新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> KENWOOD 新シアターシステムでホームシアターをはじめよう

 

数々の新技術を生み出してきた名門ブランド

ケンウッドは過去日本のオーディオ界をリードしてきた名門である。わが国初のソリッドステート・アンプを開発した歴史ひとつとってみても、それは明らかだろう。また近年ではオーディオだけでなく、ホームシアターからカーオーディオや通信機器などまで幅広く事業を展開してきたこともよく知られている。しかし残念なことに一時はオーディオ・ジャンルからの撤退が噂されていたのも事実である。

現在この懸念は払拭されたようだ。MDラジカセなどのゼネラル・オーディオを縮小する一方で、ホームシアターを中心として再びオーディオ分野の建て直しが始まっている。ことにこれからの主力製品としてホームシアター製品を想定している点が注目される。ケンウッドではこれまでにもDVDプレーヤーやAVアンプなどホームシアター関連の製品をいくつも登場させている。またスピーカーでも以前から定評がある。これらを新たに発展させてゆこうという考えである。

▲独自のDA変換技術D.R.I.V.E.を行うICチップ

ケンウッドでは独自のDA変換技術D.R.I.V.E.を開発した経緯がある。またアンプではTRAITと呼ばれる独創的なトランジスターも記憶に新しい。ここ数年はゼネラル・オーディオで人気の高かったケンウッドだが、本格的なホームシアター製品を開発・展開してゆくためにはそれだけでは足りない。ハイエンドではなくても、やはりしっかりしたオーディオ製品を基礎としながらホームシアターへの延長を図ってゆくべきなのだ。

音の基本は2chの技術にある。その意味でも最近登場したケンウッド製品は心強い。スピーカーやDVDプレーヤーなどケンウッドの技術をしっかり生かしながら、現代的な性能・音質を正しく追及しているように思える。そしてここで紹介するホームシアター・システムでも、そうした傾向を確実に反映されているようだ。名門ケンウッドの復活に期待する所以である。


ホームシアターシステムのプロフィール

ケンウッドの新しいホームシアター・システムは、DVDプレーヤー、AVアンプ、スピーカー各種とサブウーファーから成っている。これらの概要を簡単に紹介しておこう。


マークをクリックでPhile-web「製品データベース」該当ページにジャンプします
▲DVDプレーヤー「DVF-3070-S」\23,800
 
▲DVDプレーヤー「DVF-7060」\OPEN(予想実売価格45,000円前後)

DVDプレーヤーにはDVF-3070SとDVF-7060の2機種が用意されている。このうちDVF-3070Sは、プログレッシブ再生に対応したベーシックなモデル。JPEG再生機能も装備するなど、音声・映像の各種フォーマットに準拠している。またDVF-7060はDVDオーディオの再生も可能なユニバーサル・モデルだ。ファロージャのDCDi回路によるカッティングエッジ技術を採用。輪郭のギザギザを補正した滑らかな画像を再現する。ビデオDACは12ビット108MHz。オーディオにはフロント2chに24ビット192kHzのDAコンバーターを搭載し、DVDオーディオの高精度な音質を十分に受け止める。

 


▲AVアンプ「KRF-X9070D」\60,000
システムの核となるAVアンプKRF-X9070DはTHXセレクト準拠の6ch構成。アナログデバイセズ社製32ビットDSP「Melody32」を搭載し、サラウンドEXなど多彩なフォーマットに対応する。実用最大各130Wのパワーを備え、先進の補正回路Active EQによってスピーカーに応じた最適な音調が得ることが可能だ。

 


←トールボーイスピーカー「LS-9070-ML」\40,000(ペア)

スピーカーは3種類だ。フロント用のLS-9070-MLはごくスリムなトールボーイ・タイプ。4個の8cmウーファーを精密な計算から割り出した位置に分散配置し、カビネット内部の管共鳴を利用して低域再生能力を最大限に引き出す最新のテクノロジーを採用している。このほかにスコーカーとドーム・トゥイーターを1個ずつ装備し、3ウェイ構成とした。

 


▲センタースピーカー「CS-7070-ML」\14,800(1本) リアスピーカー「RS-7070-ML」\19,800(ペア)

センターのCS-7070-MLとリアのRS-7070-MLは、いずれもウーファー2個でトゥイーターを挟んだ仮想同軸。ユニットは同一で、8cmウーファーとドーム・トゥイーターを採用している。キャビネットはCS-7070の方が一回り大きく、RS-7070は壁掛けにも応用できる。

 


▲サブウーファー「SW-37HT-ML/-W」\19,800(1本)
サブウーファーSW-37HT-ML/-Wは20cmユニットを搭載したモデル。トータル150W/4Ωのハイパワーで強靭な重低音再生を実現する。クロスオーバーは60〜200Hzで調整が可能。仕上げも2種類からの選択ができる。

ケンウッド新ホームシアターシステムのディテール(クリックで拡大)
←AVアンプ「KRF-X9070D」の背面端子部
←AVアンプ「KRF-X9070D」前面の拡大写真。リスニングモードはダイヤルで切り替える方式で扱いやすい
←AVアンプ「KRF-X9070D」のリモコン。曲面をふんだんに使用して手に馴染みやすい。ボタンの数も多すぎず、直感的な操作が可能
←DVDプレーヤー「DVF-7060」の背面端子部。5.1chアナログ出力端子も装備している
←DVDプレーヤー「DVF-7060」のリモコン。こちらもAVアンプと同様、シンプルで扱いやすいデザインとボタン配置を採用している
←サブウーファー「SW-37HT-ML/-W」の背面部。クロスオーバー周波数の切替などが可能
←スピーカーシステム「LS-9070-ML」の前面下部に設けられた共鳴管ポート
←スピーカーシステム「LS-9070-ML」の端子部。金メッキが施されており、太いケーブルにも対応する
←スピーカーシステム「RS-7070-ML」の背面。壁掛け器具取り付け用の穴が見える