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高次元の黒表現性能により色純度も高まった

PIONEER“KURO”フルHDシリーズ
PDP-6010HD ¥990,000(税込)
PDP-5010HD ¥720,000(税込)
※型番クリックで製品データベースへジャンプ
プロフィール

昨年秋に発売されたパイオニアのプラズマテレビ“KURO”は、黒色の表現力を大幅に向上させた、自社開発の第8世代プラズマパネルを採用したプラズマテレビだ。

上位シリーズのPDP-6010HD/PDP-5010HDに搭載されたフルHDパネルは、独自の「高純度クリスタル層」や、部屋の明るさや映り込みなど視聴環境の外的影響を低減する新世代の「ダイレクトカラーフィルター」技術などにより、コントラスト比は当時として最高レベルの20,000対1を達成。設置環境の部屋の明るさと映像の種類に応じて映像モードを切り替える「リビングモード」機能も搭載している。

音質は同社のオーディオエンジニアと協力してチューニングを行い、新開発の17W+17W出力のデジタルアンプに着脱可能なサイドスピーカーを備える。スピーカーユニットには新開発の長円型ユニットを搭載。徹底して画質・音質とクオリティにこだわったプレミアムテレビだ。

 

メーカー担当者に聞く“高画質化の秘密”
最高画質を目指したテレビとして、パイオニアのプラズマ“KURO”の存在を忘れてはならないだろう。2008年夏に向けたテレビ新製品が続々と登場しているが、KUROの黒再現力は鮮烈な映像体験を与えてくれた。

KUROが目指したものは、ズバリ「最高画質」。コントラスト比20,000対1という値からも分かるとおり、液晶テレビでは実現不可能なほどに黒輝度を下げることができ、深淵な漆黒の再現を可能とする。

パイオニアのKUROがプラズマテレビで最も早い昨年の段階で20,000対1というコントラスト比を達成した背景には、パネルの発光するセル一つ一つを独立させて光漏れを抑えるディープワッフル構造と、専用に開発したダイレクトカラーフィルターによる外光対策などはもちろん、「とにかく暗い部分の輝度を落としてコントラスト比を上げていく」という思想のもと、アドレス側に新たに電子発生源を追加した新セル構造により、プラズマ発光の黒浮きの原因でもある予備放電を5分の1に抑える取り組みがあった。

 
KUROに搭載された新たなセル構造。セルのアドレス側に新たにデンし発生源を形成することで、効率の良い高速安定放電が可能になった。この結果、黒輝度を従来の5分の1に下げることに成功した

また、ネイティブ値で20,000対1という、プラズマでしか出し得ないコントラスト比を活かし、「低輝度でグラデーションを滑らかに出すという、パネルに合わせた画作りの部分を重視しています」(武藤氏)と、そのパネル性能を活かした色再現までトータルで作り上げたことに、KUROの高画質の秘密があるようだ。


■黒の締まりは鮮鋭感のある立体的な映像を描き出す

それでは、KUROが実現したコントラスト比20,000対1という黒表現力は、実際にどのような映像表現に結実したのだろうか。

黒からの精細な階調の立ち上がりを要求するソースとしては、やはり映画が第一に挙げられる。映画館向けに作られたフィルム映像は、暗部からの階調表現が重要になる。しかしそれ以外、映画以外の映像を中心に視聴するテレビユーザーにも、黒の締まりによる画質向上の恩恵はある。

「黒が締まるとシャープネスを上げなくても、先鋭感は十分に伝わりますし、その恩恵として自然で奥行き感のある映像になります。映像回路を過度に操作することなく高精細な映像を表現することが、KUROの目指した高画質なのです」(松本氏)

今回のKUROの取材で見た、真っ暗な夜空に赤い花火の舞う映像は、仄かな輝きも的確に捉えた映像として印象的だった。その美しさの理由を開発陣に尋ねると、これも自発光で光をコントロールするプラズマの強みの現れであると強調した。

「黒が浮いてるということは、微妙に緑とか青など別の光が漏れ出てしまうのですが、黒に近い映像であればよけいな色が乗らずに色純度の非常に高い映像になります。プラズマならRGBをごくごく低輝度に分離できるので、色純度の高い映像表現に繋がっているのです」(武藤氏)

 
KUROに搭載されたパネルでは、低輝度時でも広い色域を確保できる   KUROのパネルに搭載された新世代・ダイレクトカラーフィルターは外光カット機能を追加した

ピュアな色再現力に裏付けられた立体的な映像は、映画のみならずあらゆるソースに有効だ。高画質を語る上で、KUROの存在が外せない理由には、プラズマの方式を活かして高画質化を追求したパイオニアの画作りに対する思想がある。


■視聴環境に応じた最適化に先鞭を付けた「リビングモード」

取材はKUROの映像を確認しながら行った

この春のテレビの新トレンドとして、東芝が大々的にアナウンスした、設置環境に応じた自動画質調整機能が大きな話題を集めた。しかし、パイオニアは昨年時点から「リビングモード」として、設置環境に応じて画質を最適化する機能を搭載していたことは案外知られていない。

「リビングモード」の動作は、照明の色に適応させる機能こそないものの、「明るい部屋では明るい環境に合わせた画質を作り、暗い部屋でも最適化している」(松本氏)と、基本的な思想は同じ。色温度、ノイズリダクション、シャープネス、輝度、ガンマカーブと、ほぼ同じ項目を調整する。

もちろんコンテンツの映像に合わせて画質を調整する機能も装備。映画ソースなら映画に適した画質に調整し、またサッカーやライブなども自動で判別し、映像の最適化を行う。

このリビングモード機能で業界の先鞭を付けたKURO。「購入した方から、他社さんの新製品が出るたびに販売店で確認した上で、なお『購入して良かった』という声を頂いています」(大町氏)と、ユーザーの満足度も高いようだ。画質を高めたという製品が増える中、KUROの実力を改めて評価してみても良いだろう。

 

画質インプレッション
圧倒的な黒の表現力、これはプラズマテレビだからできる特徴として挙げたい。暗室に近い状態の視聴環境でも真っ黒に近い黒を再現できる。質感を細やかなタッチで描く映画モードはもちろん、特にシャープネスをかけていない自然な状態でも、最暗部からダイナミックな色遣いをするスタンダードモードもキメ細かく情報量豊かな映像で楽しめる。ライバルの登場によって改めて良さを再認識できるモデルだ。
取材にご協力いただいた方
パイオニア(株)PDP企画部 商品戦略・渉外担当部長 大町明男   パイオニア(株)PDP企画部 セット企画課
武藤大介
  パイオニア(株)PDP製品技術統括部 第4技術部 設計2課 副主事 松本昌紀
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