新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> DMR-HS1 >> DVDプレーヤーとしての完成度

 


ここまでDVDレコーダーとしての性能や使い勝手を見てきたが、本機はDVDプレーヤーとしても高水準だ。量産に近い試作機で実際に画質を確認したが、けっしてDVDレコーダーのオマケではなく、単体プレーヤーにも負けない画質・音質を実現している。

事実、本機のDVDプレーヤーとしての構成は、ベストセラーモデルのDVD−RP91とほぼ共通だ。DVDオーディオ再生やアナログ5.1ch出力には対応していないが、映像再生に関連した回路はほとんど同じ構成で、詳細な画質調整機能やノイズリダクション回路もそのまま継承。アイコンメニューを利用したパナソニック独自の使いやすい操作インターフェースも受け継いでいる。

 
視聴は音元出版の視聴室でじっくりと行った


DMR-E20には搭載されていなかったプログレッシブ再生機能を装備した(クリックで拡大)
 

そして、最も注目すべき点は、本機がプログレッシブ再生(→解説図に対応していることだ。54MHz/12bitの映像DACと、高精度な2−3プルダウン検出回路の組み合わせもRP91譲り。色差出力はD2端子とRCAコンポーネント出力端子の両方から取り出すことができる。

細部まで見通しのいい緻密な再現性、ノイズを巧みに抑えた、透明感の高い映像表現が、本機の持ち味だ。中間階調の豊かさと繊細な色再現、ゆっくりとしたカメラの動きにも破綻しないディテール描写力は、中上級クラスの単体DVDプレーヤーに遜色ない水準に達している。