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米国芸術・科学アカデミーより「エミー賞」を受賞 執筆:村瀬孝矢
プロフィール


放送業界でのアカデミー賞とも言われる大変権威ある賞

エミー賞のトロフィー。受賞理由については、富士通ゼネラルのサイトにもくわしく説明されている(写真はクリックで拡大)

「エミー賞」は、今から50数年前の1948年「米国テレビ芸術・科学アカデミー(National Association of Television Arts and Sciences:NATAS)」のハリー・ルーベック会長により提唱され、誕生したもの(現会長スタンレー・ヒューバート氏)。エミー(Emmy)の語源は、撮像管の愛称イミー(Immy)に由来がある。今年で55回目を迎えるという非常に古くて、歴史と伝統を持つ賞である。

この賞は、テレビ技術や科学技術の発展に寄与し、貢献度の高かった企業、団体や個人に対して授与される。特に放送業界でのアカデミー賞とも呼ばれるほどの、たいへん権威ある賞であり、これまで日本の一流企業が受賞してきたことは良く知られている。第1回目は、6つのトロフィーが用意されたことでも良く知られ、それは俳優、ロサンゼルスの地方放送局、テレビ番組、1本のフィルム、特別賞としてエミー賞トロフィーデザイナー、ルイス・マクマナス氏らと、多彩な顔ぶれでもあった。

プラズマテレビでは同社が初の受賞。企画力・技術力が高く評価された

さて「エミー賞」の対象部門は、<1>Daytime Emmy Awards <2>News and Documentary Emmy Awards <3>Scientific Development and Technological Achievement Emmy Awards <4>Sports Emmy Awards の4部門で構成されている。今回、富士通ゼネラルが受賞した「プラズマビジョンW」は、このうちの「放送業界における技術開発」において、業界の発展に寄与し、貢献度が高かったことが評価され、 「Scientific Development and Technological Achievement Emmy Awards」を授与されたものだ。特にプラズマテレビでは初めての受賞ということが注目すべき点であり、世界で初めてプラズマディスプレイを商品化、さらに常に最新の技術革新を図り、フラットディスプレイ市場の拡大に貢献してきた同社の企画力、技術力が高く認知されたというべきであろう。

なかでも私たちの記憶に留めておきたいのは、同社が取り組んできたプラズマディスプレイ用の映像技術の集大成である、フルデジタルビデオプロセッサー「AVM(Advanced Video Movement)」を積極的に開発し、商品化してきたことである。

「AVM」の先見性の高さは、固定画素型表示装置において欠かせない高精細拡大/縮小フィルター処理(スケーラー)を中心として、プログレッシブ表示への優れた柔軟な対応性と、その高画質な回路設計の導入、そしてコンポーネントビデオ入力の高精細デジタル処理回路などを包括的に捉えていることにある。しかも、現在はこれが新開発の「高精細デジタルマルチコンバージョン(HDDMC)方式」により高密度LSIで1チップ化され、フルデジタルビデオプロセッサーとしてまだまだ進化を遂げていることも見逃せない。

この成果は、新たに発売された42型プラズマテレビに搭載してきた「ファインモード」で実っており、最高水準とも言える忠実度に優れる高画質ぶりが体験できるから楽しい。