HOME > レビュー > 「GaN」採用充電器のメリットは? サクッと解説

【連載】ガジェットTIPS

「GaN」採用充電器のメリットは? サクッと解説

2019/12/12 海上忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
USB充電器を選ぶとき、何を基準にしていますか? 端子の数と種類、急速充電対応の有無がすぐに思い浮かびますが、「コンパクトさ」が重要な基準になることは間違いありません。とはいえ、PCの充電が可能なほど高出力な充電器ともなるとサイズが大きくなりがちで、どの製品も大差なくなるというのが実情です。

GaNはシリコンより高性能な“次世代の半導体”として注目を集めています

しかし、それは電力の制御と供給を担う「パワー半導体」が共通していることが前提の話。USB充電器の場合、電気を通したり止めたりする回路(スイッチング)に使われるパワー半導体を見直すことで、大幅な小型化が可能になります。

その素材として採用が増えているのが「GaN(窒化ガリウム)」。これまでUSB充電器やモバイルバッテリーに多く採用されてきたシリコン半導体と比べると電気を通しやすく、結果として電力損失を抑えられエネルギー効率を改善できるのです。

シリコンに比べGaNのほうがスイッチングスピードが速く、発熱も少ないというメリットもあります。結果として基板上の受動部品数を減らし小型化につなげることができるため、GaNを採用した充電器のほうがコンパクト化しやすいのです。同等の出力でシリコン採用製品に比べ容積/重量を半分近くに減らせた、という充電器もあるほどです。

GaN採用のAnker「PowerPort Atom PD 1」(左側)では、同等性能の製品(右側)と比較して40%小型化したとしている

ただし、GaNを採用しているかどうかは製品の外観から判断することは困難で、メーカーの自主申告だけが頼りです。パッケージやWEBページの紹介文で見分けるしかなく、その意味でUSB充電器は買い物前の事前チェックが欠かせない製品ジャンルといえるでしょう。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE