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PS3のDLNA機能を無線LANで快適に使う! − 私的NAS導入記(後編)

2010/06/02 ファイル・ウェブ編集部:風間雄介
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■電気機器の使用状況により安定性にムラが出る

さて、これでHD-PLCの準備は完了だ。PS3のネットワーク接続設定からスピードテストを行ってみると、およそ下りが5Mbps程度。このスピードはインターネットへの接続速度であり、ルーターとPS3のリンクスピードを示しているわけではない。また画面下にも「実際のスピードを保証するものではない」と注意書きがあるくらいなので鵜呑みにはできないが、それにしても随分遅い。

あの延長ケーブルがいけなかったのだろうか。そう思いながら、1階に降りてHD-PLCのマスターアダプターを直接コンセントにつないでみたら、13Mbps程度にまでスピードが上がった。やはりHD-PLCのアダプターは直接コンセントに接続する必要があるようだ。いずれにせよ、PS3に内蔵された無線LANでは10Mbpsを超えることはまずなかっただけに、これは期待できる。

試してみると、720pのMPEG-4動画再生は難なく行え、コマ落ちも起きない。2Mbps程度でエンコードしたSD画質のH.264動画もスムーズに再生できる。

これに気をよくして、NASだけでなく、ソニーのBDレコーダー「BDZ-RX105」にDLNAで接続し、動画再生がどこまで行えるか試してみたら、驚いた。DRモードで録画した20Mbps程度の番組が、全くコマ落ちなく再生できるのだ。もちろんAVCで録画した番組も余裕で再生可能。これは本当に快適で「HD-PLCすごすぎる!」と一人で興奮。家族にこの喜びを伝えようと1階に駆け下りて報告するが、無表情に一瞥されただけで、全く興味を示してもらえなかった。

それはともかく、この状態でNAS内の音楽再生をしてみたところ、やはり音切れが発生する。頻度は内蔵無線LANよりもだいぶ少なくなったが、それでも1曲の再生中に1〜2回は音切れしてしまうという状況だ。ビットレートが何十倍にもなるレコーダー内の動画はスムーズに再生できるのに、NAS内の軽い音楽データは音切れする、というのは腑に落ちない。NASとの相性なのか、それともPS3のメディアプレーヤーが、音楽再生時にあまりバッファを溜めないよう設定されているのか。

この時点で、既にPCを使った音楽再生環境が構築できていたので、特にPS3で音楽を再生する必要は無くなっていたのだが、原因が分からないのは何とも気持ちが悪い。

またHD-PLCは、当初は快適に接続できていたものの、数日間使い続けるうちに、接続スピードにかなりムラがあることがわかってきた。別室にある家庭内電気機器の使用状況によって、接続速度がアップダウンするのだ。食洗機やドライヤーなど、いかにもノイズが発生しそうな機器が使われている時はかなり速度が落ち、家族が寝静まった深夜には安定した速度が出る。速度が落ちた際には、レコーダー内のDR録画した番組はおろか、NAS内の比較的軽めの動画再生でもコマ落ちが頻繁に発生してしまう。

もっとも、PLCの接続の安定性は家庭内の電力線の配線状況によって大きく左右されると言われているし、今回はHD-PLC用ノイズフィルターなども使っていない。これらをしっかり使えば改善できる可能性は高い。

しかも今回試した製品は数年前の最初期モデルだ。最新モデルでは安定性や速度がさらに高まっているはずだから、無線LANでの接続が安定しない際、HD-PLCが手軽で有力な選択肢の一つであることに変わりはない。

ただし最初期モデルの場合では接続が不安定になることがあり、また安定した状態であっても、NAS内の音楽再生で音切れが発生したことは確かだ。引き続き別の方法を探ってみることにした。

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