製品批評

Vol.489
毎週水曜更新 2012年10月17日号(10/10発行)

期待の新進ケーブルブランドが登場 エキサイトかつ完成度の高い表現力

文/林正儀プロフィール

製品名

独自の構造が生きている 方向性とエージングを守ることがコツ

プラネット・ミュージック・ラインは宮城県石巻に生まれた期待の新進ケーブルブランドだ。オーディオ熱が高じ、「自分でやるしかない!」と独自のケーブルの開発を手がける。その第一弾がここで紹介するMPL-Syuniだ。国内メーカーにしては珍しく素材や構造を明らかにしないが、愛用のJBL4343BWXをリファレンスとしながら、音決めを追求。これまでにない構造(特許申請済み)を取り入れて、一本一本丁寧に手作りされているという。メッシュで被覆されたしなやかな手触りだ。特殊なスパイラル構造のようで、軽く柔らかく取りまわしがよい。

100時間以上のエージングを推奨。筆者のPL300で試聴しても、確かに音が緻密で滑らかになる。刺々しさやピーキーな成分、あるいは濁り成分といったものがすっきりと純化されていく印象。どのソースも、のびやかでストレスのない鳴り方だ。アナログ的な耳になじむ方向の音調といってよい。それでいて内にバイタリティを秘める。往年の名盤がいっそう熱く活力のある音楽表現となるのだ。まさにハマる音。一方でレンジののびや微小音のキレ込もよく、このケーブル特有の遠近の深いステレオイメージは現代ソースにもマッチする。オーディオ性能と高い音楽表現を備えた魅力派ケーブルだ。

<この製品の情報は「オーディオアクセサリー」146号から転載しています>

スペック

【SPEC】●導体:無酸素銅 ●金メッキブレード端子 ●問い合わせ:Planet Music Line

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