• ブランド
    特設サイト
2012/04/19

奥田民生さんのライブで大反響 − 『お持ち帰りCD』の魅力とは?

音楽に新しい楽しみ方のカタチ
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


音楽に新しい楽しみ方のカタチ − 多彩な発想が膨らませる商機


1月に東京の3つの会場(4公演)で開催された奥田民生さんのライブで、当日の感動をその場でパッケージにして持ち帰れる「お持ち帰りCD」が販売され、大きな反響を集めた。既存のCDパッケージとはまったく違った音楽の楽しみ方を実現するもので、新たなビジネスチャンスの拡がりも期待されている。

そこで、高度な品質管理とスピードが求められる「お持ち帰りCD」の製作現場を支えるディーアンドエーミュージックの白川幸宏社長、そして、プロの目が選ぶ信頼と安心のCD-Rメディアを提供したスタート・ラボの揚伯裕社長にご登場いただき、大きなポテンシャルを秘めた「お持ち帰りCD」の魅力に迫った。

(有)ディーアンドエーミュージック 代表取締役の白川幸宏氏(左)と営業部の小川高明氏(右)。同社は1989年に出張録音を軸に創業。その後、CD-RやDATを中心とした業務用記録メディアの総合商社として、レコーディングスタジオや放送局に記録メディアを提供してきた。CD-Rの分野では、開発当初より販促や製品研究に携わっている。これらノウハウを活かした、音質を追求した音楽専門のCD-Rデュプリケートサービス業務は20年以上の実績を誇る。現在、レコードメーカーの販促プロモーション用途を中心に多数利用されている。そのノウハウを活かしたお持ち帰りCD製作では市場の牽引役を担う。

【「お持ち帰りCD」(ライブCD)とは】

レコーディングしたライブ音源をその場でCD-Rにコピーする。できたてホヤホヤの感動を、終演後、その日のうちに持ち帰ることができる。英国アビー・ロード・スタジオが「アビー・ロード・ライブ・ヒア・ナウ」というシステムとして実現し、海外ではすでにお馴染み。日本では2010年11月に「EMI ROCKS」というイベントで行われたのが最初となる。小規模なライブ等ではその後も行われていたが、単独アーティストがツアーの複数会場で行う例は、今回の奥田民生さんのツアーが初めてとなる。



予想を上回る大反響 − 「お持ち帰りCD」とは


ーー 1月末に行われた奥田民生さんのライブで「お持ち帰りCD」の企画が大好評だったそうですね。

白川 ライブツアーの中の東京の3つの会場の4つの公演で行われ、販売された計2600セットが完売となりました。ライブのチケットを持っている人を対象に、一人一枚限定で発売されました。会場でライブに先立って整理券を販売する仕組みになっており、「15時から販売します」と前もってアナウンスされるのですが、早いところでは朝から、昼過ぎには100人を超える列になるなど大きな反響を集めました。

Tamio Okuda “Gray Ray & The Chain Gang Tour” 4,000円(税込)

ライブ当日に、ライブの音源をCD化して販売する「ライブCD」。通称“お持ち帰りCD”。商品はライブ終了後から約30分で最初のものができあがり、購入者への引き換えが開始された

ーー 主催者もびっくりされていたのではないですか。

白川 発売枚数も、主催者サイドの当初の見積もりに対し、こちらからアドバイスをして上乗せされたのですが、「こんなに売れるのか!」と大変驚かれていました。最終日の渋谷公会堂のときには、他のアーティストの担当者などもたくさん見に来ていたようです。

「お持ち帰りCD」は海外ではすでにやられているものなのですが、国内では2010年11月に「EMI ROCKS」というイベントで行われたのが最初になります。

しかし、今回の奥田民生さんのように、単独アーティストのツアーで何会場にもわたってやるのは初めてになります。「お持ち帰りCD」の存在を知った奥田民生さんのレーベルとマネジメントのスタッフから「是非やってみたい」と発案され、チャレンジされたそうです。

楽しんだライブの空間が、そのままパッケージになり、その日のうちに持ち帰れるわけですから、この感動の輪をもっと拡げていきたいと思います。

「お持ち帰りCD」製作数
開催日会場制作数(品番)
1月7日(土)府中の森芸術劇場 500セット限定(KSRL1-2)
1月11日(水)NHKホール750セットセット限定(KSRL3-4)
1月12日(木) NHKホール750セットセット限定(KSRL5-6)
1月31日(火)渋谷公会堂600セット限定(KSRL7-8)


ーー お客様にとって大きな喜びであると同時に、製作されるディーアンドエーミュージックさんにとってはかなり高いハードルなのではないですか。

白川 当社は1989年に、レコーディング会社として創業しました。当初はクラシックをライブレコーディングして、1枚、2枚の少量からでもオリジナルCDをつくれますよ、というビジネスを行っていました。

ーー まるで「お持ち帰りCD」の源流のようですね。

白川 かなり近いですね。その後、レコーディングの技術力を背景にした音質評価なども手掛けており、現在は、レコードメーカーのプロモーションCDのコピーを事業の柱のひとつとしています。

“旬”の話題をいち早くお届けしなければならないものですから、とにかく短納期であることが絶対条件です。音質もよくなければプロモーションになりませんし、ラジオ局やレビューをいただく評論家のお宅へお持ちしても、再生できなければ話にならない。互換性もまた大切な条件になります。

「お持ち帰りCD」も同じく、マスターをただコピーしてつくればいいというのではありません。音質や互換性、また、その場で記念のCDとして持ち帰ってもらうためのスピーディーな作業が要求されますが、プロモーションCDで厳しい条件を毎日こなしているわれわれにとっては、日常の業務の集大成のようなもので、ノウハウや強みがもっとも活かせる場でもあるのです。

スタート・ラボからは、マスタリングのCDはじめ、 3会場4公演のお持ち帰りCD製作に、予備を含めて6000枚のCD-Rが供給された

会社名にも“ミュージック”をつけているように、音楽畑でずっとやってきて、CD-Rの立ち上げ当初から積み上げてきたノウハウがあります。真似しようにも、そう簡単には追いつかれない自信もあります。

ーー ライブ会場もそれぞれ条件や環境が異なってきます。現場ではどのような点に注意されるのですか。

白川 現場は楽屋だったり、会議室だったり様々で、今回も、NHKホールでは広いリハーサル室を使用することができましたが、府中の森芸術劇場ではスペースが限られ、廊下を使っての作業となりました。

機材は大変デリケートですから、会場への輸送時の振動などにも気を払います。また、現場では良質な電源をいかに確保するか。専用にラインを引いてもらうこともあります。こうしたコーディネーションには気を使いますね。

会場内に設けられた製作現場には、一度に10枚のCD-Rが焼けるCD-Rデュプリケーターが15台持ち込まれた

ーー 当然、使用されるメディアにも厳しい条件が課される中で、スタート・ラボさんのメディアを採用されています。

白川 レコードメーカーのプロモーションCDのコピーにしても、この「お持ち帰りCD」にしても、音質や互換性は絶対に譲ることができない条件です。そこでコストを優先させてしまったら、我々の信頼を失ってしまう。まず、品質が一番のものを使用する。それに叶う製品が太陽誘電製のメディアだということです。

当社では使用するドライブは、太陽誘電製のメディアにあわせてファームウェアを専用につくりこんでいただいており、まさに、“これが最良”という状態で臨んでいます。

 渋谷公会堂での「お持ち帰りCD」の製作の現場に私も立ち会ったのですが、会場を訪ねた関係者とディーアンドエーさんの担当の方の間で「メディアは何を使っているのですか」「太陽誘電製のものを使っていますよ」「それなら安心できますね」という会話も耳にして、プロの中で品質の高さを認知いただいていること、同時に、強い責任を実感しました。

次ページライブ終了から30分後には商品を受け渡し

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 USB Type-CからHDMIへワイヤレス映像伝送できる送受信機「Compact Mate2」
2 初めてのレコードプレーヤーならデノンがおすすめ! お手頃3モデルの実力をチェック!
3 【レビュー】7千円台のながら聴きイヤホンで充実の基本性能!SOUNDPEATS「GoFree2」は驚きのコスパ
4 Prime Video、映画『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』や『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』など4月配信
5 ニッポン放送、AMステレオ放送を終了。4月からモノラル放送に
6 ビックカメラcom、最大80%OFFの“期間・数量限定”セール中。なんと12000以上の商品対象
7 【Amazonセール】ソニーの65型4Kテレビが34%オフ。各社の大画面4Kテレビがお買い得に
8 2024年女子プロゴルフ戦「ヤマハレディースオープン葛城」、3/28から4日間の放送・配信予定
9 「春のヘッドフォン祭2024」4/27開催。2フロアにわたり80社が出展
10 話題のマランツのHDMI搭載ネットワークアンプ「STEREO 70s」、評論家4名でクロスレビュー
3/29 10:54 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX