新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> VICTOR GENESSAが生み出す革新の映像再現





テレビの画質改善は日進月歩で進み、さまざまな技術がこれまで大きな成果を上げてきた。
ビクターが最新薄型テレビに搭載したGENESSA(ジェネッサ)は、それらの英知を集大成して新しい段階に引き上げる画期的な手法である。

これまで技術者が目指してきたのは、オリジナル映像の情報を忠実に引き出すことに尽きる。特に、オリジナル通りの豊かな色で画像を描き、明暗差の階調を限りなくなめらかに再現することは、ディスプレイ最大の課題であった。最新のテレビには、色合いを整えたり、暗い部分の情報や質感を引き出すための工夫が、それこそ何十種類と盛り込まれている。だが、それらの技術は一定の条件下では威力を発揮するが、刻々と変化するあらゆる映像に効果を示すところまでは進化していなかった。たとえば、専門知識のある人間が見れば被写体の特徴、昼夜あるいは屋内と野外の区別などを瞬時に判断して、最適な調整を行えるが、テレビ自体が映像の内容を正確に判断するには限界があった。

わかりやすく言えば、映像技術に精通した専門家でなければ判断できない高度なノウハウと判断力を小さなCPUに凝縮したのがGENESSAである。32bitの高速CPUが、映像信号のさまざまな特徴をとらえ、それを元にリアルタイムで最適な判断を下す。具体的な例をあげれば、「薄暮の屋外シーンは輝度を上げずに中間の明るさを少し加減しよう」とか、「弱い照明に照らされた室内は特定の色と明るさを補正して人物の表情を引き出そう」とか、そんな離れ業を演じて見せるのである。ビクターはその手法を「映像知能」と表しているが、まさにテレビが知性をそなえたように振舞うわけで、わかりやすい表現だと思う。

GENESSA LSI
ジェネッサとは、GENE(遺伝子)+RENAISSANCE(復興、再生)の造語。ビクターの伝統の技術を受け継いだ“映像再現の遺伝子”という意味が込められている。
GENESSA システム概念図
明るさや色再現など、画質を決める映像処理回路に、映像処理専用の32ビットCPUを世界で初めて搭載した。ビクター技術陣が蓄積してきた膨大な画質改善技術を優秀な演算装置とともに集積し、絶えず変化する動画の階調(コントラスト)を最適化していく。


もちろん、光の種類や時間帯を推し量り、被写体が人物かどうかを見きわめるGENESSAの手法は、人間のやり方とは少し違っている。まず映像信号の特徴を数値化してきめ細かく抽出し、それを元に画像の種類を分類する。次に、その結果を分析・解析し、独自のノウハウでリアルタイムに映像を調整する。どのぐらい細かい判断をするのかというと、たとえば特徴を抽出して分類するパターンは約200万種類に及ぶのだという。独自ノウハウの中身は、これまでビクターのテレビ技術者が蓄積してきたものを数値化しており、こちらにも膨大な情報が詰まっている。

普通に考えると気が遠くなるような動作だが、それを実現できたのは、画質改善ノウハウの膨大な積み重ねと、それを数値化して瞬時に処理する高速CPUの存在が大きい。時々刻々と変化する動きのある映像に対して、数百万パターンのなかから最適な処理を行うには従来技術では役不足だったのである。

最後に、GENESSAの実際の効果を紹介しておこう。最も感心したのは、映画やドラマのいろいろな場面で、それまで見えにくかった暗い部分の情報が浮かび上がってくることだ。しかも、画面全体が明るくなるのではなく、暗いシーンはその暗さをそのまま残しながら、従来のテレビでは埋もれていた暗部の立体感や色を引き出してくれる。明るいシーンでは、細かい部分までしっかりコントラストを確保し、その結果として精細感が目に見えて向上する。金属の質感や肌のきめの細かさなど、微妙だが重要な情報を余さず描き切る能力にも驚かされた。

■ぼんやりした印象の元の映像。GENESSAは、大きな2つの技術でこの映像を蘇らせる。
インテリジェント・ガンマ
明部・暗部を個別にコントラスト補正
 従来の高画質エンジンに代表される「画面全体での画一的な画質調整」では実現できなかった「同一シーンでの明暗部それぞれにおける最適なコントラスト」を実現している。
カラー・クリエーション
色彩感を高め、立体感のある鮮やかな映像を再現
 コントラスト調整に伴うカラーコントロールをフレームごとに秒速60回の速度で同時に行うことを専用CPUによって実現している。
■見えるべき映像がはっきりと立体感豊かに見えてくる。




高画質に見合う音の良さを目指し、GENESSA搭載の最新モデルには注目すべき高音質技術が搭載されている。そのひとつがビクター独自の「オブリコーンスピーカー」。振動板の形状を工夫して歪みの発生を抑え、さらにテレビ正面で最適な音響特性が得られることが特徴だ。同社のハイファイスピーカーで高い評価を得ているだけに、クリアでなめらかなサウンドを聞かせ、テレビ内蔵スピーカーとは思えないクオリティを発揮する。

もうひとつの注目機能である「きき楽」は、音の高さによって音量を自動調節して明瞭度を上げる「はっきりトーク」と、音声の速さを制御して内容を聞き取りやすくする「ゆっくりトーク」が自慢の新技術だ。どちらもリアルタイム処理なので、テレビを見ながら気軽に使える点がいい。小さい音が聞き取りにくいとか、会話のスピードが速すぎて聞き取れないという悩みがこの2つの機能で見事に解消する。

はっきりトーク
聞き取りにくい小さな声は大きく、不快に感じる大きな音を自然なボリュームに調整。
ゆっくりトーク
会話を聞き取りやすくするために話し始めをゆっくりスタート。徐々に実際の話速に戻し、言葉の間を利用してタイミングを合わせるため、自然で聞き取りやすい音声を再現。

映像知能GENESSAの効果は、映像に感性を持つ人なら誰でもが瞬時に理解できるほど大きく、そして説得力に富む。みなさん一人一人がお好きなソフトを持参して、搭載テレビを扱っている販売店の店頭で、ぜひ確かめてほしい。映像知能GENESSAは、ソフトの製作者とユーザーをディスプレイが通い合わせる、テクノロジーによる新しい絆だ。 (編集部)