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視聴・文/村瀬孝矢

リビングルームなどでも黒浮きが少ない、明瞭な映像を実現する画期的スクリーン「グレイマットアドバンス」。最新の人気プロジェクターと組み合わせた場合の相性はどうなのだろうか。綿密な視聴レポートを通し、村瀬孝矢氏が画質を検証した。

ソニー
VPL-VW12HT
¥OPEN(予想実売価格55万円前後)
製品の詳細

プロジェクターのプロフィール

液晶プロジェクターの定番モデルである。ワイドパネルで多くのホームシアターの映像を担ってきた。画質調整機構は分かりやすく、しかも質感そのものが良い。使いやすいモデルだからこそ人気も高いのだ。

 

プロジェクターの基本画質

ビデオ画質、映画画質ともに評価基準として使えるものを備えた画質。特に画質強調、色合い、色の乗せ方、これらは全てのモデルの基準に位置しているほど、巧みな画質である。12HTになってさらにモニター画質に迫ってきた。

 

グレイマットアドバンスとの相性

DVD映画ソフトもBSデジタルハイビジョン放送も、まず安心して見られる画質なのが12HTである。それを生かすも殺すもスクリーンしだい。グレイマットスクリーンの良さは黒浮きを補正できる点にある。液晶はこのおかげでかなり画質が向上する。マット系スクリーンにあって、もっともしっかりしたコントラスト表現ができるのがこのスクリーンなのだ。それでいてモニター画質を備える12HTの色合いを変えたり、さらにどぎつくすることも少なく、良好なバランスを保つところがまたすごい。ただ、すこし色が濃い目になる傾向はここでも残るから、画質調整で色の濃さを加減すること。本格派シアター作りにお薦めなスクリーンの1つである。

 

スクリーンとの相性評価
CH2000WG(吉村光学) コントラストをもっと発揮させたい不満が残る。暗部のくすみが気になる
MTSR-90H DAM(キクチ) コントラスト、黒浮きなど十分納得できる良いでき。少し色が被るのがマイナス
AM-V100B WF201(OS) 健やかな色合い、明るさが良い。ただ黒浮きが目立つのでやや中途半端
FIRE HAWK(スチュワート) 意外に相性が良いのがこれ。DLP専用と思っていたがこのクラスならOKなのだ
◎…相性抜群! ○…良好 △…やや良好 ▲…まあまあ ×…あまりよくない
(上記の表は「AVレビュー」107号所収記事より転載)