進んだ「フルHD」「倍速駆動」技術の“次”を見据え、各メーカーそれぞれ独自の差別化技術を模索している。
その最大の差別化ポイントは、「色」にある。パネルや映像処理回路の進化で色再現範囲を広げることはもちろん、画作りの面でも差別化を進めていく。東芝、パイオニアは設置環境の照度に応じて画質を自動調整し、パナソニック、ソニー、日立、シャープなどは、映画ソフトの再現性能に重きを置いている。
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東芝“REGZA”2008年春夏モデルは、ユーザーが視聴する部屋の環境などをリアルタイムで解析し、最適な画質に自動調整する「おまかせモード」を搭載した。
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パナソニック「PZ800」シリーズは、パネルに新開発の蛍光体材料やプロセス技術、光学フィルターなどを採用しデジタルシネマの色表現領域をほぼ満たすなど、色再現性能を大幅に引き上げた。 |
これら各社各様の取り組みは一つのキーワードとしてまとめにくいものの、次なる画質の差別化として「色」がもっとも大きな争点となることは間違いないだろう。
●超薄型モデルも登場する「デザイン」
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先日発表された“Wooo”UT770シリーズ。最薄部35mmのモニター部と、チューナーなどを搭載する「Woooステーション」部から構成される。 |
2つめのポイントは「デザイン」。薄型テレビの購買層を拡げる要素として、壁掛けやフロアスタンディングなどの新たなスタイルを提案したモデルが増えてきた。
昨年12月に登場した、最薄部35mmの日立“Wooo”UTシリーズが先鞭を付けた超薄型テレビは、シャープのAQUOS Xシリーズが、最薄部34.4mmとすることで応酬。さらにソニーのF1シリーズも「超」とまではいかないが薄型化を果たし、パナソニックも薄型プラズマの開発を表明するなど、テレビメーカー各社が薄型化に取り組んでいる。
狭ベゼルといったデザイン面の工夫も当たり前のものとなり、インテリア性を重視したカラーバリエーションモデルはほぼ全メーカーで用意されるようになった。
●「ネットワーク」は標準搭載の機能へ
3つ目のポイントは「ネットワーク」。これはHDMI-CECによるリンク機能はもちろん、インターネットや家庭内LANを活かしたネット機能も広がりつつある。具体的な機能として有望なものは、メーカーの垣根を越えて使える”アクトビラ”とDLNAの2種類だ。
“アクトビラ”はベーシックな文字情報だけでなく、HDクオリティの映像配信“アクトビラ ビデオ・フル”が用意されていることに大きな特徴があるが、これに対応したモデルが次第に増えてきた。
家庭内で写真、音楽、録画番組を共有できるDLNAは、従来から積極的だったソニー、東芝に次いで日立も新規に対応を始めた。
新しいトレンドの確立に向けて、各社それぞれの方向に進み始めた2008年の薄型テレビ。今回挙げた他にも、写真の表示や初心者向け機能の充実など、各社の取り組みは幅広い。ひとつの言葉で表せない、その状況こそが、進化が多様化した現状を象徴しているのである。 |
| 執筆者プロフィール |
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折原一也 Kazuya Orihara
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。 |
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