2008年夏の薄型テレビのなかで、日立のプラズマテレビ「P50-XR02」ほど前モデルからイメージを変えたモデルはない。従来の日立のプラズマWoooシリーズは、高輝度を稼げる独自のALISパネルの強みを活かした画作りを行ってきたが、この夏のXR02シリーズではプラズマの原点に返り、黒の締まりで勝負する新モデルを投入してきた。
■「新プラズマ1080フルHDブラックパネル」でコントラスト比30,000対1を達成
今回の新プラズマ“Wooo”最大の特徴は、大幅に進化した画質だ。P50-XR02が搭載した「新プラズマ1080フルHDブラックパネル」は、従来の明るさ重視から黒を引き締める方向へと大きく舵を切り、見違えるほどの進化を遂げた。
今回採用した新パネルは、その構造が従来のものとは大きく異なる。従来、同社の採用してきたパネルは「ALIS方式」と呼ばれるもので、縦方向に長いリブを横方向交互に発光させ、明るさを稼ぐことに特化した構造となっていた。これに対して新パネルは、セルの一つ一つを独立させたボックスリブ構造を採用。また、「金属の黒い帯を入れることで、外光反射を3割軽減した」という新構造、さらに全画素を同時に発光させるプログレッシブ方式の採用といった変更により、コントラスト比30,000対1もの数値を達成した。
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| ストレートリブからボックスリブにセル構造を変更。これにより光漏れが大幅に低減した |
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P50-XR02の画質をチェックする折原氏 |
この新パネルにより実現した映像も、従来のものとは大きく異なる。
「従来は明るすぎて黒が出ないという弱点があったので、今回は本格的に黒を出そうと取り組みました。今回は輝度ピークも若干下げていまして、つまり黒方向を沈めることで30,000対1を実現しました」(鈴木氏)
あくまでも黒色方向を引き締めていく。プラズマテレビだからこそできる暗部の低輝度化に取り組んだ結果、P50-XR02では30,000対1という業界最高水準のスペックに並んだ。パネル作りの方向性といい、画質の思想といい、今までのモデルとはひと味違っていることが分かるだろう。
■コントラスト比を活かして映像モードも最適化
実際の映像のチューニングも、今回新たに締まった黒を手に入れたことで方向性を変えている。映画向けのモード“シネマティック”は、「他のモードとはまったく違うモニター風の映像にしています」と、新パネルの性能を引き出すことを念頭においた。
「『スタンダード』モードは店頭で用いる『スーパー』モードの思想を受け継いでいるもので、店頭での比較で我々の画質を選んだ人に使ってもらえればと思います。『リビング』では、さらに明るめの部屋でも使える設定にしています」(鈴木氏)。
映画を楽しむための本格的な映像にもチャレンジしながら、従来からの画作りも継承する。黒が締まった新パネルによって「同じ『スーパー』モードでも、黒が沈むことでメリハリのある映像を作れるようになった」という。ポテンシャルの高いパネルの登場は、画質の面からも幅広い楽しみ方を許容するという好例だろう。
■「シネマスキャン」も搭載してシアター志向も強化
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| なめらかシネマとシネマスキャンを両搭載 |
今回のP50-XR02の本格志向を象徴する、もう一つの新機軸の機能に「シネマスキャン」がある。これは映画など24フレームで収録されたBDソフトの映像を、等倍で表示するものだ。
同社には、フレーム間の映像を新たに生成する「なめらかシネマ」も存在するが、「シネマスキャン」は各フレームを4回繰り返し表示し、96フレームで表示することで、あくまでも映画本来の質感表現を目指している。
明るく鮮やかな映像のみならず、黒の締まりまで手に入れた“Wooo”XR02シリーズ。テレビは画質本意で選ぶというユーザーにとっても、検討の候補にすべき製品と言える。
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