| ■映像素材の鮮度やホットな音声信号を大切に、そのままディスクに収録 |
(本作リーフレットより抜粋)
●撮影について
撮影には、ハイビジョンカメラ、VTRを使用しました。青く澄んだ空、沈みゆく太陽光を受けて刻々と色合いを変える夕刻の赤い岩々、このような複雑な色相の光景を、実際に見るのと同じような色彩と解像度で、しかも低いノイズレベルで収録することは難しいことです。
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| ▲BDとDVDに、ディスク解説のついたリーフレットを同梱する(クリックで拡大) |
撮影時には自然界での光が当たっている部分と、影の部分の明るさの比を正しく捉えるため、炎天下にもかかわらず厚い黒布で画面を覆いながら映像をモニターしました。「あくまでも黒いところは黒く、白いところは白く、そして黒ツブレ、白トビのない映像」を撮影の基本条件に設定しているからです。
カメラはキヤノンの高性能レンズを装着した、ノイズレベルの低い「HDC-1500(ソニー)」。レコーダーは1920×1080ドットのフルレートハイビジョン信号を高画質のまま記録できる「HDCAM-SR(ソニー)」。収録された映像は、リニア編集機で編集します。デジタル編集機に取り込んでから編集するよりも画質の劣化が抑えられるためです。そして編集時のコピーは一度のみです。映像素材の鮮度を限りなく撮影時のまま保つようにして、注意深く慎重にディスク化しています。
●録音について
ピアノ曲の録音は、東京都多摩市のパルテノン多摩メインホールで3日間に渡って行いました。ここは収容人員1,700人の比較的大きめのホールで、名前のとおり会場内も石壁となっています。適度な残響があり気持ちのよいホールトーンが得られます。
収録マイクには「DPA-4041 Tube(デンマーク、DPA社)」を、5チャンネル用に5本のみ使用しました。いろいろ特徴のあるマイクが他社にもありますが、あたかも発音体の音をそのままダイレクトに電気変換するように感じられる、このマイクを選択しました。5本のマイクからの音響信号は、96kHz/24bitでデジタル化(「dCS904A/Dコンバーター」)され、各チャンネルの信号はデジタルレコーダーに記録されます(「Genex-8500」)。記録された信号は同時にアナログ変換(「dCS954D/Aコンバーダー」)され、5本のモニタースピーカーで試聴します。
記録されたデジタル信号はそのままディスク化されます。ホットな信号をそのままディスクに保存するため、曲中の編集や録音時の冗長性を増すリミッター、イコライジングなどの加工作業は一切行っていません。録音システムには、マイクアンプの利得を調節するスイッチしかないのです。ピアニストの犬飼彩乃さんにとっては、アナログ時代のダイレクトカッティング並に過酷なプレッシャーを与えることになりましたが、卓越した技量と感性で見事に応えてくれました。
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