昨年の冬モデルでは、ハイビジョン映像を長時間記録することができる「AVCREC」機能の搭載が話題となったが、春モデルでは、AVCRECはほとんどの機種が搭載する標準的なものとなった。
「AVCREC」は記録方式にMPEG-4 AVC/H.264を使用し、BDへの長時間ハイビジョン録画を実現することに加え、DVDにもハイビジョン画質の映像を録画できるというもの。地上デジタル放送など著作権保護がかかったコンテンツも録画可能だ。BDと比較し価格のこなれたDVDへ記録できるのは、沢山の番組をアーカイブしたいときには大きな利点となる。
また、記録層の有機色素にレーザー光を照射し、元の反射率(Low)を高く(High)変化させる(Low to High=LTH)ことで、データ記録を行う「LTHメディア」への対応もひとつのフィーチャーだ。有機色素を使用したBD-Rは、無機色素を使用したものに比べ価格を抑えられるというメリットがある。録画する際、記録メディアの価格は気になるもの。メディアが安価になれば、BDへの番組アーカイブもハードルの低いものとなるだろう。
レコーダーもメディアも低価格化が進むブルーレイはじわじわとDVDにとって変わろうとしている。LTHメディアによってメディアの低価格化が進めば、このブルーレイへの移行は加速する可能性がある。
また、ハイビジョンレコーダーのネックであるコピー回数制限のコピーワンスが、今年6月に予定されている「ダビング10」によって緩和される予定だが、現在、ほとんどのハイビジョンレコーダーがこのダビング10対応予定になっている。さらにHDMIのCEC機能を利用したTVなどとのリンクは当然のこととなっており、各メーカーはそれ以外の付加価値で差別化をしようとしている。
ここでは各メーカーのレコーダー新モデルの特長についてまとめてみよう。
■パナソニック(→パナソニックのBDレコーダー製品一覧)
パナソニックは昨年秋にフラグシップモデルとなる「DMR-BW900」を投入しているが、春モデルでは、シングルチューナータイプの低価格モデル「DMR-BR500」を新たにリリースしている。これはユーザーの購入しやすさを狙った製品だが、実はより進化したビエラリンク機能に対応している。それが「番組キープ」機能だ。
これはいわゆるタイムシフト機能で、用事があってTVの前を離れなければならないときに、見ている番組を一時停止し、その間の番組を自動起動したDIGAに録画しておき、用事が終わったあとに一時停止位置から見ることができるというもの。レコーダーのタイムシフト機能でも同様のことはできるが、番組キープ機能なら常にレコーダーの電源を入れておくよりも省エネルギーに利用できる。
さらに従来は不可能だったSDカード動画の直接再生も可能になり、SDメモリーカード対応のビデオカメラとの連携が強化された。また、AVCREC機能によりDVDにもハイビジョンダビングが可能であり、ドルビーTrueHDなどロスレス音声にも対応している。
■ソニー(→ソニーのBDレコーダー製品一覧)
ソニーも昨年秋に画質・音質を高めたフラグシップモデル「BDZ-X90」をリリースした。今春は新たに「BDZ-A70」と「BDZ-T90」が投入される。どちらもドルビーTrueHDなどロスレス音声に対応している。T90は録画再生用途をターゲットとするTシリーズの最上位機種で、500GBという大容量HDDを搭載したモデル。高いコストパフォーマンスを持ち、長時間の録画をしたいユーザーに向けた製品だ。
これに対して、A70はまったく新しいコンセプトを持った製品。最上位機BDZ-X90が搭載する「おでかけ・おかえり転送」を強化した機能が搭載され、同社のゲーム機PSPだけでなくWalkman NW-A820シリーズへの転送も可能となった。転送作業に関してもワンタッチ転送ボタンを押すだけで、指定した日時範囲の再生録画を転送できるなど手軽になった。
■三菱電機(→三菱電機のBDレコーダー製品一覧)
BDレコーダー初参戦の三菱は「DVR-BZ200」「DVR-BZ100」の2製品を投入する。これらは初号機からAVCREC機能に対応するなどトレンドに乗った製品だが、同社TV「REAL」とのリンクで使える「番組ポーズ録画」機能には注目だ。これはDIGAの番組キープ機能と同じく、TVからレコーダーを起動して行うタイムシフト機能であり、省エネルギー効果が期待できる。
また、世界初の液晶タッチパネル搭載のリモコンにより、その場で必要なコマンドだけを表示させることで楽に操作できるなど、使い勝手にも配慮されている。
■シャープ(→シャープのBDレコーダー製品一覧)
「BD-HDW20」、「BD-HDW15」は春モデルでは珍しくAVCRECに対応しておらず、DRモードの画質にこだわったレコーダーと考えられる。事実、1080p変換を専用チップで処理し、広帯域コモンモードフィルダでHDMI信号のエラーを抑えるなど、高画質化に重点が置かれている。同社の液晶TV「アクオス」向けに画質が最適化されているのはシャープならではと言えるだろう。
■東芝
東芝はDVDHDDレコーダー4機種をリリースする。この4機種中ローエンドを除く3機種にはHD Rec機能を搭載し、HDDへの長時間記録、DVDへのハイビジョン記録が可能。HDRecにも改良が加えられ、DVDへのHD Rec記録時に-R/-R DL/RW/RAMのどのタイプの記録型DVDメディアでも使えるようになった。また、フラグシップ機「RD-X7」ではレコーダーでは初採用となる高性能な「Reon VX」チップ採用により、DVD再生時のアップケーリングの高品質化が図られた。中位機種でも、DVDをオンライン購入してDVDに焼ける「DVDBB機能」を搭載するなど、DVDを高度に活用することが今回の東芝新機種のアイデンティティだ。
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