音元出版「AV REVIEW」誌試聴室レファレンス・ブランドの一つであるモニター・オーディオ各シリーズを展望する。第1回目は同ブランドのもっともベーシックなシリーズの「Bronze」を取り上げることにしよう。高い完成度を誇るBronzeシステムで2ch再生、5.1ch再生を試みた。


Bronze Seriesの概要

モニター・オーディオの最もベーシックなシリーズとして開発され人気を呼んだが、今年全面的に改良されてニューラインナップとなっている。最大のポイントはややはりドライバーユニットで、トゥイーターにはゴールドC-CAM、ミッドレンジおよびウーファーにはMMP-2というドライバーを採用した。いずれもメタル系振動板を使用する。ゴールドC-CAMはアルミ・アグネシウム合金にセラミック処理を施した素材で、従来のレファレンスであるゴールド・シリーズで開発されたものだ。30kHzまで分割共振なしで再生することが可能だという。またMMP-2は爆発的な好評を呼んだラディウスにも搭載されたユニットで、メタル・マトリクス・ポリマーにC-CAMを貼り合わせた構造。ハイスピードで歪みのない低域再現が可能である。この2つのユニットを軸として、ブックシェルフからフロア型、サブウーファーまで多彩な製品展開が行われている。

[Bronze B6/¥113,300(ペア・税込)] 
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●ユニット:165mmウーファー×2、165mmミッドレンジ×1、25mmトゥイーター×1 ●34Hz〜25kHz ●外形寸法・質量:200W×970H×300Dmm・17.0kg
[Bronze B4/¥88,200(ペア・税込)] 
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●ユニット:165mmウーファー×2、25mmトゥイーター×1 ●周波数特性:36Hz〜22kHz ●外形寸法・質量:185W×850H×255Dmm・12.0kg
[Bronze B2/¥50,400(ペア・税込)] 
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●ユニット:165mmウーファー×1、25mmトゥイーター ●周波数特性:42Hz〜22kHz ●外形寸法・質量:185W×350H×255Dmm・5.75kg
[Bronze B1/¥39,900(ペア・税込)] 
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●ユニット:140mmウーファー×1、25mmトゥイーター×1 ●周波数特性:55Hz〜22KHz ●外形寸法・質量:165W×260H×180Dmm・3.5kg
[Bronze Centre/¥33,600(1本・税込)] 
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●ユニット:140mmウーファー×2、25mmトゥイーター×1 ●周波数特性:60Hz〜 22kHz ●外形寸法・質量:460W×164H×163Dmm・6.0kg
[Bronze BFX/¥28,350(ペア・税込)] 
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●ユニット:165mmウーファー×1、25mmトゥイーター×2 ●周波数特性:42Hz〜22kHz ●外形寸法・質量:285W×290H×130Dmm・3.5kg
[Bronze ASW100mk2/¥76,650(1本・税込)] 
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●ユニット:250mmウーファー×1 ●周波数特性:27〜180Hz ●外形寸法:320W×320H×320Dmm・10.5kg
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機種の数が多いブロンズは多様な組み合わせが可能

ブロンズ・シリーズは機種数が多いため、目的や環境に合わせて多様な組み合わせが可能だ。ここではそうしたことを念頭に置いたうえで、最も一般的な組み合わせをいくつか試聴してみたい。

まず2チャンネルだが、ブックシェルフ型のB2とフロア型のB6に代表させてみる。B2はB1より一回りサイズの大きな2ウェイで、フロントにバスレフポートを備えているのが大きな違いである。またウーファーにも165mmのMMP-2ユニットを使用している。小型スピーカーでありながら、低域の豊かな安定した音調を備えているのが意外でもある。もちろん持ち前のハイスピードなレスポンスが基調になっているのは確かだが、ベーシックモデルとして入門者にも鳴らしやすいという点をある程度考慮したとも考えられる。ウッドベースなどもにじまずどっしりした構えを見せ、一方コーラスや声楽ではディテールがきめ細かく表情が精密。透明度の高い質感をベースにしながら、暖かみのある音色が耳になじみやすい。

B6は165mmのMMP-2ユニットをミッドレンジに1基、ウーファーに2基使用した3ウェイである。シリーズ中最も大型のモデルとなるが、それでもこの価格に収まっているのが嬉しい。ウッドベースやピアノを聴くと、低域の再現性が正確なのにおそらく誰でも驚かされる。深いところまで沈んでぼやけた感触がなく、タイトに引き締まっていながら量感も豊かだ。またタッチが明瞭で輪郭線に神経質な細さを感じさせないのも、安定感につながっている。ボーイソプラノのハーモニーが刺々しくならず、また余韻が空中にしみこむような潤いに富んでいるのが印象的だ。声楽に精密な音場と表情の緻密さ、オーケストラのスケールの大きな鳴り方など、ベーシックと呼ぶにはもったいないような再現が続く。解像度の高い正確なレスポンスと楽々としたユニットの動きがその原動力である。


MMP-2ドライバーを採用した、シリーズ共通のウーファー/ミッドレンジユニット

メタル系振動板を使用するゴールドC-CAMトゥイーター。こちらもシリーズ共通属
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一般的なシアタールームではまず不満のないB6システム

5.1チャンネルではB6をフロントにCentreとリアのB1、サブウーファーを加えたシステムをまず紹介したい。一般的な広さのシアタールームなら、まず不満のない組み合わせだろう。透明で豊かな音調に加え、サブウーファーが曇りのないLFEを提供することで精密な映画再現を実現している。

端子部。バナナプラグ、バイワイヤリングに対応している(写真はB4)

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空間の一体性に優れ、『HERO』の矢の飛来音や戦場の雑踏感などが周囲一面を取り囲むようだ。シャープだがうるさくはない。効果音や身辺音のディテールがきめ細かく描かれて、それらがいっそうリアリティを高めている。『マスター・アンド・コマンダー』でも砲撃の迫力と船内の混乱の中で、細かな音が明瞭に把握できるのが精度というものである。

もうひとつB4を中心にしたシステムは、やや小振りの空間を対象にしている。リアにBFXを使用してみた。バイポーラ型なだけに後方の空間がさらに躍動感を持っている。『ロード・オブ・ザ・リング〜王の帰還』はEXソフトであるため、リアの情報が多く空間が緻密だ。その緻密さが確実に生かされ、後ろ側での音の動きが気になって仕方がないほどである。動的な再現性が特に印象に残る。ぜひ試してみてほしい。

※5.1chの視聴ソフト「dts SURROUND・9−DEMONSTRATION DVD」

 
取材・文/井上千岳(Chitake Inoue)

PROFILE:慶應大学法学部・大学院修了。神奈川県葉山町に構える自宅視聴室でのシビアな評論活動を展開、ハイエンドオーディオはもちろん高級オーディオケーブルなどの評価も定評がある。海外のオーディオショウ・イベントへも毎年精力的に足を運びながら、海外ブランドのキーパーソンへのインタビューも数多くこなす国際派。ワールドワイドなハイエンドオーディオ事情にも精通する。

Monitor Audio製品に関する問い合わせ:
 (株)ハイ・ファイ・ジャパン http://www.hifijapan.co.jp/
 TEL/03-3288-5231 FAX/03-3288-5233
 Mail/mail@hifijapan.co.jp


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