10/5週から11/12週までの、規格別のレコーダー構成比。BDが大きくシェアを伸ばしていることがわかる(GfK Japan調べ)
Blu-ray DiscやHD DVDといった、いわゆる次世代光ディスク市場が、いよいよ本格的に起ち上がってきた。Blu-ray Disc Associationが11月22日に公表したデータでは、国内のDVDレコーダー市場内におけるBDレコーダーのシェアが20%弱になったという。10万円程度の低価格機が続々と登場していることや、2008年には北京オリンピックも控えていることもあり、今後、次世代光ディスクレコーダーの拡販が続くことは確実と思われる。シェア拡大に伴い、BDやHD DVDのパッケージソフトも、DVDの代替として徐々に普及が進んでいくはずだ。

ご存じの通り、BDやHD DVDには、ドルビーTrueHDやDTS-HD MasterAudioといった、最新のロスレスオーディオコーデックが規格に盛り込まれており、音にこだわるAVファンから大きな注目を集めている。BDでは容量に余裕があるため、非圧縮のリニアPCMでサラウンド音声を収録しているタイトルも珍しくない。DVDではドルビーデジタルやDTSといった、ロッシー(圧縮)なオーディオコーデックが使われていたが、これらがロスレスオーディオに置き換わっていくことになる。DVDの“SDオーディオ”時代から、BD/HD DVDの“HDオーディオ”時代へのシフトが、今まさに起きつつあるのだ。

これまで、高品位な音声が楽しめるパッケージソフトといえば、SACDやDVDオーディオがその代表格だったが、これらはいずれも音声中心の規格だった。言うまでもないことだが、BDやHD DVDでは、高品位な音声に加え、映像もハイビジョン化している。映像も音もHDで楽しめる時代が、ようやく到来したことになる。

このような状況を受け、AVアンプもロスレスオーディオのデコーダーを搭載した最新モデルが登場。BDやHD DVDのポテンシャルを活かしきるためには、HDオーディオ対応アンプが必要になることもあり、この秋冬から買い換えがハイペースで加速するはずだ。

このように、パッケージソフトのサウンドクオリティは大きな進化を果たしたわけだが、これらの音声データを実際に音としてユーザーに届けるのは、言うまでもなくスピーカーの役割である。いくらソースのクオリティが良くても、それを再生できるだけの性能がスピーカーに無ければ、宝の持ち腐れになってしまう。今後はスピーカーの能力の善し悪しが、これまで以上にサラウンド再生の重要な鍵を握ることになる。

では、HDオーディオ時代のサラウンドスピーカーに求められる能力とは、具体的にどのようなものだろうか。まず、これまでの圧縮音源からHDオーディオのロスレス音源への進化で、圧倒的な差が出るのは音の情報量だ。スピーカーにも、この膨大な情報を正確に再現する能力が必要になる。

音の立ち上がりの良さも重要だ。映画ソフトでは、効果音やセリフのキレの良さが重要なポイントになる。音楽ソフトでも、スピードの速いスピーカーならば、現代的なクリアな録音を、余すところ無く表現することが可能になる。

また、サラウンド音声を再生する際には、音場表現能力の優劣は、絶対に無視できない要素だ。フロントからリアまでの音のつながりが良く、自然にリスナーを包み込むような感覚を表現できれば、それだけソフトへの没入感が高まる。

ここまで挙げた要件をクリアできる製品はさほど多くない。リーズナブルな製品で探したら、数えるほどの選択肢しかないはずだ。その数少ない候補の最右翼として、今回我々が推薦したいのが、ECLIPSE TDシリーズだ。同シリーズには様々な製品がラインナップされているが、今回は特に、「オーディオ銘機賞2008」で銅賞を受賞した「TD508PAII」、そして「ビジュアルグランプリ2008」でホームシアター大賞と銅賞を受賞した「TD307THII」の2機種にフォーカスをあててご紹介したい。

ECLIPSE TDシリーズは、「タイムドメイン理論」を採用したスピーカーとして有名である。タイムドメイン理論に関する詳細はこちらの開発者インタビューをお読み頂きたいが、スピーカーの性能として一般的に使われる周波数特性だけでなく、時間情報を非常に重視しているのが特徴だ。このため、パルス幅の時間が無限小で出力が無限大という、インパルス信号の応答波形を重視。これを正確に再現することができれば、どのような波形にでも対応でき、元の信号を正確に再現することができるという理論だ。

オーディオ銘機賞で銅賞を受賞した「TD508PAII」は、スピーカー「TD508II」2本と専用アンプ「TDA501II」のセットモデル。スピーカー単体でも1本44,100円で購入できる。サラウンドで使用する場合、サブウーファーを除けば22万円弱で5chシステムを組むことができる。ユニットの振動をエンクロージャーに伝え、共振が起きてしまうことを防ぐ“ディフュージョン・ステー”や、ユニットが動くための足場として機能する“グランド・アンカー”という構造物など、タイムドメイン理論を製品に落とし込むための独自の技術が数多く盛り込まれている。

TD508PAIIはスピーカー「TD508II」2本と専用アンプ「TDA501II」のセットモデル。カラーは写真のように3色が用意される

その音は、色づけを排除し、ソースの情報をそのまま再現する「正確な音」を特徴としている。ソフトのサウンドプロダクションデザイナーや、演奏者が意図した通りに再現するECLIPSE TDシリーズの音作りは、世界のトップアーティスト達からも高い支持を得ている。

サラウンド音声を再生する際に最も注力しなければならないポイントに音場再現力があるが、ECLIPSE TDシリーズはその能力に長けている。なぜならば、ECLIPSE TDシリーズのスピーカーは1つのユニットで全帯域をまかなう、“シングルウェイ方式”を採用しているからだ。複数ユニットを使うタイプのスピーカーに比べて“位相のズレ”が原理上発生しにくく、前述の不要振動の排除との合わせ技により、サウンドプロダクションデザイナーが意図して収録した、高さ方向の音情報や試聴者を取り巻くような効果音などを元の音源通りに再現する。この結果、まるで音の球体に囲まれたような豊かな音場再現が可能になる。これがECLIPSE TDシリーズが訴求している「正確な音」であり、世界のトップアーティスト達から高い支持を得ている理由である。「正確な音」の再生にかけては、ECLIPSE TDシリーズが最高レベルにいると言っても過言ではない。

さらに言えば、HDオーディオを再現する際の条件として重要な、スピードの速さに関しても、ECLIPSE TDシリーズは非常に高い能力を持つ。もともと、インパルス信号の再現を目標としているだけあり、音の時間方向の再現では他の追随を許さない。

なお、TD510やTD508IIでサラウンドを組むのは、スペースや予算の都合で難しそうという方には、弟分にあたる「TD307II」5本とサブウーファー「316SW」1本をセットにした「TD307THII」をおすすめしたい。弊社が主催する「ビジュアルグランプリ」においても、今夏発表した「ビジュアルグランプリ2007SUMMER」、今冬発表した「ビジュアルグランプリ2008」で、“銅賞”“ホームシアター大賞”をともにダブル受賞するという快挙を成し遂げた。ビジュアルグランプリは、全国の有力販売店の投票と、AV評論家の審査により決定するものであり、AV機器の販売のプロ、評論のプロが、ともに高い評価を与えたということからも、本機の持つ能力がお分かり頂けるだろう。もちろん本機の設計思想もTD510やTD508IIと共通であり、HDオーディオを再生するスピーカーとして不足はないはずだ。

TD307THIIは「TD307II」5本とサブウーファー「316SW」1本をセットにしたモデル。コンパクトながら、タイムドメイン理論による正確無比なサウンドが体験できる。スピーカーは、シルバー、ブラック、ホワイトの3色がある

見てきたように、ECLIPSE TDシリーズは、HDオーディオ時代のスピーカーとして音質的に十分な実力を持っている。ただし、スピーカーは部屋に置いて使うものであり、音が良くても美的に優れていなくては、現代のインテリアコンシャスなユーザーを満足させることはできない。また、ホームシアターユーザーの多くが、リビングルームでシアターを楽しんでいることを考えれば、既存のインテリアの邪魔をせず、スマートな設置が可能であるかどうかも、機器選択の際の重要なポイントになるだろう。

結論から言えば、ECLIPSE TDシリーズは、美観や設置性という問題に対しても、明確な回答を用意している。まずは製品デザインについてだが、“タマゴ形”と形容されることの多い筐体は、全体が優美な曲線で構成されており、デザイナーズ家具と組み合わせても違和感はまったくない。それどころか、積極的に見せて自慢したくなるデザインと言ってもよい。本体色についても、TD510、TD508II、TD307IIはそれぞれシルバー、ブラック、ホワイトを用意しており、部屋のイメージに合わせて選択することができる。

設置性についてはどうだろうか。これについては現在、「TD510」「TD508II」購入者を対象に、無料プレゼントキャンペーン() が行われている天吊りブラケット「CB1」を使えば、壁や天井に両機を設置でき、非常にスマートなセッティングが可能になる。天吊り時には上方向10度〜下方向60度という大幅なチルトが可能で、リスニングポイントにスピーカーを向け、音の定位を高めることができる。このキャンペーンでは、スピーカーの購入個数分だけブラケットをもらうことができるので、サラウンドシステム構築時に、5本すべてを天吊りすることも可能だ。なお、TD307IIの場合はブラケット無しで、購入したらすぐに天吊りが行える。


キャンペーン期間中、「TD510」「TD508II」を購入して応募すると、スピーカーの本数分だけ天吊りブラケット「CB1」がプレゼントされる
CB1を使い、TD508IIを天吊りした設置例。上方向10度〜下方向60度という大幅なチルトが可能となっている

最近のホームシアターでは、壁や天井に埋め込むタイプのスピーカーが人気を博している。たしかに、この方法が一番すっきりスピーカーを設置することができる。しかし、Blu-ray DiscやHD DVDのHDオーディオには、そのソフトのポテンシャルを余すところ無く再現できる真のハイファイスピーカーを使い、あえて壁や天井に吊り下げることで、そのクオリティを堪能してみてはどうだろうか。せっかくのHDオーディオ時代には視覚だけではなく、聴覚を含めた五感全てを満足させるシアターを築きたい。


天吊りの設置例。白天井とホワイトのECLIPSE TDシリーズスピーカーが絶妙なマッチングを見せている
ベッドルームに天吊りした例。枕の方向にスピーカーが向いていることに注目。チルト範囲の大きさがなせる技だ


天吊りなら、たとえばキッチンにECLIPSE TDシリーズスピーカーを設置することも容易に行える。好きな音楽を聴きながらなら料理も捗るかも?
家庭内だけでなく、店舗のBGMにもECLIPSE TDシリーズスピーカーは活躍する。ユニークな形状のスピーカーで店の個性がぐっと引き立ちそうだ

)天吊りブラケット「CB1」のプレゼントキャンペーンは、2008年3月20日までに製品を購入した方で専用のアンケートに回答した方が対象になる。詳細はこちらを参照されたい。


HDオーディオの魅力を存分に味わえるスピーカーを、美しく、かつスマートに設置したいと望む方には、格好の機会となるはずだ。新時代のロスレスサウンドをECLIPSE TDシリーズで楽しんでみてほしい。

(Phile-web編集部)

ECLIPSE TD 「CB1」プレゼントキャンペーン
ECLIPSE TD公式サイト