スピーカーの振り、高さや間隔を変えての試聴

本機の試聴エリアはとても広い。少し首を振ったりソファーの端に移動したくらいでは音像がブレず、リアまわりまでしっかりとしたサラウンド音場が完成するのは、従来のバーチャルでは体験しえない世界である。予備知識なしでセットした割に、すんなりと3・2・1のよさが引き出せた感じだが、それでもセッティングのセオリーはある。BOSEの推奨だと内振りは不可だ。必ずリスナーの方に正対して置き、その高さは耳の位置を目安としてほぼ1m。なおかつスピーカー間隔は60センチ以上離すことがベターとされている。

それを念頭に置きつつ、いくつかのパターンで試し置きをしてみた。水平の振り角には確かにシビアーなようだ。オーディオマニアがよくやる内振りでは音の焦点がいま一歩定まらない印象。戻すとビシっと安定感が蘇った。アオるのも好ましくない、床から見上げる感じや、反対に天吊りに近い状態から見下げるようなのはダメだ。やはり緻密な計算から音場が生成されているのだな、と実感。但し高さについては割と自由度が広く、30〜150センチ程度でも破綻なく楽しめた。そして左右の間隔。広げればよいというものではなく、例えばスクリーン視聴で外側にスピーカーを出してしまうと、リスナーからの角度がつきすぎて音場感が薄まってくるようだ。壁からの距離については、基本的に反射音などに依存しないシステムゆえ、極端に壁にくっつけない限り大丈夫だ。本棚などに入れる際は、あまり引っ込ませず顔を見せるようにする方がいいわけだし、とにかくあまりマニアックなことを考えず、黙っておけば大丈夫。この使いやすさは安心だ。