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アップルの新OSで、Bluetoothオーディオは「1対多」が当たり前に?

2019/06/04 海上忍
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アップルが毎年6月頃に開催する開発者イベント「WWDC」。新しいソフトウェア/ハードウェアを発表する場として知られており、今年も胸躍るニューフィーチャーが登場しました。

その1つが「Audio Sharing(with AirPods)」。2台のAirPodsを1台のiPhoneにペアリングしておくと、同じ曲やムービーの音声部分をそれぞれのAirPodsで再生できるようになります。仲のいい2人であれば、1台のiPhoneを覗き込むようにして楽しめるわけですね。

しかし、どうやって? 基調講演で発表された直後ですから、技術的な詳細は明らかにされていないものの、その鍵はAirPodsに搭載されているApple独自のワイヤレスチップ「W1」と「H1」にあるようです。

通常、Bluetoothオーディオは送信側(たとえばスマートフォン)と受信側(たとえばイヤホン)が1対1で通信しますが、Audio Sharingは「1対多」の関係になります。iPhoneやiPad、AirPodsに搭載されている通信チップはこの方式での再生が潜在的に可能だったものの、システムレベルでの対応を要したことから、今秋リリース予定のiOS 13およびiPadOSで実現される運びになったと考えられます。

iOS 13などには新機能「Audio Sharing(with AirPods)」が搭載されます

ところで、Bluetoothを利用した「1対多」でのオーディオ再生は、Appleの専売特許ではありません。たとえば、Qualcommは「Snapdragon 845」から複数のイヤホン/スピーカーへ同時にオーディオ配信する技術「Qualcomm Broadcast Audio」を発表しています。こちらも対応チップ(CSR8670/CSR8675/CSRA68100/QCC5100)は豊富に流通していますから、Android OSなどシステム側の準備が整えば一気に広まることでしょう。今年のワイヤレスは「1対多」がトレンドになるかもしれませんよ?

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