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ビクタースタジオ・エンジニア名鑑:山崎和重 氏

2015/03/31
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山崎和重 氏

ビクタースタジオFLAIR所属マスタリングエンジニア。ビクタースタジオのカセットコピー室(当時)から編集室を経て、1990年よりFLAIRに所属の生え抜きのマスタリングエンジニア。

ジャンルは問わず、ポップス、ロックからアニメの劇伴、そしてクラシックと間口は広い。クラシックの複数テイクを複合した繊細なエディットから、バンドのメンバー立ち会いの記録的な長時間マスタリングと、極端な二面性を事も無げにこなす。

加えて、次世代フォーマットへの最重要人物として業界より圧倒的な支持を得る。その主戦場は“Blu-ray・DVD"。激変する著しい複雑怪奇なフォーマットにも果敢にアプローチし、瞬時に体得。卓越したスキルと、探求心・弛まぬ努力を併せ持つ。既存の2chは勿論、ハイスペックメディアやサラウンドマルチチャンネルまでその守備範囲に隙はない。映像ものではMAにまで手掛け、対応範囲を更に拡大。更に華やかさに磨きをかける独特な腕と神業のエディティング・テクニックで、常に仕上がりを頂点へと誘う。それでも持ち込まれた音源の音および生音尊重志向。



<山崎氏からのコメント>

担当作品のひとつ「ペシェック(指揮)/ マーラー:交響曲第2版「復活」」
チェコ・ナショナル交響楽団は常に演奏会と録音をセットで考えているそうです。練習・演奏会本番・そして録音と云う流れです。これにより効果的に、より効率的に録音セッションが進み、非常に完成度の高い作品が生まれます。

今作も同様の手順で録音されていますので、先ずお楽しみ頂きたいのはこの鮮度の高い演奏です。演奏会後時間を空けずに録音する(そのまま深夜に録音するケースもあるらしい)ので、指揮者もオーケストラ・メンバーも楽曲の流れを熟知していて、緊張感を保ちつつスムーズに録音セッションが進み、最良のテイクが得られます。

そして「豊かで力強く、且つ繊細」なドヴォルザーク・ホールの響きも聴きどころです。これまでにも、CDである程度は表現されていましたが、「96kHz/24bit」のこのオリジナル録音ではさらに深く、ピアニシモ等の部分でも高い解像度を誇っています。

さらに、この作品は完成度が非常に高くマスタリング時に不必要な手を加えることなくハイレゾ音源化させて頂きましたので、その「鮮度」も存分にご堪能頂けると思います。

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